アジア最高額クラブは? ACLクラブ市場価値ランキング9~16位。Jリーグクラブの順位は…

【写真:Getty Images】

●16位:ヴァンフォーレ甲府(日本)

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023/24の決勝トーナメントが幕をあけた。決勝トーナメントに進出した16クラブの中で、最も市場価値が高いクラブはどこなのか。今回はデータサイト『transfermarkt』が算出したACLの市場価値ランキングを紹介する。※市場価値は2月19日時点。

------------

監督:篠田善之
総市場価値:620万ユーロ(約8億6800万円)
最高額選手:アダイウトン(70万ユーロ/約9800万円)

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝トーナメントを戦うクラブの市場価値ランキングで16位につけているのはヴァンフォーレ甲府だ。甲府はJ2クラブながらグループステージを首位突破する快挙を成し遂げた。

 甲府で最も高い市場価値を持つのは、今冬に加入したブラジル人WGアダイウトン(70万ユーロ/約9800万円)だ。アダイウトンはこれまでジュビロ磐田、FC東京でプレーし、Jリーグ通算273試合出場71得点28アシストを記録している。ACLでのプレー経験もある実績・経験ともに十分なベテラン選手の加入は甲府にとって心強いだろう。

 アダイウトンに次ぐ市場価値を有しているのは、関口正大(50万ユーロ/約7000万円)、荒木翔(50万ユーロ/約7000万円)、鳥海芳樹(40万ユーロ/約5600万円)ら甲府でプロキャリアをスタートさせてからクラブを支え続けてきた日本人選手たちである。また、ピーター・ウタカは40歳という年齢も影響し市場価値は7万5000ユーロ(約1050万円)となっているが、昨季リーグ戦のチーム内得点王にかかる期待は依然として大きいだろう。

 甲府は決勝トーナメント・ラウンド16で韓国王者の蔚山HDFCと対戦している。第1戦目のアウェイゲームは0-3の敗戦に終わったが、甲府は国立競技場で戦うACLのホームゲームではグループステージ無敗と強さを発揮している。逆転でのベスト8進出となるだろうか。

<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/02/12/post531183/" target="_blank" rel="noopener">アジア最高額クラブは? ACLクラブ市場価値ランキング1~8位 全チーム紹介</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/02/12/post531183/8/" target="_blank" rel="noopener">アジア最高額クラブは? ACLクラブ市場価値ランキング1位</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/02/12/post531183/7/" target="_blank" rel="noopener">アジア最高額クラブは? ACLクラブ市場価値ランキング2位</a>

●15位:バンコク・ユナイテッドFC(タイ)

監督:トチャワン・スリパン
総市場価値:670万ユーロ(約9億3800万円)
最高額選手:バッセル・ジラディ(45万ユーロ/約6300万円)

 15位にランクインしたのはタイのバンコク・ユナイテッドFCだ。総市場価値は670万ユーロ(約9億3800万円)となっている。バンコク・ユナイテッドは約3倍の総市場価値を持つ韓国の全北現代モータース(1955万ユーロ/約27億3700万円)を退けてグループリーグを首位突破した。

 クラブ最高金額の市場価値を持つのは、昨夏に加入して背番号10を与えられたレバノン代表MF、バッセル・ジラディ(45万ユーロ/約6300万円)だ。デンマーク出身のジラディは同国のU21代表でプレーした経験があり、強いフィジカルとテクニックを併せ持っている。ミドルシュートも得意としており、AFCアジアカップ2023のタジキスタン代表戦では、左サイドから見事なコントロールショットでゴールを奪った。

 ジラディに次ぐ市場価値を持つのも外国人選手たちで、ウィレン・モタ、マフムード・イード、ヴァンデル・ルイスの3名が40万ユーロ(約5600万円)と続いている。

 タイ人選手で最高金額の市場価値を持つのはタイ代表GKパティワット・カマイ(35万ユーロ/約4900万円)だ。アジアカップでは3試合でスタメンとして起用されて高いパフォーマンスを発揮し、グループステージ無失点での突破に大きく貢献した。バンコク・ユナイテッドでもここまでリーグ戦17試合で8失点の堅守を支えている。

 横浜F・マリノスとの決勝トーナメント初戦は試合終盤までリードされながらも、後半アディショナルタイムにマフムード・イードのゴールで2-2のドローに持ち込んだ。アウェイゲームとなる第2戦では持ち味の守備力を発揮して勝利することができるか。

●14位:PFCナフバホール・ナマンガン(ウズベキスタン)

監督:サムヴェル・ババヤン
総市場価値:850万ユーロ(約11億9000万円)
最高額選手:オディルジョン・ハムロベコフ(120万ユーロ/約1億6800万円)

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のプレーオフでアル・ワクラ(カタール)に勝利して本戦出場権を獲得したPFCナフバホール・ナマンガン(ウズベキスタン)が、総市場価値850万ユーロ(約11億9000万円)でランキングの14位につけている。クラブに在籍する選手は22名であり、これは決勝トーナメントを戦うクラブの中では最小人数だ。

