最高額は誰だ! J1リーグ新外国人選手、市場価値ランキング1〜10位。2024シーズン期待の助っ人たち

【写真:Getty Images】

●10位:ブルーノ・ジョゼ(ジュビロ磐田)

生年月日:1998年3月31日
前所属:グアラニFC(ブラジル)
国籍:ブラジル
市場価値:70万ユーロ(約9800万円)

 J1リーグの新外国人選手の市場価値ランキングで10位にランクインしたのは、ジュビロ磐田に移籍したブラジル人WG、ブルーノ・ジョゼだ。市場価値70万ユーロ(約9800万円)と評価されている。FIFAクラブワールドカップ優勝経験のあるブラジルの名門・インテルナシオナルのU20チーム出身のジョゼは、同国の複数クラブを渡り歩いてキャリアを積んできた。

 ジョゼは2021シーズンから2022シーズンまでの成績が計65試合出場4ゴール4アシストとやや低調であり、その間は市場価値も60万ユーロ(約8400万円)の横ばいだった。しかし2023シーズン、ジョゼはグアラニFC(ブラジル2部)で主に右WGとしてプレーし、32試合出場4ゴール7アシストの成績を残す。チャンスメーカーとしても力を発揮した昨シーズンのプレーによって、現在は自己最高額の70万ユーロまで市場価値を伸ばしている。ジョゼの年齢は25歳であり、Jリーグでの活躍次第ではここからさらに市場価値を伸ばしていく余地はあるだろう。

 昨シーズン、最終節までもつれ込んでのJ1復帰を決めたジュビロ磐田は新シーズンに向けてスカッドを刷新し、16名もの選手が新たに加入することとなった。その中には元日本代表GK川島永嗣など注目を集めた移籍もあった。多くの新加入選手の中でブルーノ・ジョゼは助っ人として存在感を示すことができるだろうか。

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●9位:ハ・チャンレ(名古屋グランパス)

生年月日:1994年10月16日
前所属:浦項スティーラーズ(韓国)
国籍:韓国
市場価値:80万ユーロ(約1億1200万円)

 韓国の強豪、浦項スティーラーズから名古屋グランパスへ移籍した韓国人DF、ハ・チャンレが新外国人の市場価値ランキングで9位につけている。市場価値は80万ユーロ(約1億1200万円)だ。名古屋は昨シーズンの主力DFであった中谷進之介藤井陽也が移籍したことにより、最終ラインの補強が必須となっていた。

 韓国1部のKリーグ1で主にキャリアを重ねて来たハ・チャンレは、2018年1月に浦項スティーラーズに移籍した。2021年3月から翌年9月まで金泉尚武FCへのレンタル移籍を経験しつつも、浦項スティーラーズでリーグ戦通算137試合に出場してチームの守備を支えた。浦項スティーラーズは現在AFCチャンピオンズリーグ(ACL)を戦っており、浦和レッズと同居したグループステージでハ・チャンレは5試合にフル出場して無敗での首位突破に貢献している。

 ハ・チャンレの市場価値は浦項スティーラーズ加入当時で27万5000ユーロ(約3850万円)であった。その後、2020年12月に70万ユーロ(約9800万円)まで市場価値を伸ばすが、レンタル移籍した金泉尚武FCで出場時間を減少させたこともあり、2023年6月まで金額は上昇していない。しかし2023シーズンには前述したACLでの活躍もあり、市場価値を自己最高額となる現在の80万ユーロまで伸ばすこととなった。

 守備陣がほぼ総入れ替えとなった名古屋において、クラブ最高金額のDFであるハ・チャンレにかかる期待は大きい。国外初挑戦のハ・チャンレはJリーグでどのようなプレーを見せてくれるだろうか。

●8位:ギリェルメ・パレジ(鹿島アントラーズ)

生年月日:1995年9月19日
前所属:CAタジェレス(アルゼンチン)
国籍:ブラジル
市場価値:95万ユーロ(約1億3300万円)

