スケジュールも荷物も詰め込まない、大人のゆったり旅の魅力。1回ですべてを叶えようと欲張らず、2回、3回と同じ場所に行けばいい

(写真提供◎photoAC)
セールで買った洋服、安さ重視で買ったインテリア…気がつくと家の中がモノで溢れてしまっていませんか?小さな暮らしをすすめるミニマムリッチコンサルタントの横田真由子さんいわく、「上質なものを少しだけ持つ軽やか暮らしで、人生がより素敵になる」とのこと。より自分にあったライフスタイルの魅力とは――横田さんの著書『本当に必要なことはすべて「小さな暮らし」が教えてくれる』より一部抜粋してご紹介します。

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【写真】横田真由子著書『本当に必要なことはすべて「小さな暮らし」が教えてくれる』

大人のゆったり旅は詰め込みすぎない

アフターコロナになり、「旅したい」という思いが強くなりました。

私は、お家が好きなので、休日ごとにどこかに出かけるタイプでもないのですが、旅は、やはり特別。自分のことをあらためて見つめることができますし、なりたい自分に近づける気がします。

大人になってからの旅は、「量から質へ」。スケジュールも荷物も詰め込み過ぎず、ゆったりと上質な気分で楽しみたい。

体力勝負というわけにもいかないので、疲れないよう優先順位を決めて、「ここだけ」「じっくり」と欲張らないことにしています。

「また、行けばいいし」と焦らず、のんびり過ごします。

時間に追われると、駆け足で回ることになるので、一つひとつの印象が薄れてしまいます。

ひとつだけ、旅の目的を決めることにします。

たとえば、「屋久島で縄文杉に会いに行く旅」と決めたら、その目的が叶うように時間を逆算して計画を立てていきます。

混み合うのは避けたいので連休ではなく、その前後の週末や平日を選びます。

車での旅が好きな友人は、軽井沢への週末旅を楽しんでいますが、混み合わない昼過ぎに東京を出て、翌日の昼には戻ってくるというスケジュールだと教えてくれました。

お気に入りのホテルでゆったりすることが目的なら、十分満足できるのです。

また、別の友人は、箱根まで朝食を食べに早朝から出かけ、お昼過ぎには帰ってくるという小さな旅でリフレッシュしています。

せっかく出かけるのなら、あれもこれもと思いますが、1回ですべてを叶えようと欲張らず、2回、3回と同じ場所に行けばいいと私も考えるようになりました。

心に栄養を与えてくれる旅

旅で大事なのは、やはり食事です。食事の時間はゆったりと楽しみたいので、どこで食べようかと迷ってしまったり、行き当たりばったりでハズしてしまうと満足度が下がって残念な気分になるので、あらかじめ信頼できる友人にリサーチします。

その地域に住んでいる友人に、観光客ではなく、地元の人が普段に行くような店を紹介してもらったり、年に2回は国内旅行と海外旅行に行くという美容師さんから、髪を切りに行くたびに情報をもらいます。ガイドブックは、感覚や好みの合う人が書いているものを探して参考にすると、満足度が高いです。

味の好みが似ている料理研究家が、実際訪れた店の食べ歩きガイドブックを片手に旅をしたことがあります。

こんな自由で気ままなゆったり旅は、やはりひとり旅が最高です。

自分の好きなように過ごせる時間は、心にたっぷりと栄養を与えてくれます。

遠くでなくとも、小さいバッグひとつで、ふらっと出かける日帰り旅は、どんなエステやマッサージより効きます。

旅の良さは、「何者でもない自分に返ること」。肩書きも役割もすべて放り投げて、ただの自分に戻れます。小さなエスケープ旅は、自分を解放できる、とっておきのひとり時間です。

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旅の相棒はいつものお気に入りだけ

旅の支度をしているとき、「このトランクひとつで暮らせたら、どんなに幸せだろう」といつも思います。「旅をするように、トランクひとつで暮らす」のは私の憧れです。

お気に入りだけ入れたトランクは、私の暮らしそのもの。

普段から使い慣れた定番のお気に入りを、旅のときも持っていくようにしています。

バッグも靴も、軽いものが定番です。両手が空く斜め掛けのバッグに、いつものスリッポンかサンダル。

旅先での予定を考えて、素敵なカフェやレストランに行くなら、その時、一番のお気に入りのワンピースとパンプスを持っていきます。

気分の上がる服と靴でないと、その空間や時間を心から楽しめないからです。

昔は、旅行着は実用重視で、ブルゾンやデニム、スニーカーと、合理性を意識して選んでいましたが、いまは、お気に入りの好きな服が一番心地良いと気づきました。

旅をコーディネイトする

化粧品やヘアケア、ボディケアも、いつもと同じもののミニサイズを持っていきます。妥協して、もらった試供品ばかりを持っていって、匂いも使い心地も満足できなかったことがあるからです。

やはり、いつもと同じ香り、同じテクスチャーが心地良いのです。

特に、香りは気持ちを落ち着けてくれる効果がありますから、気持ちが上がる、いつもの好きな香りを持っていきます。

また、海外のリゾート地には、「日本で着るには、ちょっと派手で勇気がいるかも」と思うドレスを1枚、持っていきます。

南国の光や風、空気の中で、鮮やかな色をまとうと、気分もビビッドに生まれ変わります。

沈む夕陽を眺めながら、鮮やかなドレスで過ごすサンセットタイムは、極上です。

いつものお気に入りアイテムと一緒に、素敵な旅をコーディネイトしましょう。

※本稿は、『本当に必要なことはすべて「小さな暮らし」が教えてくれる』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

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