サッカー日本代表ズラリ!? アジアカップ最高額ベストイレブン。大会を彩るアジアのスター選手たち【アジアカップ2023】

【写真:Getty Images】

 AFCアジアカップカタール2023(アジア杯)に参加している選手でベストイレブンを選出するとしたら、サッカー日本代表からは何人が選ばれるだろうか。今回は、データサイト『transfermarkt』が算出した市場価値をもとに、各ポジションに最高額選手を選出したベストイレブンを紹介する。※市場価値・データは17日時点、[4-3-3]で選出。
-------------

●GK

GK:マシュー・ライアン(オーストラリア代表)
所属クラブ:AZ(オランダ)
生年月日:1992年4月8日
最新市場価値:400万ユーロ(約5億6000万円)
23/24リーグ戦成績:15試合10失点

 オーストラリア代表のGKマシュー・ライアンは、アジアカップ限定ではなく、アジア全体で市場価値が最高額のGKだ。2位以下に大きな差をつける400万ユーロ(約5億6000万円)となっている。

 ライアンは2012年にオーストラリア代表デビューを飾り、翌2013年からベルギーのクラブ・ブルッヘに移籍した。その後、バレンシアやブライトン、アーセナル、レアル・ソシエダといったクラブを渡り歩き、現在は日本代表の菅原由勢と同じオランダのAZに所属している。

 自身の市場価値最高額は、ブライトン時代の2019年に記録した1000万ユーロ(約14億円)で、以降は右肩下がりが続いている。それでも、アジアのGKでは群を抜いており、2位はバンクーバー・ホワイトキャップスの高丘陽平で150万ユーロ(約2億1000万円)だ。

 ライアンは昨年12月に頬骨を骨折して手術を受けたが、グループステージ初戦のインド代表戦で復帰を果たした。経験豊富な守護神がゴールを守っていることは、オーストラリア代表にとって心強いことだろう。

<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/01/21/post528514/" target="_blank" rel="noopener">日本代表ズラリ!? アジアカップ最高額ベストイレブン 全選手紹介</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/01/21/post528514/5/" target="_blank" rel="noopener">日本代表ズラリ!? アジアカップ最高額ベストイレブン【FW】</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/01/21/post528514/4/" target="_blank" rel="noopener">日本代表ズラリ!? アジアカップ最高額ベストイレブン【MF】</a>

●CB

CB:キム・ミンジェ(韓国代表)
所属クラブ:バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
生年月日:1996年11月15日
最新市場価値:6000万ユーロ(約84億円)
23/24リーグ戦成績:15試合1得点0アシスト

 韓国代表のキム・ミンジェは、アジアカップに出場しているセンターバックの中で圧倒的に高い評価を受けている。市場価値6000万ユーロ(約84億円)は、アジア人全選手でトップタイだ。

 キム・ミンジェは、2022年夏にトルコのフェネルバフチェからイタリアのナポリへ移籍してブレイクした。対人の強さに加えて戦術理解も高く、ナポリですぐに適応して、2022/23シーズン・セリエA独走優勝に大きく貢献している。2022年6月時点で1400万ユーロ(約19億6000万円)だった市場価値は、1年で6000万ユーロ(約84億円)まで上昇し、昨年夏にドイツのバイエルン・ミュンヘンへ移籍した。

 2022/23シーズンの活躍が注目されたキム・ミンジェは、2023年のバロンドール・ランキングで22位にランクインした。アジア人のDFがバロンドールの候補に入るのは史上初の快挙であり、サッカーの歴史で最も評価されているアジア人センターバックと言っても過言ではない。

CB:伊藤洋輝(日本代表)
所属クラブ:シュトゥットガルト(ドイツ)
生年月日:1999年5月12日
最新市場価値:2200万ユーロ(約30億800万円)
23/24リーグ戦成績:12試合0得点2アシスト

