71歳、ひとり暮らしの料理研究家が勧める「ひとり定食」 どんぶり1品でもOK!バランスがとれていれば、おなかも心も満足

(『71歳、ひとり暮らし。愉しい定食 さっと作ってゆったり味わう』より。撮影◎邑口京一郎)
長年にわたり、誰にでもできる簡単でおいしいレシピや調理のアイデアを提案してきた、料理研究家の大庭英子さん。70代を迎えた大庭さんが、ひとり暮らしのシニアに向けて、ラクで楽しいひとりごはんを提案したレシピ本『71歳、ひとり暮らし。愉しい定食 さっと作ってゆったり味わう』より、ひとり定食の魅力についてご紹介します(取材・文/松原京子)

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【写真】71歳、ひとり暮らし。常備するべき食材は…

おかずは1~2品でOK

おかずは1〜2品でOK。皿数や品数にこだわることはありません。

肉や魚介、卵、大豆製品などのタンパク質、野菜やきのこ、フルーツなどのビタミン・ミネラル類、ご飯やパンなどの炭水化物。この3つがちゃんと入っていれば、皿数や品数にこだわることはありません。

主菜+副菜+ご飯でもいいし、具だくさんのスープ+パンでもいいし、ご飯の上におかずをのせたどんぶりもの1品でもいいんです。

それが定食?と思われるかもしれませんが、それも立派な定食。バランスがとれていれば、おなかも心も満足します。

お盆の上に自分が作った料理をセットして席につけば、ちょっと背筋が伸びて、食事の時間が愉しくなります。

ひとり定食の魅力

★作りおきなし、すぐに作って食べたい

あらかじめ下ごしらえをしておく、常備菜を作っておく……といった食事の準備が楽しいときもありますが、そればかりだとキッチンに立つ時間が増えていくだけ。

時間があってもなくても、その場でパパッと作れる料理のほうが気楽。下ごしらえがいらない料理、手順の少ない料理、調味料が少ない料理がいいですね。

★ひとりが1回に食べきれる量を作りたい

多めに煮たり、まとめて漬けたり……といったまとめ作りの便利さも十分知っています。

でも、買ってきた材料と家にある材料をパパッと組み合わせて、そのとき食べたいものを食べたい量だけ作る楽しみもありますよね。

おいしいものは一番おいしいタイミングで食べきる、そんなミニマムなレシピを提案します。

『71歳、ひとり暮らし。愉しい定食 さっと作ってゆったり味わう』(著:大庭英子/家の光協会)

生鮮食材の選び方

*肉はすぐに使える薄切り肉、魚介は1日で食べられる量の刺し身、切り身1切れのパック、しらす干しや明太子は小袋入り。*卵は6個入り、豆腐はミニサイズ、油揚げは1〜2枚入り。*キャベツは小さいものは1/2カット、大きいものは1/4カット。にんじんやきゅうりは1本、玉ねぎやじゃがいもは1個。大根は1/3本または1/2本(『71歳、ひとり暮らし。愉しい定食 さっと作ってゆったり味わう』より。撮影◎邑口京一郎)

生鮮食材は、小さめパックのもの、下ごしらえがいらないものを選ぶようにします。

近年はさまざまな食材が少人数用の小さなパックに入っていたり、魚は1切れ、野菜も1本単位で買えるようになっています。

1人分のレシピには、おあつらえ向き。食材は新鮮なうちに調理するほうがおいしいし、無駄にすることなく使いきれます。

鮮魚売り場にある「刺し身盛り合わせ」も便利。その日食べたい分に見合うようなサイズのパックを買うようにしましょう。

下ごしらえなしで使える薄切り肉、卵、豆腐、油揚げ、しらす干しや明太子などの加工品もおすすめです。

常備するべき食材は?

肉加工品、練り製品、チーズ、乾麺は常備。ご飯やパン、うどんは冷凍庫にあると安心。

思った以上に便利なのが、ハムやベーコン、ソーセージなどの肉加工品、ちくわやかまぼこといった魚介加工品である練り製品。

下ごしらえがいらないからすぐに使えるだけでなく、ちょっと加えるだけで味出しになり、肉や魚介がなくても料理が成り立ちます。

チーズも日持ちがしてすぐに食べられる便利アイテム。また、ご飯やパン、麺などの主食はストックがあると安心。

乾麺はゆでるのに時間がかかりますが、賞味期限が長いので、早く使わなくちゃ、と気にする必要がありません。

※本稿は、『71歳、ひとり暮らし。愉しい定食 さっと作ってゆったり味わう』(家の光協会)の一部を再編集したものです。

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