プロ10年目の小木曽喬が韓国の地でうれしいツアー初勝利! 今後は韓国ツアー参戦も視界に

国内男子ツアー第8戦「ハナ銀行インビテーショナル」は、最終日を首位でスタートした小木曽喬(おぎそ・たかし)が通算14アンダーでツアー初勝利を飾った。同大会は韓国ツアーの大会でもあるため、小木曽は韓国ツアーの出場権も手にした。3位タイには日本の比嘉一貴と前田光史朗が入った。

緊張感の中でずっとプレーしたかった

◆国内男子プロゴルフ<ハナ銀行インビテーショナル 6月13~16日 ナムチュンチョンカントリークラブ (韓国) 7335ヤード・パー71>

 初日に67をマークし、7位タイと好位置で発進した小木曽喬。2日目以降も着実にスコアを伸ばし、3日目を終えた時点でついに通算11アンダーで単独首位に立つ。2位以下と2打差となれば、狙うはツアー初優勝しかない。

 開催コースのナムチュンチョンCCはアップダウンがあり、グリーンは大きなアンジュレーションを持つ難コースだが、ショットの調子がよく、ロングパットのタッチが合う小木曽には嫌なイメージはなかった。ただ、小木曽にとって不安が一つだけあったという。

プロ10年目で悲願の初優勝を飾った小木曽喬 写真:JGTOimages

プロ10年目で悲願の初優勝を飾った小木曽喬 写真:JGTOimages

「今季、トップで最終組を迎えるのは3度目なんですが、これまでの2回は勝てていないことです」

 確かに、中日クラウンズでは3位タイ、BMW日本ゴルフツアー選手権森ビルカップでは12位タイに終わっている。「三度目の正直になればいいと思いますが、自分を信じて頑張りたいです」と、最終日は強い気持ちで臨むことを誓っていた。

 迎えた最終日、幸先よく1番パー4でバーディーを奪った小木曽。しかし、後続の選手がどんどん追い上げてくる。6番パー3でボギーを叩き、ついに首位に並ばれる。それでも動じることはない。7番パー5をバーディー、8番パー4ではボギー、9番パー4はバーディー、11番パー4でもバーディーと、攻めのゴルフを続けた。

 2度の敗戦から、強敵相手に守りのゴルフでは勝てないと学んだことが生きた。
 
 通算13アンダーの首位タイで迎えた最終18番パー5。第2打をグリーン右手前まで運ぶ。そこから約20ヤードのアプローチを寄せることができれば、悲願のツアー初優勝を手にできる。想像以上の緊張感に襲われたが、他の選手が打つ合間に何度もボールのところへ行き、シミュレーションを行うことで、徐々に集中力を高めていった。

「ずっと緊張感の中でプレーすることを目標にしていたので、あの瞬間は幸せだなと思っていました」

 自信を持って放たれたボールは、ピン右20センチに止まるナイスアプローチ。それを見届けた瞬間、思わずガッツポーズを見せた。

賞金ランキング4位に浮上

 ウイニングパットをタップインし、両手を空に向かって掲げた小木曽。14年に史上最年少となる17歳115日で日本アマを制し、翌15年12月にプロ転向してから10年目でついに栄冠を手にした。

「すごくうれしいですし、たくさんの人に応援していただけたからだと思います。いろんな人に感謝を伝える時間をこれから作りたいです」

 期待が大きかっただけに焦りもあったが、3年前から堀尾研仁コーチとスイングづくりに取り組んだ成果がようやく形となった。

 今大会は韓国ツアーでもあるため、同ツアーの出場権も手にした小木曽。「もちろん、参加させてもらいたいと思います。日本ツアーでも活躍したいですが、海外にも出ていきたい気持ちもあります」と、参戦に前向きだ。

 今回の優勝で賞金ランキングも4位となった。最終的に3位以内に入れば、欧州ツアーへの道も開けてくる。年齢的にも今年で27歳になったばかり。また1人、新たな若手が世界への足がかかりをつかんだ。

小木曽 喬(おぎそ・たかし)

1997年3月19日生まれ、愛知県出身。2014年、日本選手としては当時の最年少17歳115日で「日本アマ」を制覇。翌15年にプロ転向。16年ABEMAツアー「Novil FINAL」でツアー初優勝を飾る。24年「ハナ銀行インビテーショナル」で悲願のレギュラーツアー初優勝を飾る。フロンティアの介護所属。

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