ギャラリーが見ているプロの試合でも時間オーバー!? アマチュアは「3分間のボール探し」をどう考えるべき?

プレーファストの目的から、ゴルファーがボール探しできる時間はカップラーメンができ上がるまでと同じ「3分間」。アマチュアにとって長いのか? それとも短いのか? きっちり測るべきなのか? など、インドアゴルフレンジKz亀戸店・筒康博ヘッドコーチに話を聞きました。

プロよりもアマチュアの方がボール探しの時間は無い

 ゴルフは自らが審判を務めるスポーツです。トーナメントでは公平性を保つためボール探しをギャラリーやフォアキャディーが行い、不明瞭なルールを確認する時には競技委員が駆けつけます。

 一方、一般アマチュアのラウンドではギャラリーがボールを見ていることもなければ競技委員もいません。R&Aルールで定められているボール探しの時間「3分間」は、カップラーメンができ上がるまでの時間と同じ。これもあくまで「公式ルールとしての話」なので、4人のアマチュアが全員ボール探しに3分間ずつ使っていては、コース全体が渋滞してしまいます。

カップ麺ができあがるのと同じ「3分間」。ボール探しには長い? それとも短い? イラスト:PIXTA

カップ麺ができあがるのと同じ「3分間」。ボール探しには長い? それとも短い? イラスト:PIXTA

 つまり一般アマチュアが使えるボール探しの時間は、「3分間」よりもはるかに短いのが現実です。マナーとして、前組に離されず後続組を待たせることなく「常識的な範囲の時間」でボールを探し、ゴルフ場に迷惑をかけないことが最優先されます。

 クラブ競技などプレー進行よりもR&Aルールが優先されるコースが認めた試合でない限り、「感覚的」にはボールがある辺りまでカートでたどり着いた時から1分くらいでペナルティー付加と前進を判断しなければいけません。

「ボールを見失いたくない!」とヘッドアップすれば余計にボールは曲がる

 アマチュアに非常に多いミス「ヘッドアップ」も、「ボールを見失いたくない!」という気持ちが動きを誘発させています。ボールを見ようと「ヘッドアップ」をするほど、振り遅れやプッシュアウト、スライスになりボールが林の中へ消えてしまう原因になってしまいます。

ボール探しの時間を考えると「見失いたくない」と考えがち。その考えがスイング中のヘッドアップを引き起こす可能性がある

ボール探しの時間を考えると「見失いたくない」と考えがち。その考えがスイング中のヘッドアップを引き起こす可能性がある

 ティーショットなら同伴者に「後ろから見てて」とお願いしてもいいですし、ボールがすぐに見つからなければペナルティー付加&前進プレーを意識して「しっかりスイング」するしかありません。

 また、カート乗車中にも距離計を双眼鏡代わりにして到着前からボールの行方を追うこともオススメします。

「アンラッキー」も「ラッキー」も同等に受け入れよう

 よく「幸せと不幸せは同じバランス」などといわれますが、ゴルフも大きく曲がっていなくてもロストボールになってしまったり、打った瞬間にOBだと思ったショットが木や傾斜に跳ね返ってベストポジションに出てくることもあります。

ラフが元気な夏場が終わるまでは、大きく曲がっていなくてもロストボールしてしまう「アンラッキー」は必ず起こる

ラフが元気な夏場が終わるまでは、大きく曲がっていなくてもロストボールしてしまう「アンラッキー」は必ず起こる

 ゴルフ場という自然を相手にプレーしている以上、自分ではどうにもできないこともありますが「ラッキー」も「アンラッキー」も受け入れて、「今日はそういう日」と割り切ることも必要です。

 これからの時期はラフが元気になり、一層ボール探しが大変になる季節。自分よがりにルールに固執し全体のプレーを滞らせたりせず、少し探してボールがなければ諦める「潔さ」がある人は、仮にスコアがイマイチでも「仲間に誘ってもらえるゴルファー」なはずです。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。

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