アジア最高額クラブは? ACLクラブ市場価値ランキング1~8位。唯一Jリーグからランクインしたクラブは…

【写真:Getty Images】

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023/24の決勝トーナメントが間もなく幕をあける。決勝トーナメントに進出した16クラブの中で、最も市場価値が高いクラブはどこなのか。今回はデータサイト『transfermarkt』が算出したACLの市場価値ランキングを紹介する。※市場価値は2月12日時点。
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●8位:横浜F・マリノス
監督:ハリー・キューウェル
総市場価値:1693万ユーロ(約23億7020万円)
最高額選手:アンデルソン・ロペス(160万ユーロ/約2億2400万円)
 
  市場価値ランキングで8位となったのは横浜F・マリノスだ。総市場価値は1693万ユーロ(約23億7020万円)で、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)23/24の決勝トーナメントを戦うJリーグクラブの中で最高順位となっている。
 
 マリノスは今冬の移籍市場では市場価値100万ユーロ(約1億4000万円)を超えるような大物選手を獲得していないものの、手薄なポジションを堅実に補強を施している。チーム内で高い市場価値を持つのも昨シーズンからの既存の選手たちである。
 
 チーム最高額の市場価値を有するのは、2024シーズンから背番号10を背負うこととなったアンデルソン・ロペス(160万ユーロ/約2億2400万円)だ。2023シーズンに34試合出場22得点を記録し、ヴィッセル神戸の大迫勇也とともにJ1得点王となったエースストライカーは現在も市場価値の自己最高額を更新し続けている。
 
 ロペス以外に100万ユーロ(約1億4000万円)以上の市場価値を持つのは、エウベル(130万ユーロ/約1億8200万円)、キャプテンの喜田拓也(120万ユーロ/約1億6800万円)、永戸勝也(100万ユーロ/約1億4000万円)と、2023シーズンにJ1の優秀選手賞を受賞した実力ある選手たちだ。
 
 市場価値を見ると資金潤沢な中東クラブに見劣りするのは否めないが、マリノスはJリーグトップレベルの力を持つクラブの一つである。これまでマリノスのACL最高順位はベスト16となっているが、今大会はどこまで駒を進めることができるか。

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●7位:蔚山HDFC(旧・蔚山現代FC)
監督:ホン・ミョンボ
総市場価値:1870万ユーロ(約26億1800万円)
最高額選手:ダリヤン・ボヤニッチ(150万ユーロ/約2億1000万円)
 
 7位にランクインしたのは、2022、2023シーズンとKリーグ連覇を果たした韓国王者、蔚山HDFC(旧:蔚山現代FC)だ。総市場価値は1870万ユーロ(約26億1800万円)で、7名の選手が100万ユーロ(約1億4000万円)以上の市場価値を有している。
 
 チーム最高金額の市場価値を持つのは、スウェーデン代表でのプレー経験も持つMFダリヤン・ボヤニッチだ(150万ユーロ/約2億1000万円)。しかしボヤニッチは怪我の影響もあり、2023シーズンを7試合出場0得点1アシストで終え、市場価値に見合う活躍ができなかった。
 
 クラブの連覇に大きく貢献したのは、高額な外国籍選手よりも韓国人選手たちであった。AFCアジアカップカタール2023で韓国代表のゴールマウスを守ったGKチョ・ヒョヌ(100万ユーロ/約1億4000万円)、15ゴールでリーグ得点王となったチュ・ミンギュ(90万ユーロ/約1億2600万円)、元ガンバ大阪でリーグMVPとなった韓国代表DFキム・ヨングォン(55万ユーロ/約7700万円)など実力ある選手たちが揃っている。
  
  そして、蔚山には2023年1月から江坂任(85万ユーロ/約1億1900万円)も在籍している。昨季は怪我の影響もあり国内リーグ戦の出場が16試合にとどまったが、復帰後は継続的に出場機会を得ていた。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージは全6試合に出場しており、第4節のジョホール(マレーシア)戦で相手DFラインから抜け出して同点ゴールを奪う活躍を見せた。

 ラウンド16ではヴァンフォーレ甲府と対戦する。これまで蔚山HDFCはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を2度優勝している。国内リーグ連覇の勢いのまま、3度目の栄冠となるだろうか。

●6位:全北現代モータース
監督:ダン・ペトレスク
総市場価値:1955万ユーロ(約27億3700万円)
最高額選手:ナナ・ボアテング(200万ユーロ/約2億8000万円)
 
 総市場価値1955万ユーロ(約27億3700万円)で6位にランクインしたのは韓国の全北現代モータースだ。所属選手の平均市場価値は決勝トーナメントを戦うクラブの中で11位(平均39万1000ユーロ/約5474万円)であるが、チームには大会最多となる50名の選手が所属しているためこの順位となっている。
 