 その中で最高金額の市場価値を持つのが、今冬に国内強豪のFCパフタコール・タシュケントから移籍してきた守備的MFオディルジョン・ハムロベコフ(120万ユーロ/約1億6800万円)だ。ウズベキスタン代表でも中盤の要としてプレーし、AFCアジアカップ2023準々決勝のベスト11にも選出されたハムロベコフにかかる期待は大きいだろう。

 また、注目選手は同じくウズベキスタン代表のMFジャムシド・イスカンデロフ(85万ユーロ/約1億1900万ユーロ)だ。司令塔として攻撃を牽引し、ACLグループステージでは6試合出場2ゴール3アシストの成績を残した。アシスト面での貢献が大きい選手だが高いシュート能力も持っており、グループステージのムンバイ・シティFC(インド)戦では見事なミドルシュートで先制点を奪った。
  
 国内タイトルも1999年以来獲得したことがないナフバホール・ナマンガンは、今大会ではダークホースとしての位置付けである。サウジアラビア国内リーグの昨シーズン王者アル・イテハドとの第1戦は互いに枠内シュート1本と決め手を欠き、0-0のドローに終わった。昨夏に“爆買い”を行ったサウジ勢相手に、第2戦ではどのような戦いを見せてくれるのか注目だ。

●13位:浦項スティーラース(韓国)

監督:パク・テハ
総市場価値:913万ユーロ(約12億7820万円)
最高額選手:オベルダン(60万ユーロ/約8400万円)

 13位にランクインしたのは、2023シーズンの韓国FAカップ(国内カップ戦)王者の浦項スティーラースだ。総市場価値は913万ユーロ(約12億7820万円)となっている。昨シーズン10年ぶりにタイトルを獲得した浦項は国内リーグを2位でフィニッシュし、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)では浦和レッズと同居したグループステージを無敗で首位突破した。

 昨シーズンのクラブの好調を支えたのは外国籍の選手たちであった。4名の外国人選手がリーグ戦のベストイレブンに選出されており、そのうちの一人であるブラジル人MFオベルダンがクラブ最高金額となる市場価値60万ユーロ(約8400万円)と評価されている。

 また、注目選手の1人にU22韓国代表WGホン・ユンサン(32万5000ユーロ/)もあげられる。当時19歳だった2021年7月にブンデスリーガのヴォルフスブルクに移籍するも、同クラブの公式戦に出場することなく昨年7月に古巣の浦項に復帰となった。鋭いドリブルを武器としているユンサンは浦項で定位置を掴んでおり、ACLの浦和レッズとのホームゲームでも、左サイドからのクロスでPK獲得を誘発するなどして存在感を発揮した。まだ21歳であり、古巣での活躍次第でヨーロッパ再挑戦の可能性もあるだろう。

浦項は2024シーズンを迎えるにあたり戦力に多くの入れ替えがあり、前述した2023シーズンベストイレブンに選出された外国人選手のうちアレックス・グラントとゼカの2人もクラブを退団した。その影響もあってかラウンド16初戦は全北現代モータースに0-2の敗戦を喫している。第2戦に向けて新しいチームは立て直しとなるか。

●12位:ナサフ・カルシ(ウズベキスタン)

監督:ルズィクル・ベルディエフ
総市場価値:988万ユーロ(約13億8320万円)
最高額選手:シェルゾド・ナスルラエフ、ボブール・アブドゥハキモフ(90万ユーロ/約1億2600万円)

 総市場価値988万ユーロ(約13億8320万円)で12位にランクインしたのは、ウズベキスタンのナサフ・カルシだ。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)での優勝経験も持つ中東の強豪アル・サッド(カタール)をおさえてグループステージを首位通過している。

 最高金額の市場価値を有しているのは、クラブの育成組織出身の2名のウズベキスタン代表選手、シェルゾド・ナスルラエフとボブール・アブドゥハキモフだ。共に90万ユーロ(約1億2600万円)の市場価値と評価されている。

 ナスルラエフは攻撃面で高い能力を持つ左サイドバックで、2023シーズンはリーグ戦25試合出場2ゴール5アシストの成績を残している。精度の高いクロスが武器で、ACLグループステージのアル・サッド戦でも左サイドから放ったクロスがアシストとなった。

 アブドゥハキモフは今冬に加入したFWで、ベラルーシのエネルゲティク・BGUミンスクに在籍していた2022シーズンに26ゴールをあげてリーグ得点王に輝いている。アル・アイン(UAE)とのACL決勝トーナメント第1戦では早速スタメン出場したが、前半に決定機を逸するなどして無得点に終わった。アウェイで戦う第2戦では得点力を発揮したいところだ。ベスト8進出には生え抜き選手たちの活躍が鍵となる。

●11位:セパハン(イラン)

監督:ジョゼ・モライス
総市場価値:1170万ユーロ(約16億3800万円)
最高額選手:レザ・アサディー(150万ユーロ/約2億1000万円)

 11位にランクインしたのはイランの強豪セパハンだ。セパハンはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の優勝経験こそ無いが、2007年大会では決勝まで進出した実績を持つ。チームに所属している外国籍選手は2名のみで、主力はイラン人選手たちである。