 アルゼンチンのCAタジェレスから鹿島アントラーズへ期限付き移籍となったブラジル人、ギリェルメ・パレジが市場価値95万ユーロ(約1億3300万円)でランキングの8位に入った。パレジは母国でプロキャリアをスタートさせ、CAタジェレス移籍後も主にブラジルのクラブへレンタル移籍を繰り返してプレーしてきた。

 パレジは2020年1月のCAタジェレス移籍時には自己最高額の95万ユーロの市場価値を有していたが、以降およそ3年間、レンタル移籍先で出場時間を伸ばすことができず、市場価値を67万5000ユーロ(約9450万円)まで下げている。しかし、2023シーズンにレンタル移籍したヴィラ・ノヴァFC(ブラジル2部)での活躍によって自己最高額まで回復させることとなった。

 近年、タイトルから遠ざかっている名門・鹿島はその目標を達成するべく、ランコ・ポポヴィッチを新監督に迎え2024シーズンをスタートさせる。今季新加入選手の中で最高額の市場価値を有し、即戦力として期待されるパレジはどこまで貢献できるだろうか。

●7位:ナ・サンホ(FC町田ゼルビア)

生年月日:1996年8月12日
前所属:FCソウル(韓国)
国籍:韓国
市場価値:110万ユーロ(約1億5400万円)

 市場価値ランキングの7位にランクインしたのは、FC町田ゼルビアに加入した韓国代表のWGナ・サンホだ。市場価値110万ユーロ(約1億5400万円)と評価されている。J1初挑戦となる町田は積極的に補強を行なっている。市場価値のみならず実績を考えても、ナ・サンホは目玉補強の1つと言っていいだろう。

 ナ・サンホは2019年から2020年までFC東京でプレーしており、町田への移籍でJ1再挑戦となる。韓国復帰時の2020年6月の市場価値は55万ユーロ(約7700万円)であった。2019年から2020年までFC東京でプレーしており、これがJ1再挑戦となるナ・サンホの市場価値は韓国復帰時で55万ユーロ(約7700万円)だったが、2021年1月に完全移籍したFCソウルで価値を上昇させていく。2023シーズンはリーグ戦38試合出場12ゴール4アシストを記録し、月間MVPに2度選出される活躍を見せた。とりわけ開幕12試合までに8ゴール2アシストを記録しており、同年6月には自己最高額となる130万ユーロ(約1億8200万円)の市場価値と評価されている。

 黒田剛監督のもと、2位ジュビロ磐田に12ポイントもの大差をつけ悲願のJ2制覇とJ1昇格を果たした昨季の町田。初挑戦となるJ1の舞台でどのような戦いを見せるか、多くのファンが注目しているだろう。その中で、いきなり10番を託されたナ・サンホはキーマンになるはずだ。

●6位:マテウス・ペイショット(ジュビロ磐田)

生年月日:1995年11月16日
前所属:アトレチコ・ゴイアニエンセ(ブラジル)
国籍:ブラジル
市場価値:150万ユーロ(約2億1000万円)

 市場価値ランキングの6位にランクインしたのはジュビロ磐田のマテウス・ペイショットだ。その市場価値は150万ユーロ(約2億1000万円)であり、クラブ唯一の100万ユーロ(約1億4000万円)超えとなっている。ペイショットは身長190cmの大型センターフォワードで、長身を活かした強烈なヘディングは脅威だ。

ブラジル人のペイショットは同国のクラブを転々と渡り歩いた後、2021年7月にウクライナのFCメタリスト・ハルキウ(当時国内2部)に移籍した。加入後のリーグ戦で16試合出場14ゴールと得点力を発揮し、移籍してから約4ヶ月で市場価値は70万ユーロ(約9800万円)から150万ユーロへと倍以上に伸びることとなった。

 しかし、2022年3月のブラジル復帰後から得点力があまり発揮されていないのは気になるところ。リーグ戦通算43試合で6ゴールにとどまる。それが影響してか、市場価値も2021年12月に自己最高額の150万ユーロを記録して以降は横ばいとなっている。

