次に呼ぶべき! サッカー日本代表に推薦したい選手5人。さらなるレベルアップに必要? 楽しみな実力者たち

【写真:Getty Images】

●GK:高丘陽平(たかおか・ようへい)

AFCアジアカップカタール2023の準々決勝でイラン代表に敗れたことで、アジア王者を目指す日本代表の道のりは終わった。ここからは約2年半後に迫る次のワールドカップへ向けて、チームを再構築していくことになる。今回は、今後日本代表でのプレーが楽しみな選手をピックアップして紹介する。※成績は4日時点の『transfermarkt』を参照
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生年月日:1996年3月16日
所属クラブ:バンクーバー・ホワイトキャップス(アメリカ合衆国)
昨季リーグ戦成績:35試合48失点(クリーンシート8試合)

 来月で27歳となるGK高丘陽平は、日本代表に招集すべき実力者の1人だ。アンダー世代で代表に選ばれた経験はあるものの、いまだA代表には招集経験がない。

 高丘は、昨年2月に横浜F・マリノスからメジャーリーグサッカー(MLS)のバンクーバー・ホワイトキャップスへ完全移籍することを決断。マリノスに2022シーズンのJ1リーグ優勝という大きな置き土産を残して、初めての海外挑戦を迎えている。

 移籍1年目となる昨季は公式戦39試合に出場した。正GKの座を確保し、文字通り最後の砦として後方からチームを支えた。身長181cmとGKの中では小柄な部類に入るが、果敢な飛び出しやビックセーブで試合の流れを変えることができる。

 昨年10月に行われたMLSウェスタン・カンファレンス第37節のシアトル・サウンダーズ戦(0-0)ではクリーンシートを達成。計17本のシュートを打たれ、相手にボールを握られる展開が続く中で、圧巻の5セーブでゴールを死守した。この活躍によりMLS第37節のベストイレブンに選出されている。

 Jリーグ、そして海外でも確かな結果を残している同選手を、1度もA代表に招集しないのは勿体ない。どっしりと構えて要所でのセーブで安心感をもたらしてくれるGKは代表に欲しいキャラクターだ。高丘が日本のゴールマウスを守る試合を早く観てみたい。

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●FW:小川航基(おがわ・こうき)

生年月日:1997年8月8日(26歳)
所属クラブ:NECナイメヘン(オランダ)
23/24リーグ戦成績:17試合7ゴール1アシスト

 オランダでプレーするFW小川航基は、初めての海外挑戦ながら充実した時間を過ごしている。

 現在26歳の小川はジュビロ磐田や横浜FCなどでのプレーを経て、昨年6月に買い取りオプション付きの期限付き移籍でオランダ1部のNECナイメヘンに加入した。開幕戦(エクセシオール戦)に1トップの位置で先発出場すると60分に頭でゴールネットを揺らし、移籍後初ゴールを記録。第2節ヘラクレス戦でもゴールを決めて、最高のスタートダッシュに成功している。

 生粋のストライカーである同選手の魅力は、豊富な得点パターンにある。左右両足で精度の高いシュートを打つことができ、身長186cmの恵まれた体格を活かした空中戦にも強い。今季リーグ戦で奪った7ゴールの内訳は[右足2、左足2、ヘディング3]と、非常にバランスが良い。今季得点数をどこまで伸ばせるか注目だ。

 現在の日本代表の中では上田綺世と特徴が重なるところもあるが、そのライバルは所属クラブでのポジション争いで後塵を拝しており、今季のリーグ戦得点数はわずか1ゴールに留まる。オランダ移籍後コンスタントに活躍できていることを考えれば、2019年のE-1選手権以来となる代表招集に期待が高まる。

●FW:坂元達裕(さかもと・たつひろ)

生年月日:1996年10月22日(27歳)
所属クラブ:コヴェントリー・シティ(イングランド2部)
23/24リーグ戦成績:26試合7ゴール2アシスト

 イングランド2部コヴェントリー・シティでプレーしているFW坂元達裕は、AFCアジアカップカタール2023後の日本代表で見てみたい選手の1人だ。

 セレッソ大阪でブレイクした坂元は、2022年1月にオーステンデ(ベルギー)へステップアップを果たした。しかしながら昨季は、個人としてクラブ年間最優秀選手(MVP)に選ばれる素晴らしい活躍を残したものの、クラブは失意の2部降格という結果に。これを受けて夏の移籍市場でベルギーからイングランド2部へ活躍の場を移している。

