モノを「買っては飽きる」生活には、「2割の余白」をつくるべし。バッグやクローゼットにゆとりを持たせる方法とは

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セールで買った洋服、安さ重視で買ったインテリア…気がつくと家の中がモノで溢れてしまっていませんか?小さな暮らしをすすめるミニマムリッチコンサルタントの横田真由子さんいわく、「上質なものを少しだけ持つ軽やか暮らしで、人生がより素敵になる」とのこと。より自分にあったライフスタイルの魅力とは――横田さんの著書『本当に必要なことはすべて「小さな暮らし」が教えてくれる』より一部抜粋してご紹介します。

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【書影】自分にあったライフスタイルへと仕立て直す方法について紹介『本当に必要なことはすべて「小さな暮らし」が教えてくれる』

「詰め込まない」毎日の習慣

小さな暮らしにシフトして良かったことは、モノも時間も気持ちも、「詰め込まない習慣」が身についたことです。

バッグもクローゼットも、2割の余白をキープします。

バッグに荷物をパンパンに詰め込むと型崩れの原因となって長持ちしませんし、クローゼットも、手が入らないくらいハンガーがびっしり並んでいると、いざ、着ようと出したスーツはシワシワ、アイロンをかける時間もなく、取り急ぎ着て家を飛び出したものの、何だか憂鬱な気分で1日を過ごすなんてことにもなりかねません。

●バッグ

バッグの中に入れるものは、数を絞るだけでなく、大きさも選びます。

すべて「手のひらサイズのモノ」を選ぶ習慣で、2割の余白ができるのです。

バッグの中に入れる財布やコスメ、ハンカチ、ハンドクリームなど、すべて「手のひらサイズのモノしか入れない」と決めます。

バッグの中で大きくなってしまうのは、財布と化粧ポーチなので、いまより一回り小さいモノにします。

小さいポーチに入れるモノは、手のひらサイズのモノだけ。そうすれば、詰め込むことなく、余白ができます。

『本当に必要なことはすべて「小さな暮らし」が教えてくれる』(著:横田真由子/クロスメディア・パブリッシング)

余白のあるクローゼットの作り方

●クローゼット

クローゼットに2割の余白をつくるには、まずは8掛けの量を把握することから始めます。

私のクローゼットは、目いっぱい入るハンガーの量は50本ですので、8掛けの40本に絞ったことで、余白ができて使いやすくなりました。

春夏物で20着、たとえばスーツ(セットアップ)3、ボトム3、インナー(ブラウスやシャツ)5、上着(軽めのジャケットやカーディガン)3、Tシャツ4、ワンピース2が目安です。

同じように、秋冬物で20着、スーツ(セットアップ)3、ボトム3、インナー(ニットやブラウス)7、上着(パーカーやブルゾン、コート)5、ワンピース2 などです。

ライフスタイルに合わせて、それぞれのアイテムの数を洗い出してみましょう。

できるだけ、すべての洋服をハンガー掛けにした方が、何を持っているのかが一目でわかります。

手放すべき2軍候補が選べないときは、着たものを毎日、手前側に掛けていくことを習慣にしてみます。そうすると、ずっと奥に掛けたまま、着る出番のなかったものが2軍候補です。

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余白のあるスケジュールの作り方

●スケジュール

スケジュールも安易に詰め込みません。気の乗らない飲み会や、安請け合いした仕事を入れてしまったために、本当に行きたい飲み会や、やりたかった仕事を断ることになったことはありませんか? 常に、チャンスが入る2割の余白をつくっておきます。

どんどん成功していったお客様は、スケジュールの半分は空けているとおっしゃいました。

チャンスは、急にやってくるからです。「明日の食事会、ひとり、急にキャンセルが出たんだけど来ない?」「来週からの香港の買い付け旅行、一緒に行かない?」などのお誘いに気軽に乗ってきたことで、チャンスを掴んできたからだとおっしゃいました。