 昨シーズン、2桁得点者がいなかった磐田がペイショットに期待するのはやはりゴールだろう。2022シーズンはJ1復帰後1年でJ2降格となってしまった磐田だが、ペイショットが市場価値に見合った活躍を見せ、復権となるだろうか。

●5位:イブラヒム・ドレシェヴィッチ(FC町田ゼルビア)

生年月日:1997年1月24日
前所属:ファティ・カラギュムリュク(トルコ)
国籍:コソボ
市場価値:190万ユーロ(約2億6600万円)

 トルコのファティ・カラギュムリュクからFC町田ゼルビアに移籍したコソボ代表のセンターバック、イブラヒム・ドレシェヴィッチが市場価値190万ユーロ(約2億6600万円)でランキングの5位につけている。これは町田の全選手の中で最高金額の市場価値である。

 ドレシェヴィッチはスウェーデン出身で、母国のエルフスボリでプロキャリアをスタート。同国の年代別代表に招集された経験もある。その後、オランダのヘーレンフェーンを経て、2022年7月にファティ・カラギュムリュクに移籍した。

トルコ移籍当時の市場価値は80万ユーロ(約1億1200万円)だったが、加入後すぐに主力として活躍したこともあり、約1年で市場価値は倍近く上昇し、2023年6月に市場価値150万ユーロ(約2億1000万円)と評価された。2023/24シーズンもコンスタントに試合に出場しており、市場価値を伸ばし続けている中での町田移籍となっている。町田は元日本代表の昌子源を獲得するなど、守備陣を充実させており、2024シーズンはDFのスタメン争いも注目だ。

 今回のランキングからは、昇格組の町田とジュビロ磐田が積極的に市場価値の高い外国人選手を獲得していることがわかる。また、町田は2024シーズン開幕前の補強によって、J1クラブの総市場価値ランキングでは現時点で7位(1623万ユーロ/約22億7220万円)に躍り出ている。

●4位:ヴィトール・ブエノ(セレッソ大阪)

生年月日:1994年9月5日
前所属:アトレチコ・パラナエンセ(ブラジル)
国籍:ブラジル
市場価値:250万ユーロ(約3億5000万円)

 4位にランクインしたのは、セレッソ大阪に移籍したブラジル人、ヴィトール・ブエノだ。市場価値250万ユーロ(約3億5000万円)と評価されている。移籍情報サイト『transfermarkt』によると、セレッソが支払った移籍金は320万ユーロ(約4億4800万円)とされており、期待の大きさが伺える。
  
 ブエノの自己最高額の市場価値は、ブラジルの名門サントスFC所属時の2016年9月に記録した500万ユーロ(約7億円)だ。ブエノは2016シーズンを最終的にリーグ戦33試合出場9ゴール2アシストで終えた。しかし翌シーズンは怪我によりリーグ戦の出場が8試合にとどまり、以降は市場価値を落としていくこととなった。

 ブエノはウクライナの強豪ディナモ・キエフなどでプレーしたが市場価値を回復させることはできず、2021年12月には130万ユーロ(約1億8200万円)まで価値を落とした。しかし昨シーズンはブラジル1部のアトレチコ・パラナエンセでリーグ戦32試合出場5ゴール5アシストの成績を残し、市場価値を現在の金額まで伸ばすこととなった。

 ブエノは昨シーズンを主に攻撃的MFや右WGとしてプレーし、ミドルシュートも持ち味にしていた。タレント揃いのセレッソでは、どのようなプレーを見せてくれるだろうか。

●3位:オラ・ソルバッケン(浦和レッズ)

生年月日:1998年9月7日
所属元:ASローマ(イタリア)
国籍:ノルウェー
市場価値:300万ユーロ(約4億2000万円)

イタリアの名門であるASローマから浦和レッズへ期限付き移籍しているオラ・ソルバッケンは市場価値300万ユーロ(約4億2000万円)で3位にランクインした。クラブの総市場価値ランキングでダントツの1位(2688万ユーロ/約37億6320万円)につけている浦和レッズの2選手がトップ5に名を連ねる結果となった。

