やめてほしかった父のクセ。靴は脱ぎっぱなし、口に物を入れたまま話す…厳しかった祖母が亡くなった後、父に変化が訪れた
* * * * * * *
子どもっぽい父のクセ
父は、玄関でぱっぱっと脱ぎっぱなし、靴はそれぞれ変な方向を向いています。
そして、口に物を入れたまま話します。こちらが汚いと嫌な顔をしても、「えっ?何か?」と悪びれる様子もなく、気にせず話し続けます。
その様子は、まるで子どものよう。年を取ると子どもに戻ったような振る舞いをすることがあると言いますが、まだ若い頃から父は、家ではこんな感じでした。
父はプライドの高い祖母に育てられました。祖父はそこまでうるさくなかったのですが、祖母はひたすら父に教育を付けようと尻を叩き続けたと聞いています。
父の行動は反動のせい?
祖母自身は、そのプライドに見合う教養があるとは言えず、むしろ頭がよくなかったことに関するコンプレックスからの、いびつな教育だったようです。
父は「俺はおふくろの期待を裏切り続けてきた」との意識を持ち続けることになりました。
父が子どもの頃、「落ち着きがないから習字を習わせたらいいんじゃない」との姉の言葉で、通わされた習字。結局無理やりやらされた反動なのか、父の字は汚い字でした。
父の子どものような行動の数々は、似たような反動ではないかと思うのです。
祖母が亡くなり、相続など後に続く諸手続きも終えた後。時間の流れもあるのでしょうが、父のクセが少しずつ収まってきたのでした。
08/04 12:30
婦人公論.jp