打てる打てないの境界線はどこ? アベレージゴルファー向け「何番で打てるか?」ライ判断術

だんだん芝が元気になりつつあるゴルフ場では、セカンドショットでの「ライ判断」が重要になってきます。一般的なヘッドスピード(ドライバー38〜40メートル/秒前後)のゴルファーにとって、フェアウェイやラフの状況判断をする際「何番で打てるか?」を見極める方法を聞きました。

上級者は「フライヤーに注意」でも一般ゴルファーはダフリと引っ掛けに注意

 絶好のゴルフシーズンを迎えているゴルフ場の芝では、セカンドショット地点の状況判断を間違えると大きなミスに繋がってしまいます。

 冬場の薄芝であればダフリやトップに注意することが最優先でしたが、真夏に向けての季節では場所によって芝の密集度はバラバラです。今回はうまく打つ以前に、アベレージゴルファーが「何番まで打てるか?」を判断するためのライ判断術を紹介します。

ボールとフェースの間に「芝が挟まる」ラフでは、スピンが減り弾道の高さは出しづらくなる

ボールとフェースの間に「芝が挟まる」ラフでは、スピンが減り弾道の高さは出しづらくなる

 基本的にボールとフェースの間に芝が挟まるラフでは、スピンが減り弾道の高さを出しにくくなります。

 プロや上級者の多くは少々のラフならパワーと技術でナイスショットを打てるのですが、スピン量と高さが減り「フライヤー」と呼ばれる飛びすぎ現象が短い番手ほど起こりやすくなります。

 しかしアベレージゴルファーの場合、芝が挟まることによってダフリに近い現象が起きてしまいます。アベレージゴルファーはラフの芝が多くなるほど、「ボールが上がらなく」「飛ばなく」なり「引っ掛け」やすくなるのです。

ボールの「ちょっと後ろ」にクラブを置くとミスが予想できる

 プロや上級者にとっては「当たり前過ぎる」ライの判断術も、アベレージゴルファーの多くは知りません。ラフでの芝の密集度が、これから打つショットにどのくらい影響が出るのかは、ボールの「ちょっと後ろ」にクラブを置いてみるのが簡単に判断する方法になります。

ボールの「ちょっと後ろ」にクラブを置いてみると、インパクトで「芝が挟まる」密集度とミスの予想ができる

ボールの「ちょっと後ろ」にクラブを置いてみると、インパクトで「芝が挟まる」密集度とミスの予想ができる

(写真のように)フェースとボールの間の芝が「ほんの少し」なら、ロフトの立ったユーティリティーでもほとんど芝の抵抗を受けず打てるでしょう。

 しかしナイスショットの確率が低いフェアウェイウッドまで打てるか? となると、きちんとミートできる腕前が必要になるので使わない方が無難です。

 そもそも、これぐらいのラフでミスなく打てる人は既にアベレージではないので、今回のアドバイスの対象ゴルファーではありません。

 また「グリーンに乗せられそうな距離」で使用するショートアイアンやウェッジでは、インパクトで芝が挟まることで早くフェースが返りやすくなります。

 ボールを打つことは難しくないラフでも「ちょっと引っかかる」ことを予想をして、少し右方向を狙っておくマネジメントも必要です。

ボールの「赤道付近」の芝の密集度を観察する

 春先から真夏にかけてのゴルフ場では、パッと見では芝が密集しているように感じても、実際にボールとフェースの間には芝が入らないこともあります。アベレージゴルファーは実際のボール状況を見ずにクラブを選択してしまうこともあるので、スロープレーに注意しながら「ボールの赤道付近」の状況を一度確認して、改めてクラブ選択する習慣をつけて欲しいです。

フェースと「ボールの赤道付近」の芝の密集度を観察し、インパクト時に芝が挟まる度合いを予想する

フェースと「ボールの赤道付近」の芝の密集度を観察し、インパクト時に芝が挟まる度合いを予想する

 ラフの芝が元気に見えても、インパクトで実際に当たる「ボールの赤道付近」の芝が少なければロフトが立った番手でも普通にショットできます。とはいえ、基本的に弾道高は少し低くなりランが増えるので、池やバンカーなどを越える必要がある状況以外ならチャレンジが可能になります。

 ドライバーのヘッドスピード38〜40メートル/秒前後のアベレージゴルファーなら、少しでもラフの芝がボールとフェースの間にあれば、8番アイアンまでがナイスショットの上限。

 それ以上の番手で打つ場合、ナイスショットの確率が下がり飛距離や弾道高が落ちることも想定しながらクラブ選択&ショットに臨んでください。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。

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