 伊藤洋輝は、日本代表でも所属クラブのシュトゥットガルトでも左サイドバックでの起用が多いが、センターバックとしても高い能力を誇っている。

 2022/23シーズンのシュトゥットガルトで3バックの左を担当することが多かった伊藤は、シーズン終盤にセバスティアン・ヘーネスが監督に就任したことで、4バックの左が主戦場になった。

 伊藤は守備の強度が高く、188cmの長身をいかした空中戦でも強さを発揮する。そのため、相手の攻撃時に反対サイドからファーサイドにクロスボールが入ったときの競り合いも不安がない。また、抜群の精度を誇る左足のキックもあり、攻めの起点としても期待できる。

 2021年夏に当時J2のジュビロ磐田からシュトゥットガルトに移籍した際、伊藤の市場価値は55万ユーロ(約7700万円)だった。そこから約2年半で2200万ユーロ(約30億800万円)に急上昇しており、ヨーロッパでも高い評価を受けているDFだ。

●SB

SB:冨安健洋(日本代表)
所属クラブ:アーセナル(イングランド)
生年月日:1998年11月5日
最新市場価値:3000万ユーロ(約42億円)
23/24リーグ戦成績:13試合1得点1アシスト

 日本代表で主にセンターバックを担当する冨安健洋は、所属するアーセナルでサイドバックを務めることが多い。ただ、どちらのポジションを任せても、アジア屈指のDFであることは間違いないだろう。

 冨安は、昨年9月に行われたドイツ代表戦で衝撃的なパフォーマンスを見せた。安定感のある守備に加えて、精度の高いフィードで2つのゴールの起点になり、歴史的勝利の原動力になっている。

 ワールドクラスの選手がそろうアーセナルでは、怪我の多さもあり、常時先発とはいかないものの、左右どちらでもプレーできる器用さも手伝ってコンスタントに起用されており、ミケル・アルテタ監督の信頼の厚さがうかがえる。

 市場価値3000万ユーロ(約42億円)は、アジアカップに出場している右サイドバックの選手として群を抜いて高い数字だ。2位は同じく日本代表の菅原由勢の1500万ユーロ(約21億円)で、その次はサウジアラビア代表のサウド・アブドゥルハミドの280万ユーロ(約3億9200万円)まで離れており、冨安がいかに高い評価を受けているかが分かる。

SB:ミラド・モハマディ(イラン代表)
所属クラブ:AEKアテネ(ギリシャ)
生年月日:1993年9月29日
最新市場価値:120万ユーロ(約1億6800万円)
23/24リーグ戦成績:10試合1得点0アシスト

 イラン代表のミラド・モハマディは、ヨーロッパでの経験が豊富な左サイドバックだ。市場価値120万ユーロ(約1億6800万円)は、本企画のベストイレブンで最も低いが、伊藤洋輝などを本職センターバックとして扱った場合、今大会の左サイドバックとして最高額である。

 現在30歳のモハマディは、2014年にラーフ・アーハンでプロデビューを飾り、2016年2月にイランを離れてロシアのテレク・グロズヌイへ移籍した。ロシアリーグで注目されたモハマディは、2019年に市場価値が500万ユーロ(約7億円)に達して、ベルギーのヘンクに加わり、元日本代表の久保裕也とチームメートだった時期もあった。その後、2021年からはギリシャのAEKアテネでプレーしている。

 モハマディは攻撃参加を得意とする選手で、精度の高い左足のクロスが武器だ。2018年のロシアワールドカップでは、スペイン代表と対戦した際、ハンドスプリングスローを試みて失敗に終わったこともちょっとした話題になった。

●MF

MF:遠藤航(日本代表)
所属クラブ:リバプール(イングランド)
生年月日:1993年2月9日
最新市場価値:1300万ユーロ(約18億2000万円)
23/24リーグ戦成績:15試合1得点0アシスト

 日本代表の主将を務める遠藤航は、30歳で市場価値を高めている。昨年6月の市場価値は650万ユーロ(約9億1000万円)だったが、夏に移籍金2000万ユーロ(約26億円)でシュトゥットガルトからリバプールへ移籍し、現在の市場価値は1300万ユーロ(約18億2000万円)だ。