 注目選手はKリーグの大田ハナシチズンから今冬に加入したブラジル人FWティアゴ・オロボ(120万ユーロ/約1億6800万円)だ。2023シーズンはリーグ戦14ゴールをあげ、得点ランキング2位となる活躍を見せた。シュートテクニックもさることながら、190cmの長身を活かした高い打点のヘディングも脅威である。
 
 チーム最高金額の市場価値を持つナナ・ボアテング(200万ユーロ/約2億8000万円)はこれまでルーマニアやノルウェーのクラブでタイトルを獲得してきた経歴を持つMFだ。高いボール奪取能力を特徴とし、Kリーグ初挑戦ながら2023年7月の加入直後からスタメンに定着している。
 
これまでAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を2度制し、国内リーグも2017シーズンから5連覇を果たすなど多くのタイトルを獲得してきた全北現代であるが、2023シーズンはリーグ5位フィニッシュとなり9年ぶりの無冠に終わった。ACL含め、2024年はタイトル奪取にかける思いが強いだろう。

●5位:アル・フェイハ(サウジアラビア)
監督:ヴク・ラショヴィッチ
総市場価値:2598万ユーロ(約36億3720万円)
最高額選手:ジスラン・コナン(650万ユーロ/約9億1000万円)
 
 5位にランクインしたのはサウジアラビアのアル・フェイハだ。総市場価値は2598万ユーロ(約36億3720万円)となっている。サウジアラビアのクラブは昨夏にヨーロッパのビッグネームを買い漁ることで話題となったが、ACL出場の同国クラブの中で唯一、アル・フェイハのスカッドには市場価値1000万ユーロ(約14億円)超えの選手がいない。
 
 と言っても、チーム内で高額な市場価値を持つのは昨夏に加入した外国籍の選手たちだ。彼らは同国の他クラブの選手と比較すると派手さはないが、ファッション・サカラ(500万ユーロ/約7億円)やヘンリー・オニェクル(450万ユーロ/約6億3000万円)など、それぞれが自国の代表としてプレーしている実力ある選手たちである。
 
クラブ最高金額の市場価値は、アル・ナスルから期限付き移籍しているDFジスラン・コナンの650万ユーロ(約9億1000万円)だ。コナンはコートジボワール代表のサイドバックであり、アフリカネイションズカップ2023でも全試合に出場してチームの優勝に貢献している。
 
アル・フェイハは今大会がAFCチャンピオンズリーグ(ACL)初出場だったが、グループAをアル・アインに次ぐ2位で突破している。国内リーグでは現在降格圏と2ポイント差の14位と苦戦を強いられているが、ACLでは躍進となるだろうか。

●4位:アル・アイン(UAE)
監督:エルナン・クレスポ
総市場価値:3179万ユーロ(約44億5060万円)
最高額選手:ソフィアン・ラヒミ(600万ユーロ/約8億4000万円)
 
 市場価値ランキングで4位となったのは、国内リーグ最多14回の優勝を誇り、2003年にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)でも優勝したアラブ首長国連邦(UAE)の強豪、アル・アインだ。総市場価値は3179万ユーロ(約44億5060万円)となっている。
 
 注目選手の一人は、モロッコ代表でもプレー経験のあるソフィアン・ラヒミだ。市場価値はチーム最高金額となる600万ユーロ(約8億4000万円)で、ACLのグループステージでは5試合に出場して4ゴール3アシストの好成績をおさめた。チャンスメイクだけでなくフィニッシャーとしての能力も高いWGであり、現在も市場価値を伸ばし続けている。
 
 21/22、22/23の2シーズン連続で国内リーグ得点王となったコジョ・フォ=ドー・ラバはチーム2位となる500万ユーロ(約7億円)の市場価値を有している。今シーズンもここまでリーグ戦で11ゴールをあげて得点ランキング首位に立っているリーグ屈指のストライカーだ。
 
 サウジアラビアのクラブが急速に台頭してきたために存在感は小さくなってしまったが、上記2名の他に6名の選手が100万ユーロ(約1億4000万円)以上の市場価値を持っており、アル・アインはアジアでトップレベルのスカッドを有していると言えよう。ACLで21年ぶりの栄冠を手にすることができるだろうか。

●3位:アル・イテハド(サウジアラビア)
監督:マルセロ・ガジャルド
総市場価値:1億618万ユーロ(約148億6520万円)
最高額選手:ファビーニョ(3500万ユーロ/約49億円)
 
 ランキングの3位に入ったのは、サウジアラビア国内リーグの昨シーズンチャンピオン、アル・イテハドだ。昨夏に大型補強を敢行したことにより、チームの総市場価値は1億618万ユーロ(約148億6520万円)となっている。ランキング4位のアル・アイン(3179万ユーロ/約44億5060万円)に3倍以上の大差をつけることとなった。
 