 チーム最高金額の市場価値を持つのも、イラン代表のレザ・アサディー(150万ユーロ/約2億1000万円)だ。昨夏に新加入したアサディーは高さと速さ、強さをあわせ持ったFWで、ここまでリーグ戦14試合で8得点3アシストを記録しており、国内リーグの得点ランキングで2位につけている。

 そして注目選手は、2021年8月にポルトガルのサンタ・クララから加入し、2022/23シーズンに13得点をあげてリーグ得点王に輝いたFWシャフリヤール・モガンロウ(90万ユーロ/約1億2600万円)だ。今シーズンも国内リーグ戦9ゴールで得点ランキング首位に立っている。アサディーとモガンロウを抱えるセパハンは高い攻撃力を持ち、ここまで15試合で国内リーグ最多となる33ゴールをあげている。

 セパハンは決勝トーナメント初戦でアル・ヒラルと対戦している。ヨーロッパでプレーしたビッグネームを多く抱える相手をホームに迎えた第1戦は、先制点を奪うも1-3の逆転負けという厳しい結果に終わった。第2戦で国内最強の攻撃力を発揮して逆境をはね返すことができるか。

●10位:山東泰山(中国)

監督:チェ・ガンヒ
総市場価値:1311万ユーロ(約18億万3540万円)
最高額選手:クリサン(350万ユーロ/ 約4億9000万円)

 総市場価値1311万ユーロ(約18億3540万円)で10位にランクインしたのは中国の山東泰山だ。かつてのように中国超級リーグでは大物外国人選手があまり見られなくなったが、それでも山東泰山の市場価値上位を占めるのは外国籍の選手たちである。チームに在籍する6名の外国人選手の市場価値の合計は765万ユーロ(約10億7100万円)で、実に全体の半分以上の金額である(なお、クラブには45名の選手が所属している)。

 チーム最高金額の市場価値を持つのは、ブラジル人FWクリサン(350万ユーロ/ 約4億9000万円)だ。2022年4月にポルトガルのサンタ・クララから移籍したクリサンは加入後いきなりゴールを量産し、2022シーズンはリーグ戦31試合に出場し25ゴール10アシストを記録した。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)今大会でも得点を重ね、ここまで6ゴールで得点ランキングの首位タイに立っている。川崎フロンターレとのラウンド16第1戦では決定機を逸して無得点に終わったが、第2戦でも川崎にとって警戒すべき存在となるだろう。

 その第1戦で出場はなかったが、ブラジル人FWゼカ(100万ユーロ/約1億4000万円)も注目選手だ。今冬に韓国の浦項スティーラースから加入した選手であり、2023シーズンは強靭なフィジカルを武器に33試合で10得点7アシストをマークしてKリーグのベストイレブンに選出されている。ACLでも通算11試合に出場して10ゴールと得点力を発揮している。チームにフィットして出場してくればクリサンとともに強力な攻撃ユニットを形成するかもしれない。

●9位:川崎フロンターレ(日本)

監督:鬼木達
総市場価値:1655万ユーロ(約23億1700万円)
最高額選手:エリソン(300万ユーロ/約4億2000万円)

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝ラウンド出場チームの中で総市場価値9位となったのは川崎フロンターレだ(1655万ユーロ/約23億1700万円)。4名の選手が100万ユーロ(約1億4000万円)以上の市場価値を有している。その内の3名はブラジル人選手だ。

 チーム最高金額の市場価値を持つのは、今冬に加入したブラジル人FWエリソンだ。300万ユーロ(約4億2000万円)の市場価値と評価されており、これはJリーグ全体で見てもトップの数字である。公式戦デビューとなったACLラウンド16の山東泰山(中国)戦ではPKキッカーを任され、ゴール右隅に突き刺すシュートで先制点をあげた他、前線から果敢にプレスを行うなど守備でもチームに貢献していた。

 日本人最高金額の市場価値を持つのは、今シーズンから新たにキャプテンに任命された脇坂泰斗(120万ユーロ/約1億6800万円)だ。3年連続でJリーグベストイレブンに選ばれた国内屈指の攻撃的MFはACLでも高いパフォーマンスを見せており、ここまで6試合出場で2ゴール3アシストを記録している。

 川崎のACL最高順位はベスト8となっている。近年多くの国内タイトルを獲得してきたクラブの悲願はアジア制覇だ。今年も多くの主力の退団によりチームの再編がなされた中で、川崎はどこまで駒を進めることができるか

<a href="https://www.footballchannel.jp/afc-champions-league-tournament-2324/" target="_blank" rel="noopener">【トーナメント表】AFCチャンピオンズリーグ2023/24(ACL)組み合わせ</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/afc-champions-league-2324/" target="_blank" rel="noopener">【全試合日程・結果・放送予定一覧】AFCチャンピオンズリーグ2023/24(ACL)</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/02/12/post531183/" target="_blank" rel="noopener">アジア最高額クラブは? ACLクラブ市場価値ランキング1~8位</a>

ジャンルで探す