元大関・貴景勝が引退へ スピード昇進、優勝4度も近年けがに苦しむ

貴景勝

 日本相撲協会は20日、関脇貴景勝(28)=本名・佐藤貴信、兵庫県芦屋市出身、常盤山部屋=の現役引退と年寄「湊川」襲名を発表した。貴景勝は大関から転落して迎えた秋場所で2日目まで連敗し、3日目に休場していた。

 貴景勝は小学3年生から相撲を始め、埼玉栄高から角界入り。2014年秋場所で初土俵、17年初場所で新入幕、18年初場所で新三役と出世を重ねた。同年の九州場所で初優勝。19年の春場所後に22歳で大関に昇進した。

 初土俵から大関までにかけた28場所は、年6場所制となった1958年以降にデビューした力士(幕下付け出しを除く)では史上6位のスピード昇進だった。

 新大関で迎えた2019年5月の夏場所で右ひざを負傷。カド番だった同年7月の名古屋場所を全休して関脇に転落したが、次の場所で10勝以上すれば復帰できる制度により大関へ返り咲いた。大関在位は通算30場所。近年は胸や首のけがにも苦しんでいた。昨年9月の秋場所で4度目の優勝を果たしたものの、今年1月の初場所から3場所連続で途中休場した。

 貴景勝は優勝4度。幕内在位46場所で通算353勝219敗。三賞は殊勲賞3度、敢闘賞2度、技能賞2度。身長175センチ、体重165キロ。得意は突き、押し。

 引退会見は21日に開かれる。

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