 チーム最高金額の市場価値を持つのがファビーニョだ。2023年7月のアル・イテハド加入時から金額を700万ユーロ(約9億8000万円)下げてしまったが、現在も3500万ユーロ(約49億円)の市場価値と評価されている。
 
 同じく昨夏の移籍報道時に大きな話題となったカリム・ベンゼマの市場価値は、ファビーニョに次ぐ1500万ユーロ(1500万ユーロ/約21億円)となっている。ここまでリーグ戦15試合出場9ゴール5アシストと好成績をおさめているが、バロンドール受賞者のベンゼマには大きな期待が寄せられていただけに、必ずしも満足の行く数字ではない。ベンゼマには今冬のヨーロッパ復帰の噂もあがっていた。
 
 また、セルティックから移籍金2910万ユーロ(約40億7400万円)で獲得したジョタ(900万ユーロ/約12億6000万円)もリーグ戦の出場が5試合のみで、投じられた金額に見合った活躍ができていない。
 
 大型補強による効果が期待ほどあがらなかったこともあってか、2023/24シーズンは国内リーグで現在5位と、チーム状態は良くはない。かつてトッテナムを率いたヌーノ・エスピーリト・サントからマルセロ・ガジャルドへ監督交代にも踏み切ったが、12月にはリーグ戦3連敗を喫するなど、状況が改善しているとは言い難い。これがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ではどのように影響するだろうか。

●2位:アル・ナスル(サウジアラビア)
監督:ルイス・カストロ
総市場価値:1億4400万ユーロ(約201億6000万円)
最高額選手:オタビオ(3000万ユーロ/ 約42億円)
 
 2位にランクインしたのはサウジアラビアのアル・ナスルだ。ヨーロッパでプレーした有名選手を多く抱え、総市場価値は1億4400万ユーロ(約201億6000万円)となっている。
 
 クラブで最高金額の市場価値を持つのは、昨夏にFCポルトから移籍金6000万ユーロ(約84億円)で獲得したポルトガル代表MFオタビオ(3000万ユーロ/約42億円)だ。それに続くのがアイメリク・ラポルテ(2500万ユーロ/約35億円)、サディオ・マネ(2000万ユーロ/約28億円)、マルセロ・ブロゾビッチ(1800万ユーロ/約25億2000万円)らビッグネームの選手たちである。
  
 また、彼らに先んじて2021年7月に加入したブラジル人MFタリスカも1500万ユーロ(約21億円)と高額の市場価値を持つ選手だ。2023/24シーズンはここまで公式戦21試合に出場して20ゴール4アシストを記録しており、チームの攻撃を牽引している。
 
 そして、チームのキャプテンを務めているクリスティアーノ・ロナウド(1500万ユーロ/約21億円)もゴールを量産している。ここまでリーグ戦18試合出場20ゴール9アシストと得点ランキングで首位につけており、38歳ながらその得点能力はいまだ健在である。アル・ナスルはこれまでAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で優勝したことがない。ヨーロッパで数々の栄冠を手にしてきたロナウドは、クラブをアジアの頂点に導くことができるか。

●1位:アル・ヒラル(サウジアラビア)
監督:ジョルジェ・ジェズス
総市場価値:2億4195万ユーロ(約338億7300万円)
最高額選手:ネイマール(4500万ユーロ/約63億円)
 
   AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント出場国の中で総市場価値1位となったのはサウジアラビアのアル・ヒラルだ。その金額は2億4195万ユーロ(約338億7300万円)で、2位のアル・ナスルに1億ユーロ(約140億円)近い大差をつけてのランクインとなった。
 
 昨夏から今冬にかけて1000万ユーロ(約14億円)を超える市場価値を持つ選手が8名加入している。その中でも最高金額の市場価値を持つのがネイマール(4500万ユーロ/約63億円)だ。しかしネイマールは怪我により2023/24シーズンの公式戦の出場が5試合にとどまっており、2年間総額4億ユーロ(約560億円)とも報道されている超大型契約に見合う活躍はできていない。市場価値も加入後約半年で1500万ユーロ(約21億円)下落している。
 
 それでも、ボノ、カリドゥ・クリバリ、セルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチ、ルベン・ネヴェス、マウコム、アレクサンダル・ミトロヴィッチらが先発して、7-0と大勝した国内リーグ第18節アブハー戦では、スタメン11人の総市場価値がヨーロッパの強豪クラブにも匹敵する1億6990万ユーロ(約237億8600万円)となった。
 
 アル・ヒラルはスカッドの豪華さだけでなく、2023年8月の国内リーグ戦開幕以降は公式戦無敗という圧倒的な強さも誇っている。アジアのスター軍団が今大会優勝の最有力候補と言ってもいいだろう。

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