健康維持には《筋肉・骨・ホルモン・血管・神経》5つの機能年齢バランスが重要。専門医が教える各機能の老化改善アドバイス
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【STEP4】弱点を克服しよう
5つの機能は相互に関わり合っているため、1つが極端に衰えるとほかの機能も引っ張られるように衰えていきます。
健康を維持するためには、5つの老化のバランスが重要。STEP3で見つけた弱点から改善し、若々しい体を保ちましょう
《筋肉》まずは無理なく続けられる運動から
筋肉は「1年に1%ずつ衰える」とされ、60歳以降はさらに急激に落ちていきます。シニアの場合、筋肉量の減少がきっかけとなり、フレイル(心身虚弱)状態となるおそれも。筋肉は何歳からでも鍛えられますので、体を動かす習慣をつけましょう。
効果的なのは、体の中で最も大きい太ももの筋肉を鍛えるスクワット。次のページで紹介している「椅子から立ち上がる」と「座る」を繰り返すハーフスクワットでも、習慣的に行えば筋力の低下を防ぐことができます。運動が苦手な方は無理のない範囲で行い、まずは継続を目標に。
1日15~30分ほどのウォーキングもおすすめです。普段歩くときより5cmほど歩幅を広げ、腕を大きく振って歩くと筋力アップにつながります。
また、年齢を重ねると筋肉の柔軟性が失われて老化が進むため、お風呂上がりや寝る前にストレッチを行うのを忘れずに。筋肉の維持や増強に必要なタンパク質が不足しない食生活も意識してください
負担が少ない
座ってスクワット
*立ち上がるときは、(3)→(2)→(1)の順で。これを3~5セット行う
《骨》ミネラル補給と併せて骨に刺激を
更年期以降の女性は骨が弱点となりやすく、骨粗しょう症のリスクが高まります。人間ドックなどで高リスクと判定された人は、早めに治療を受けることが大切です。
対策としては、骨の材料となるタンパク質を多く含む肉や魚、卵などをしっかり摂ること。体重60kgの場合、1日75g以上が目安です。不足しがちなカルシウムは、乳製品、小魚、大豆製品などから意識的に摂取。
カルシウムの吸収を助けるビタミンKは、納豆に多く含まれます。最近は、必要なミネラル・ビタミンをバランスよく配合したサプリメントも増えていますが、過信は禁物。
せっかく摂取しても骨に刺激を与えなければ定着してくれないため、必ずウォーキングや筋トレも併せて行ってください
《ホルモン》睡眠の質の向上と運動の継続がカギ
ホルモンの分泌が減る要因は、運動不足、睡眠不足、食習慣、ストレス。なかでも代謝を調節する成長ホルモンは睡眠中に分泌されるため、量・質ともに十分な睡眠が欠かせません。
18時以降はカフェインを摂取しない、部屋を暗くして寝る、朝起きたら日光を浴びる、といった習慣で、睡眠の質を高めるメラトニンの分泌を促しましょう。
成長ホルモンは、有酸素運動やタンパク質の摂取でも増やすことができます。
そして、健康な体の維持に欠かせないのが「抗老化ホルモン」と呼ばれるDHEA。運動量や筋肉量が多い人ほど分泌されるため、最低でも週に2回は運動するようにしてください。種類は関係なく、継続することが重要です
《血管》食材の種類を増やし血糖値上昇を防ぐ
血管の酸化が進むと引き起こされるのが動脈硬化。血管壁が厚く硬くなり血流が低下することで、肌や髪の乾燥、肩こり、手足の冷えなど末梢部にも不調が生じます。
高血圧、脂質異常症、糖尿病と病院で診断された人は、専門医の治療を受けるようにしましょう。
日常生活では、食生活の見直しを。塩分、糖質、脂質の摂りすぎに気をつけ、血管のもととなるタンパク質や、抗酸化作用のある緑黄色野菜を積極的に取り入れると〇。
「ご飯だけ」「かけそばだけ」といった偏った食事は血糖値の上昇を招くため、タンパク質を含む食材やおかずの種類を増やしましょう。また、心身にストレスがかかる生活を避け、軽い運動やヨガなどでリラックスする時間を大切に
《神経(脳)》脳に刺激を与える全身運動+手作業
脳の神経細胞が破壊されると、記憶力の低下が進みます。神経機能を健康に保つには、十分な睡眠時間を確保し、脳内にメラトニンの分泌を増やすことが大切。
メラトニンは、アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβの排出を助けてくれます。
神経細胞は使わないとなまるので、安静は禁物。ウォーキングや水泳などの全身運動と、文字を書く、編み物、楽器演奏、麻雀をするなど手作業の両方をバランスよく行い、細胞をしっかり働かせてください。
また、「週2回の運動を2ヵ月間続けられたら、温泉に行く」など、自分の努力を認めてご褒美を設定することは、脳内報酬系というシステムを刺激し、やる気を引き出します
11/19 12:31
婦人公論.jp