“チッパー”は頼りになるけど上達が遅くなる? スコアメイクに有効な使い方と知っておきたいデメリット

ゴルフにはチッパーと呼ばれるクラブが存在します。使用しているゴルファーは少ないですが、どのような人にオススメなのでしょうか?

アプローチでダフリやトップが多い人にオススメ

 チッパーとはアイアンとパターの中間のような形状をしたアプローチ専用のクラブです。アイアンの規定に適合していれば、公式試合でも使用できるクラブです。

転がしてピンに寄せたい状況で役立つチッパー 写真:AC

転がしてピンに寄せたい状況で役立つチッパー 写真:AC

 使用しているゴルファーがあまり多くないので、ゴルフショップでもなかなか見かけないクラブですが、プロギアやキャスコなど大手メーカーから販売されています。

 チッパーとはその名称が示しているように、チッピングに適したクラブです。これはボールを上げずに転がしてピンに寄せるアプローチの方法で、ランニングアプローチとも言われています。ピンまでの障害物が少ない状況で比較的簡単に寄せられるので、特にビギナーにはオススメの打ち方です。

 ロフト角はいくつかの種類があり、もっとも代表的なものは35度で、これは8番アイアンに相当します。

 ではチッパーはどんなゴルファーにおすすめなのでしょうか。現役のシニアツアープロでゴルフスクールも経営している梶川武志プロは以下のように話します。

「ビギナーのアプローチミスは、ダフってまったく前に飛ばなかったり、トップをして大幅にグリーンをオーバーすることが多いです。しかしチッパーを使うとダフリやトップが大幅に減るので、安心してアプローチができます。パターと同じように打てば良いので、距離感も出しやすくアプローチが苦手なゴルファーにオススメです」

 しかしチッパーにはデメリットも存在すると梶川プロは話します。

「チッパーはピンから10~20ヤードでしか使えないので、この距離だけのために14本のうちの1本をうめるのは少しもったいないです。ウェッジを減らす選択肢もありますが、人によってはウッドやロングアイアンを抜かなくてはならないでしょう」

「もう一つのデメリットは、チッパーに頼りすぎてしまうと、ウェッジでのアプローチの上達が遅れてしまうことです。ランニングアプローチを9番アイアンやアプローチウェッジでできるようになればチッパーは不要になるので、ウェッジでの練習も並行して行う必要があります」

慣れるまではチッパーを使うのもアリ

 チッパーはどのような状況で使用するのが効果的なのでしょうか。

「芝が薄くなる冬はボールと地面が近くなるので、ウェッジのアプローチは難しくなります。チッパーはソールが大きくて平らなので芝の上を滑らせやすく、難易度も低いです」

「グリーンのカラーや少しラフにかかっているような場合にも効果があります。パターを使うとどれくらい芝に食われてしまうか分かりませんが、チッパーの場合、打ったあとに少しボールが浮くので簡単に打てます」

 ビギナーのうちは、グリーン周りのアプローチでミスを繰り返してしまうことがあるので、まずはチッパーを利用して感覚をつかみつつ、上達したらウェッジを使用する回数を増やしていくのがいいかもしれません。

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