 27歳の同選手は左右どちらでもプレーできるサイドアタッカーだ。主に右サイドを主戦場としてプレーしているが、ベルギーでは左サイドでも起用されていた。細かいタッチのドリブルと深い切り返しで対峙する相手選手を翻弄する。これまではアシストの方が多かった中で、今季は既にキャリアハイとなるリーグ戦7ゴールをマーク中。よりゴールに近いエリアでボールを触ることが増えたことで、決定機に多く絡めるようになった。

 最後に日本代表としてプレーしたのは2021年6月まで遡る。現状、日本代表のサイドアタッカーはポジション争いの激戦区の1つだが、そこに名乗りを挙げるのに相応しいポテンシャルが坂元にはある。イングランド2部でしっかりと数字を残せていることを考えれば、久しぶりに代表のユニフォームを身にまとった姿を見たいと思うのは当然だろう。

●MF:三戸舜介(みと・しゅんすけ)

生年月日:2002年9月28日(21歳)
所属クラブ:スパルタ・ロッテルダム(オランダ)
23/24リーグ戦成績:3試合1ゴール0アシスト

 初めての海外移籍、そのうえリーグデビュー戦で、ゴールネットを揺らしたこの男には期待を抱かずにはいられない。

 現在21歳の三戸舜介は、2023シーズンのJ1リーグ終了をもってアルビレックス新潟からオランダ1部スパルタ・ロッテルダムへ完全移籍。チームが親善試合やカップ戦を含め4試合勝ちなしの状況下、リーグデビュー戦(第17節フォルトゥナ戦)で先発に抜擢された。この試合で前述のとおり鮮烈なデビューゴールを挙げる。相手センターバックとサイドバックの間に生まれたスペースに走りこんだ三戸は、味方選手のスルーパスを引き出してワンタッチシュート。一瞬のスキを突いた動き出しと抜群の加速力を活かしてゴールネットを揺らした。

 この試合ではゴールシーン以外にも、積極的にパスワークに絡み、様々なエリアに顔を出して攻撃の潤滑油になっていたのが印象的だ。スピードや体幹の強さといったフィジカル面だけでなく、選手が密集した中央とスペースのあるサイドどちらでも違いを作れるテクニック面が光った完璧なデビュー戦だったと言えるだろう。最終的にチームは2-0で勝ち点3を掴んでいる。

 まだ移籍から1か月も経っていないため、今後の活躍を引き続き見守っていく必要はあるが、Jリーグで結果を残し21歳で既にこのレベルにある三戸は、日本を背負って戦うのに十分な能力を持っている。このパフォーマンスを維持できれば、おのずと声はかかるはずだ。

●DF:角田涼太朗(つのだ・りょうたろう)

生年月日:1999年6月27日(24歳)
所属クラブ:KVコルトレイク(ベルギー)
23/24リーグ戦成績:3試合0ゴール0アシスト

 DF角田涼太朗は、降格圏に沈むクラブの“救世主”になりつつある。

 この冬の移籍市場で横浜F・マリノスからイングランド2部カーディフ・シティへ完全移籍すると同時にベルギー1部コルトレイクに期限付き移籍した角田は、リーグデビュー戦(第22節ルーベン戦)に3バックの一角としてスタメン出場。地上戦勝率100%(6/6)、空中戦勝率100%(2/2)という驚異的なスタッツを残して、クリーンシートを達成するという最高のパフォーマンスを披露した(スタッツはデータサイト『Sofa Score』参照)。

 その後も、同じくこの冬にコルトレイクに加入した藤井陽也と共に守備に安定感をもたらし、藤井は空中戦、角田は地上戦でそれぞれ強みを発揮して、チームの課題だったディフェンス面を大きく修正した。事実、直近の公式戦9試合0勝7敗2分(3得点20失点)と最悪の状況だったチームは、2人が加入してから一度も負けていない。

 またディフェンス面だけでなく、後方から中盤や前線の選手たちへ左足で精度の高いパスが供給できるため、スムーズなビルドアップにも大きく貢献している。チームとして得点力不足に課題は残るが、間違いなく角田は藤井と並んでコルトレイクの救世主になりつつあると言えるだろう。

昨年3月に日本代表に招集されたときは負傷により参加辞退となってしまったが、マリノス時代の活躍に加えて、どん底だったベルギーのチームを立て直した実力は折り紙付き。日本のゴールを守る壁として躍動する角田の姿を見てみたい。

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