なかなか、半分まで空けることはできませんが、時間管理は行動管理なので、「何をいつまでに」という優先順位と期限を決めることで、余白時間をつくることはできます。

家事も、衣替えや掃除などは、「この範囲だけやる」とか、「週末までに終わらせる」など、制限やデッドラインを決めます。

制限や期限があるから、その中でどうするかを考えるし、工夫もしますし、そこに収まるようにするためには、おのずと自分の価値観と向き合うことになります。

本当に大事にしたいこともはっきりしますし、捨てるもの、やめることがわかります。

いまの時間割が、未来を決めますから、大切な時間も詰め込まず、本当にやりたいことができる余白をつくりましょう。その余白が、チャンスや運が入るスペースになるのです。

1年間/1週間の計画の立て方

◆年間

新しい年を迎える準備として手帳を買ったら、まず、1月1日に「今年やりたいこと」を書きます。「1年の計は元旦にあり」と言われていますから、必ず元旦に、計画を立てると決めています。毎年、手を動かして書くことで、脳にインプットされる感覚になります。

新しくやりたい大きな目標は、1年を4つのブロックに分け、1・2・3月で準備、4・5・6月で実行、7・8・9月で振り返りながらもさらに前へ進み、10・11・12月で改善して精度を高めて、また次のフェーズへというイメージです。

春分の日、夏至、秋分の日、冬至は、運気の変わり目。プチ断捨離日です。気持ちの切り替え日としてプチ旅行をしたり、神社やエステで浄化、リフレッシュします。

そして、一番の楽しみである夏休みの予定は、真っ白な手帳に、一番先に入れます。

アウトプットばかりでは、気持ちもスカスカになっていきますから、少し立ち止まってリセットする時や、充電期間を決めておきます。長く感じる1年も余白を先につくり、「ここまで走ろう」という景色が見えると、気持ちが上がります。

◆1週間

1週間の計画は、木曜日をゆるゆるデーにして、時間にも気持ちにも余白をつくります。

月、火、水と頑張ったら、木曜日は、ゆるい予定を組み、調整します。

朝をゆっくり目にスタートしたり、仕事を早めに切り上げて夜に楽しみな予定を入れたり、週末の計画を立てたりします。

木曜日は、冷蔵庫もガラガラですから、いつもとは違うスーパーに行って、週末の食材を買ったりします。

金曜日は、今週中までに目処をつける仕事があったり、来週の段取りを組む必要があったりして、余裕が持てないことも多いので、木曜日に一息入れて1週間にメリハリをつけます。

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毎日に余白が生まれる、1日の計画の立て方

◆1日

毎日、やることはたくさんありますが、タスクでいっぱいいっぱいになると、ミスが多くなったり、ものの言い方がきつくなったりしませんか。

つまらないミスをして落ち込んだり、つい、声を荒らげてしまったりして、そんな自分に嫌気がさしたり、後悔したことがある方は多いのではないでしょうか。

「1日にやることは、5つだけ」と決めている人がいて、私も真似してみました。

手帳に朝、やることを5つだけ書き出します。

たとえば、①企画書作成 ②お風呂掃除 ③打ち合わせ ④ジムで運動 ⑤夕食の買い出しなどです。

優先順位を決めて、5つだけ。それ以外は、無理に詰め込まず、明日以降に繰り越します。

けれど打ち合わせが長引いたりして、夕食の買い出しが無理なときは、ネットスーパーを利用したり、ジムに行くのが無理なときは、翌日の朝、早起きしてオンラインのヨガレッスンを受けます。

「やらないこと」を決める

5つだけに集中して、それ以外の気になっていることは、いったん、明日以降に放り投げます。

どうしても7つになってしまったときは、別の日のタスクは、3つにするなどして余白をつくります。

仕事も家事も、どんどんと先延ばしにしてしまうこともあるのですが、気がつけば、「意外とやらなくても大丈夫だな」ということが増えていき、自然と手離れしていきます。

「やらないこと」を決めることで、「やるべきこと」「やりたいこと」に集中することができますから、量をこなすことに必死になるのではなく、一つひとつの質を上げることができます。

質を上げると、自分の人生を好きになれます。

2割の余白をふくらし粉にすることで、気分が萎まずご機嫌でいられるのです。ご機嫌な人には、運も人も集まってきます。2割の余白をキープして、今日も明日もご機嫌でいましょう。

※本稿は、『本当に必要なことはすべて「小さな暮らし」が教えてくれる』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

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