「最高のプレゼントになった」岩井明愛が父の日Vで今季2勝目! 海外メジャーの結果次第で見えてくる五輪出場にも意欲

国内女子ツアー「ニチレイレディス」最終日、トップと3打差から出た岩井明愛が9バーディー、1ボギーの「64」で回り、通算13アンダーで優勝した。今季2勝目を手にし、次戦のメジャー「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」に向けて弾みをつけた。

カップをオーバーするパターに自信

◆国内女子プロゴルフ<ニチレイレディス 6月14~16日 袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県) 6584ヤード・パー72>

 最終日の優勝争いは混沌としていた。通算8アンダーの単独トップから最終組でスタートした竹田麗央、1打差の桑木志帆と木村彩子が前半から伸び悩んだ。バーディー合戦が予想される中、トップをとらえたのは最終組の1つ先の組で、トップと3打差から出た岩井明愛だった。

 7番から10番にかけて圧巻の4連続バーディー。さらに16番パー4では、ピンまで20ヤードのバンカーショットを58度で直接入れるスーパープレーに、同組の小祝さくらも「完璧なショットだった」と脱帽していた。ギャラリーの大歓声を受けて迎えた17番パー3でも伸ばして単独首位に浮上した。

「母の日」に優勝した妹・千怜に続き「父の日」で優勝を手にした岩井明愛 写真:Getty Images

「母の日」に優勝した妹・千怜に続き「父の日」で優勝を手にした岩井明愛 写真:Getty Images

 一つ先の組で回っていた佐久間朱莉が、最終18番パー4でスコアを伸ばして再び並ばれたが、最終ホールでグリーン奥のバンカーからの難しい2打目をピン3メートルに寄せ、バーディーパットも沈めて通算13アンダーで突き放した。

 最終組のホールアウトを待って、岩井の今季2勝目が決まった。

「混戦で緊張感もあったけれど、めちゃくちゃ楽しかった。伸ばし合いのシーソーゲームになると思っていたので、それがあったから気を抜かずにいけました」

 ここ一番での勝負強さ、勝因についてはパターを挙げた。「しっかりカップに届くようにたくさん練習していました。試合でもしっかりカップをオーバーする状況になるように意識したのですが、その回数が増えて自分でも自信になりました」。

 タッチが弱く、カップに届かないショートするパターでは勝てない。しっかりとカップに届くパターは実戦でできてこそ意味があると意識した。

 優勝した16日は父の日。「最高のプレゼントになった。自分たちがプレーしやすい環境作り、守ってくれるようなありがたい存在」と日頃の献身なサポートに感謝していた。

「五輪には出たい気持ちはある」

 次戦は妹の千怜と共に海外メジャーの「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」に出場する。結果によって見えてくるのが、パリ五輪出場権だ。

 岩井明愛の現在(16日)の世界ランキングは43位だが、今回の優勝で30位台まで上がる見込み。「全米女子プロ」で上位フィニッシュできれば、逆転でのパリ五輪出場も不可能ではない。

 岩井自身も「もちろん(パリ)五輪に出たい気持ちはあります。頑張ってその結果、行ければいいなという感じでしたが、一つの目標にはなっています」とその可能性は捨てていない。今大会の勢いを海外メジャーにぶつけるつもりだ。

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