東大出身者「読書ができれば、他のことはなんとかなる」英語やプログラミング…本を読めば学ぶことができる。子どもの未来を切り開くための武器に

(写真提供◎photoAC)
文部科学省が公表した令和2年度「子供の読書活動の推進等に関する調査研究」によると、全国の自治体が子どもの読書活動推進として力を入れていることについて、「子どもが本に触れるきっかけづくり」の回答割合が最も高く、9割を超えていました。SNSが普及し、本を読まない子どもたちが増える中、魅力に気づいてもらう方法とは。子どもが読書にハマるオンライン習い事「ヨンデミー」を提供している笹沼颯太さんが著した『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』よりご紹介します。

* * * * * * *

【書影】『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』

予測不能な状況

子どもが成長し、あなたのもとを離れて生きるようになるまで、あと何年あるでしょうか。

人によっては数年という場合も、10年以上という場合もあるかもしれませんね。

子どもたちが自分の力で生きていくようになるその頃、一体どんな時代になっているのかは誰にもわかりません。

この数年を見てみても、新型コロナウイルスの影響で働き方や暮らし方が変わったり、AIなどの技術がめざましく進化したりと大きな変化がありました。こうした変化の勢いは、今後ますます加速していくはずです。

予測不能なこの状況で何を選び、どんな力が身につくように子どもを育てていけばいいのか。

限られた時間の中でできる、子どもにとって最善の選択は何なのか。

それは、いつまでも答えが出ないとても難しい問題です。

読書ができれば大丈夫

4教科の勉強はもちろん、英語やプログラミング、スポーツ、ピアノなど、世の中には子どもに学んでほしいことがあふれています。

塾に通うべきなのか、習い事を増やすべきなのか。教育の選択肢は多様化し無数に増え続けていますから、迷う保護者は多いことでしょう。

子どもには一人ひとり個性もありますから、同じ選択をして同じように努力をしたところで全く違う結果になることもあります。正解なんてないのです。

そんな中でひとつだけ、私が言えることがあります。それは「読書ができれば大丈夫」ということ。

「選択肢が多すぎて、我が子に何を学ばせればいいのかわからない」と悩んでいる保護者の方がいらっしゃれば、私は迷わず「読書」をおすすめします。

その理由は「読書ができれば、他のことはなんとかなる」という場合が多いから。

なぜなら、なんでも本に書いてあるからです。

英語だってプログラミングだって、そして大人になってからはビジネスのことだって、本を読めば学ぶことができます。

読書をすることによって身につくさまざまな力が、心強い支えになってくれます。

これからどんな時代がやってきて、どんな力が必要とされたとしても、そして、どんな悩みを抱えたとしても、本が読めるなら大丈夫。

本の存在は、どんなときにも子どもに力を与え、未来を切りひらくための武器になってくれるのです。

読書教育は、子どもも家庭も幸せにしてくれる

偏差値至上主義の教育では、やりたくない勉強を無理やりやらせたり、つらそうにする子どもを頑張らせる声かけをしたり……そんな子育ては苦しくありませんか。

東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』(笹沼颯太/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

読書教育は、偏差値至上主義の世界ではかなえることができなかった「子どもと保護者の双方が幸せになれる教育」です。

子どもは楽しく本を読んでいるだけ。

保護者はその様子を焦らず安心して見守っているだけ。

それだけで、子どもが持つたくさんの力が伸びていくのです。

読書は子どもに点数をつけて比較したり、競争させたりすることがありません。

また、時間的・経済的な負担の少なさも読書の大きな魅力です。

自宅で短時間取り組むだけでも効果がありますから、多忙な毎日の中でも無理なく実践することができます。

そのうえ、本の購入費は塾や習い事の月謝と比べると低く抑えられることが多く、図書館などを活用すればさらに負担を減らすこともできます。

(写真提供◎photoAC)

本さえ読めれば、他のことはなんとかなる

「そうは言っても、子どもが本ではなくYouTubeを選んでしまう」

そんな声も聞こえてきそうですが、一人ひとりの子どもの状況に合わせて読書教育を行うと、子どもの「好き」「知りたい」という気持ちを効果的に掘り起こすことができます。

すると「読みたい」「また読みたい」「もっと読みたい」という連鎖が心の中に生まれ、やがて子どもには「今、本を読みたい」という気持ちが芽生えるようになっていきます。

そうするうちにいつの間にか、YouTubeに負けないほどに本が、子どもの心をとらえる存在になっていくのです。

本さえ読めれば、他のことはなんとかなる。

そのことを知っている保護者は、子どもが読書を楽しんでいれば、ただそれだけで安心することができるでしょう。子どもが「やりたい」と感じて自発的に取り組んでいる読書を、心から応援して見守れるようになるでしょう。

子どもも保護者も双方が幸せになれる教育が、こうしてかなえられるのです。

だからこそ、まずは読書教育をはじめてみませんか。

※本稿は、『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

ジャンルで探す