 リバプールは昨年夏の移籍市場で中盤補強にことごとく失敗し、最終的に遠藤を獲得した。30歳と大きな成長が見込める年齢ではないため、期待はそれほど高くなかった印象だが、11月以降は先発で起用されることも増え、12月は公式戦8試合に全て出場して活躍。クラブの月間MVPにも選出され、確固たる地位を築いた。

 昨年10月に自身最高額の市場価値1300万ユーロとなった遠藤は、12月のアップデートでもこの市場価値を維持している。年齢的には減少に向かうのが一般的で、横ばいは十分に高評価と言えるだろう。

MF:守田英正(日本代表)
所属クラブ:スポルティングCP(ポルトガル)
生年月日:1995年5月10日
最新市場価値:1200万ユーロ(約16億8000万円)
23/24リーグ戦成績:14試合1得点3アシスト

 守田英正は、2020/21シーズン途中にポルトガルのサンタ・クララに加入した。当時の市場価値は130万ユーロ(約1億8200万円)だったが、2022年夏に加入した同国の名門スポルティングCPで活躍を続けており、最新の市場価値は1200万ユーロ(約16億8000万円)となっている。

 遠藤航とともに中盤の守備を引き締めている守田だが、近年は攻撃面でも存在感が増した。味方にとって優しく、相手にとって嫌なところにポジションを取ってチームの攻撃を円滑にし、隙があれば自らゴール前に飛び出してフィニッシュにも絡めるMFだ。

 守田は2021年にヨーロッパへ飛び出してから、市場価値が減少したことが一度もない。28歳という年齢で一般的には上昇ペースの鈍化が予想されるが、クラブでも代表でも信頼感は増すばかりだ。

MF:イ・ガンイン(韓国代表)
所属クラブ:PSG(フランス)
生年月日:2001年2月19日
最新市場価値:2200万ユーロ(約30億800万円)
23/24リーグ戦成績:10試合1得点2アシスト

 韓国代表のイ・ガンインは、ついにアジアトップクラスとして世間に認知されるようになった。
 スペイン・バレンシアの下部組織で育ったイ・ガンインは、日本における久保建英のように、幼い頃から注目を集めてきたが、なかなか期待に応えられずにいた。それでも2022/23シーズンにマジョルカでブレイクを果たし、昨年夏にフランスのパリ・サンジェルマン(PSG)へ移籍している。

 PSGというスター軍団への加入は早すぎではないかという見方もあったが、今季リーグアンで出場した10試合は全て先発出場で、トップクラブでも戦えることを証明している。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)のACミラン戦では得点を挙げ、世界的な舞台でも自分の力を発揮しているところだ。

 イ・ガンインがアジア市場価値ベストイレブンに入ったのは、本人の成長によるところが大きいが、本来であれば、日本代表の鎌田大地が入っていても不思議ではなかった。ただ、鎌田は昨年夏にイタリアのラツィオに加入してからインパクトを残せておらず、今回の代表メンバーから外れている。仮に入っていたとしても、昨年6月に2700万ユーロ(約37億8000万円)だった市場価値は12月のアップデートで2000万ユーロ(約28億円)まで下がっているため、イ・ガンインがアジアカップに出場している攻撃的MFでトップの市場価値だということに変わりはない。

●FW

FW:久保建英(日本代表)
所属クラブ:レアル・ソシエダ(スペイン)
生年月日:2001年6月4日
最新市場価値:6000万ユーロ(約84億円)
23/24リーグ戦成績:18試合6得点3アシスト

 久保建英は、スペインで期限付き移籍を繰り返していたが、レアル・マドリードからレアル・ソシエダに移籍した2022/23シーズンにブレイクした。レアル・マドリードが650万ユーロ(約9億1000万円)の移籍金で手放した久保は、1年で市場価値が2500万ユーロ(約35億円)となり、現在は6000万ユーロ(約84億円)となっている。

