歌手のように歌えないのと同じ!? プロゴルファーの技術や練習方法を自分ができると思わない方がいいの?

プロゴルファーの打ち方や練習方法を紹介している記事はたくさんありますが、アマチュアが同じように習得できるものは限られます。

難しい曲は聴くことに専念したほうがいい?

 小学1年生の娘が最近「鏡よ鏡答えちゃって、ほにゃべ、あにゃべ、おーいぇー」というフレーズをやたらと口ずさむようになりました。

「それ、何の曲なの?」と聞いても、本人はよく分かっていません。ユーチューブのショート動画やティックトックで流行っている曲のようです。

 そのやりとりを聞いていた小学4年生の息子が「ボク、知ってるよ。『マッシュル』っていうアニメの主題歌だよ」と教えてくれました。

歌手のように上手に歌えないのと同じで、ゴルフにおいてもプロと同じテクニックはなかなかできないもの 写真:AC

歌手のように上手に歌えないのと同じで、ゴルフにおいてもプロと同じテクニックはなかなかできないもの 写真:AC

 残念ながら「マッシュル」というアニメも知らなかったので、自分で調べることにしました。歌っていたのは第2期オープニング曲「Bling-Bang-Bang-Born」で、アーティストはCreepy Nuts(クリーピーナッツ)でした。

 せっかく調べたので娘と一緒にフルコーラスを聴いてみました。するとメロディーが超絶に難しく、娘が「鏡よ鏡」のところしか歌えない理由が分かりました。

 筆者は1974年生まれですから、小学1年生だった1981年のヒット曲は「ルビーの指環」(寺尾聰)、「スニーカーぶる~す」(近藤真彦)、「長い夜」(松山千春)です。これぐらいのメロディーであれば小学1年生でもフルコーラスを歌うことができました。

 でも、2016年生まれの娘の世代のヒット曲は「アイドル」(YOASOBI)や「唱」(Ado)ですから、フルコーラスを歌いこなすのはかなり難しいです。

 このレベルになると好きな曲をカラオケで歌うというのも歌唱レベルが高い人だけに許された特権で、歌唱力の低い人は楽曲を聴くことに専念したほうがいいと感じました。

 実はゴルフも同じで、今のプロゴルファーは超絶に難しいことをいとも簡単にやってのけます。1980年代だったらボギー確定のような状況からピンに寄せてパーセーブしたり、チップインバーディーを奪ったりします。

 そんなシーンを見て解説のプロゴルファーが打ち方をレクチャーしてくれるのですが、「そんなのマネできるわけないじゃん」とツッコミを入れます。ところが、それを真に受けているアマチュアもいてマネしようと真剣に練習します。

 フェースを思いきり開いてボールを高く上げるロブショットなどは、グリーンが硬くて止まらないツアーのセッティングだからこそ必要な打ち方であり、アマチュアのラウンドではほとんど必要ありません。熱心に練習している人を見ると、「もっと別のことを練習したほうがいいのに」と思います。

片手打ちドリルも100切りゴルファーには難しすぎる

 プロゴルファーは自分の練習に取り入れて効果が高かったメニューをアマチュアにも勧めたりします。でも、その中にはプロゴルファーだからこそできるメニューもあります。

 たとえば片手打ちドリルです。「ウェッジを右手1本と左手1本で打てるようになると、左右の腕の正しい使い方が分かるようになります」とプロゴルファーは簡単に言うのですが、片手1本で上手に打つのは相当難しいです。

 100切りレベルのアマチュアが片手打ちをすると、右手1本だと手首をこねるし、左手1本だとヒジが曲がるので腕の正しい使い方はなかなか身につきません。

 また、「ウェッジでリフティングができるようになると、フェースにボールをコンタクトする能力が高まりますよ」というプロゴルファーもいるのですが、リフティングも簡単にできる技ではありません。

 大人になってからゴルフを始めたアマチュアは、別にプロゴルファーを目指すわけではありませんから、難しいことはプロに任せて、自分ができることをコツコツと身につけていくのが賢明な選択です。

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