日本男子ツアー新会長の77歳・諸星裕氏が韓国紙に登場 単独インタビューで明かした“国際派”ならではの戦略とは?

今年3月、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の第5代会長に就任した77歳の諸星裕(もろほし・ゆたか)氏が日韓ツアー共催「ハナ銀行インビテーショナル」に際して韓国紙のインタビューに登場。いったい何を語ったのだろうか。

関心と賞金を日本に集めるため必要なのは“共同主管大会”

 今年3月、日本ゴルフツアー機構(JGTO)の第5代会長に77歳の諸星裕(もろほし・ゆたか)氏が就任した。1999年のJGTO発足から14年間、国際関係担当で理事・副会長を務めていたが、JGTO復帰はそれ以来となる。

「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」の表彰式であいさつする諸星裕氏 写真:JGTOimages

「BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」の表彰式であいさつする諸星裕氏 写真:JGTOimages

 前任の青木功氏からバトンを受け継いだ諸星氏の任期は2年だが、本来の肩書きは学者。桜美林大学名誉教授、米ミネソタ州立大学の特別功労教授の肩書きを持ち、犯罪学の専門家でもある。国際スポーツイベントの招致活動や交渉にも携わるほど国際経験は豊かで、フジテレビの朝の情報番組「おはよう!ナイスデイ」や「情報プレゼンター とくダネ!」のコメンテーターとしても活躍。その顔に見覚えのある人もいるはずだ。

 新たに会長に就任したということで、6月13日から4日間の日程で韓国の南春川(ナムチュンチョン)CCで行われた日韓ツアー共催「ハナ銀行インビテーショナル」にも同行。そこで韓国経済紙「毎日経済」が単独インタビューを行ったのだが、そこで話している内容がとても興味深い。

 記事によれば1988年のソウル五輪以来、36年ぶりに韓国を訪れたという諸星会長。そこでまずこう語っている。

「世界最高のプロゴルファーを輩出している韓国を訪問してみると、実力のある選手が継続して輩出される理由が分かりました。これからもゴルフ強国の一つでもある韓国と共に大会を開催したい」

 また、同紙はJGTOについて「2022年のリブゴルフ誕生後は、世界のゴルフ界に変化が起こっていることから、さまざまなゴルフ団体と密接な関係を維持し、発展するための活動を続けている」と紹介。

 そのうえで諸星会長は日本ツアーが発展するために必要なこととして、次のように話している。

「韓国ツアーと米ツアー、DPワールドツアーと手を取りあい、共同主管する大会が増えなければならない。アジアが全世界のゴルフ界に与える影響力を広げるためにも、さまざまなゴルフ団体と積極的に交流しなければなりません。プロゴルファーにとって最も重要なのは賞金です。JGTOの水準を今よりももう一段階上げるためには、いくつかのツアーに集中する関心と賞金を日本に持ってこなければなりません。この方法を実現できるのが、やはり共同主管の大会。両ツアーが共に大会を開催することで、互いに得られるものが多いので、今よりもさらにたくさんの国と交流するためにさまざまな努力をしています」

「ジュニア育成は韓国が日本より先を行っているが…」

 さらに日本での就任会見でも話していた新たな構想についてもしっかりとアピールしていた。

「ゴルフ強国の中の一つでもある韓国と共に歩むことができれば、今よりももっと多くのことを作り出すことができると思います。日本と韓国を中心にアジアの国々が共にする“環太平洋ゴルフサミット”も構想の中の一つです。オーストラリアに加え、中国やタイといったゴルフ強国として発展する可能性の高い国もあるだけに、力を一つに合わせれば、アジアでゴルフが注目される機会が増えると思います」

 最後に諸星会長は、韓国の選手が米PGAツアーで活躍していることにも触れ、「ジュニア選手を育成するシステムは、韓国が日本よりも先を行っていると思います。これ以上、競争から遅れをとらないようにするため、日本も数年前からさまざまな努力をしています。(ゴルフを)学ぶことが難しかった一昔前と違い、今は学校でもゴルフに接する機会が増えました。昔とは比較にならないほどゴルフに触れるハードルが低くなっただけに、より多くの子どもたちがプロゴルファーの夢を持つようになるでしょう」と締めくくっている。

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