 2022/23シーズンのラ・リーガで9得点7アシストを記録した久保は、今季18試合のリーグ戦出場で6得点3アシストとなっており、得点ペースは昨季を上回っている。ソシエダ全体が久保の個の力を活かそうという戦い方をしており、その信頼に応えて結果を出しているところだ。

 市場価値6000万ユーロは、韓国代表のキム・ミンジェと並んでアジア最高額である。キム・ミンジェは現在27歳。22歳の久保が、単独でアジア最高の選手と認められる日はそう遠くないかもしれない。

FW:ファン・ヒチャン(韓国代表)
所属クラブ:ウォルバーハンプトン(イングランド)
生年月日:1996年1月26日
最新市場価値:2200万ユーロ(約30億800万円)
23/24リーグ戦成績:20試合10得点3アシスト

 韓国代表のファン・ヒチャンは、今季急激に市場価値を高めているFWだ。昨年6月に1200万ユーロ(約16億8000万円)だった市場価値は、わずか半年で2200万ユーロ(約30億800万円)まで上昇している。

 ファン・ヒチャンは、2015年に加入したザルツブルクで南野拓実やアーリング・ハーランドとともに活躍して評価を高めた。しかし、ライプツィヒを経て2021年夏にウォルバーハンプトンに加入したあとは不振が続き、市場価値は下がる一方だった。

 それでも、ファン・ヒチャンは2023/24シーズン序盤からゴールを量産している。昨季リーグ戦27試合で3得点だった選手が、すでに10得点を記録した。プレミアリーグで11位のウォルバーハンプトンでそれだけの得点力を発揮しているのだから、市場価値の上昇は当然と言えるだろう。

 なお、センターフォワードとして日本人選手トップの市場価値は、古橋亨梧(セルティック)の1500万ユーロ(約21億円)だ。

FW:三笘薫(日本代表)
所属クラブ:ブライトン(イングランド)
生年月日:1997年5月20日
最新市場価値:5000万ユーロ(約70億円)
23/24リーグ戦成績:17試合3得点5アシスト

 日本代表の三笘薫は、2021年夏に川崎フロンターレを離れてヨーロッパへ渡った。ベルギーのユニオン・サン=ジロワーズで経験を積み、2022/23シーズンからイングランドのブライトンで活躍しており、瞬く間に世界的な選手になっている。

 爆発的なスピードとドリブルが武器の三笘は、もともと日本代表でジョーカー的な存在だった。その武器は世界トップレベルの選手が集まるプレミアリーグでも衝撃を与え、ブライトンの攻撃をけん引している。2022/23シーズンのリーグ戦で7得点6アシストを記録すると、今季もこれまでに3得点5アシストと結果を残してきた。まだ26歳と若く、さらなる上昇も期待できそうだ。

 三笘は左足首の負傷のため、初戦のベトナム代表戦でベンチ外だった。その後も三笘のコンディションは逐一報じられており、周囲の関心の的であることがうかがえる。

 なお、左ウイングとしては、韓国代表のソン・フンミンが三笘と同じ市場価値5000万ユーロ(約70億円)で並んでいる。その下は日本人選手が続いており、3位が南野拓実の1200万ユーロ(約16億8000万円)、4位が中村敬斗の1000万ユーロ(約14億円)、5位が前田大然の650万ユーロ(約9億1000万円)だ。

<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/01/20/post528371/" target="_blank" rel="noopener">英国人が見たサッカー日本代表対イラク戦「終わりました」「浅野…なんで」「今日は日本の日では…」</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/01/20/post528453/" target="_blank" rel="noopener">なぜこうなった…。サッカー日本代表、イラク戦全選手パフォーマンス査定</a>
<a href="https://www.footballchannel.jp/2024/01/20/post528410/" target="_blank" rel="noopener">【図解】日本代表、決勝トーナメント進出の条件は? 複雑な状況を整理。3位転落の可能性も…【アジアカップ2023】</a>

ジャンルで探す