「誤審ピック」柔道、バスケ、サッカー…パリ五輪で連日起こる不可解ジャッジに不名誉ワード大流行

疑惑のジャッジで金メダルを逃して涙した村尾三四郎(写真・JMPA)

 

 7月24日に始まったパリ五輪。気温の上昇とともに、各地で熱き戦いが展開されている一方で、毎日のように起こる不可解な判定に怒りをあらわにするファンも多い。

 

 始まりは27日、男子柔道60キロ級の永山竜樹対フランシスコ・ガルリゴス戦だった。ガルリゴスが締め技をかけているとき、審判から「待て!」がかかった。永山はふっと息を抜く。「待て!」がかかったからだ。

 

 ところがガルリゴスは、さらに6秒以上締め続け、結果、永山竜樹は失神した。審判の声を無視して締め続けたわけだから、当然「失格」の判定が出るはずだった。

 

 ところが、あろうことか審判の口から出た判定は「一本!」。まったく説明がつかない判定だった。

 

 

 この結果に対し、SNS上では審判団への疑問の声が相次いだ。Xでは、「永山選手」「柔道のルール」「柔道の審判」などがトレンド入りした。

 

 30日、男子バスケットボールでも終了間際のジャッジが “世紀の大金星” を奪ってしまう。東京五輪2位のフランスに残り10秒余りで4点リードの日本だったが、相手シュートを阻止しにいった河村勇樹のプレーがファウルととられた。

 

 ビデオを見返すと、河村は相手選手に触ってもおらず、さらにジャッジしたブランカ・セシリア・バーンズ氏は、シュートを放った選手の後ろにいたため、河村選手は見えていなかった。にもかかわらず、すぐさまファウル認定の笛を吹く。

 

 また、彼女はNBAでも笛を吹いているが、そこでも誤審で有名だったため、批判は世界中から寄せられた。

 

 8月1日にも “誤審” は日本の大きな壁となった。予選リーグ突破に向け、ナイジェリアと大事な一戦を迎えたなでしこジャパン。“誤審” は、日本の3−1で迎えた52分に起こった。

 

 左サイドからクロスを入れると、逆サイドに走り込んだ守屋都弥がヘディングシュートの態勢に。遅れたナイジェリアのMFアジバデはボールを見ずに後ろからの体当たりで防ぐしかなかった。明らかな反則でPKと思われ、主審もすかさずペナルティーマークを指さした。

 

 しかし、そこでビデオアシスタントレフェリー(VAR)が介入し、最終的にオンフィールドレビュー(OFR)により主審の判断でPKが取り消されたのだ。

 

 直後にXでは、《あれがOFRの上でノーファール判定とは信じられん。ボールにチャレンジできてなくてジャンプしてる相手を後ろから押してるんぞ》といった厳しい意見が広がった。

 

 極めつけは、同日の男子柔道90キロ級決勝、村尾三四郎対ラシャ・ベカウリ戦でのことだ。互いに技ありを一本ずつ決め、迎えた残り30秒のとき。村尾の内股が相手を宙に浮かせ綺麗に投げたように見えた。ところが、主審は何のコールもせず、ビデオ判定にもならなかった。セコンドも首をかしげるしかなかった。

 

 逆に残り時間わずか数秒のとき、ベカウリの小内刈りに最初主審は流したが、ビデオ判定員が介入し、技ありとなって村野の五輪初挑戦は終わった。村野にはなくてベカウリにあったビデオ判定に納得いかない視聴者は多かった。

 

《今村尾選手の技ありは取らないのに、デカウリ選手の技はビデオ判定。 余程、日本を勝たせたく無い模様》

 

《本当の勝者は村尾三四郎、皆分かってるよ》

 

 村尾は試合後のあいさつまでは何とか踏みとどまっていたが、インタビューが始まると思わず悔し涙があふれた。

 

 だが、カメラの前で涙を見せたくなかったのか、一度背を向け、「悔しいなという思いです。どんな状況になっても勝つ準備をしてきた。自信を持って戦ったが、なかなか、本当に自分の目指していた金メダルが取れなくて、内容どうこうより負けはきついもので、悔しさが残ります」と語った。

 

 いっさい判定に不服を言わなかった村尾に対し、Xでは賞賛の声が次々にあがった。

 

《カメラの前で涙をみせまいと後ろを向く姿に、胸が熱くなりました》

 

《あんなに険しい侍のような顔がインタビューの途端崩れてこっちまで辛かった 村尾三四郎! あなたの柔道は美しい! 素晴らしかったよ!》

 

 納得しがたいジャッジが毎日のように生じていることから、SNSでは “誤審ピック” という言葉が流行している。

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