 ノルウェー代表のWGであるソルバッケンが市場価値を高めたのは、母国のFKボデ/グリムト在籍時である。加入した2020シーズン序盤は出場機会が限られていたが、リーグ戦終盤からスタメンとして定着し、2021シーズンには26試合出場6ゴール6アシストの成績を残してクラブのリーグ連覇に貢献した。2022シーズンは負傷により出場が限られていたが、15試合出場4ゴール6アシストを記録し、2023年1月にASローマへのステップアップ移籍を果たした。

 ソルバッケンがボデ/グリムトに加入した際の市場価値は30万ユーロ(約4200万円)であったが、ローマ加入時には自己最高金額の350万ユーロ(約4億9000万円)と、11倍以上の値になっていた。しかし、ASローマでは十分な出場時間が得られず、14試合出場で1ゴール2アシストと金額に見合った活躍は見せられず。、2023/24シーズンにレンタル移籍したギリシャの強豪オリンピアコスでもリーグ戦の出場は5試合であった。

 現在は自己最高金額から市場価値を落としてしまったソルバッケンだが、欧州で実績を残してきだけに浦和でのプレーにはやはり注目が集まる。クラブをタイトルに導けるだろうか。

●2位:サミュエル・グスタフソン(浦和レッズ)

生年月日:1995年1月11日
前所属:BKヘッケン(スウェーデン)
国籍:スウェーデン
市場価値:300万ユーロ(約4億2000万円)

 300万ユーロ(約4億2000万円)の市場価値を持つのは、浦和レッズのサミュエル・グスタフソンだ。グスタフソンは187cmの長身の守備的MFで、現役のスウェーデン代表選手である。前所属のBKヘッケン(スウェーデン1部)ではUEFAヨーロッパリーグ(EL)でプレーした経験も持つ。

 グスタフソンはBKヘッケンの下部組織で育ち、2014年1月にトップチーム昇格を果たした。翌2015シーズンからスタメンに定着し、2016年8月にセリエAのトリノへ移籍するまでの3シーズンでリーグ戦通算65試合出場11ゴール12アシストという成績を残している。

 トリノでは満足いく活躍を見せられなかったものの、転機となったのは2021年7月のBKヘッケンへの復帰であった。復帰初年こそ怪我によりリーグ戦は4試合出場にとどまったが、翌2022シーズンから定位置をつかみ、クラブのリーグ初優勝に大きく貢献する。浦和レッズ移籍前の2023シーズンはリーグ戦29試合出場8アシストを記録し、中盤の底でプレーしながらも多くのチャンスを創出した。

 BKヘッケン復帰当初の市場価値は70万ユーロ(約9800万円)であったが、前述の活躍により、現在は自己最高額の300万ユーロまで金額を伸ばした。グスタフソンは2023シーズンをキャプテンとしてプレーしており、浦和ではリーダーシップを発揮することも期待されている。

●1位:エリソン(川崎フロンターレ)

生年月日:1999年4月13日
前所属:サンパウロFC(ブラジル)
国籍:ブラジル
市場価値:300万ユーロ(約4億2000万円)

 J1リーグの新外国人選手市場価値ランキングで1位にランクインしたのは、川崎フロンターレに移籍したブラジル人FWエリソンだ。市場価値は300万ユーロ(約4億2000万円)で、この金額はJ1全選手の中でも最高金額である。

 エリソンの市場価値自己最高額は400万ユーロ(約5億6000万円)で、ブラジルのボタフォゴでリーグ戦20試合出場7ゴールをマークしていた2022年8月に記録した。この2022シーズンの途中でポルトガルのエストリルへ期限付き移籍するが、同クラブでは11試合出場2ゴールの成績にとどまっている。

 2023年1月にブラジル復帰となったが、相次ぐ負傷によって出場試合数を伸ばすことができず、市場価値を現在の金額まで減少させていくこととなった。ブラジルでの最終シーズンは13試合出場1ゴール1アシストの結果に終わったが、エリソンは24歳とまだ若く、Jリーグで自らの価値を改めて示すことは十分に可能だろう。

 昨シーズンの川崎フロンターレは天皇杯で優勝したが、リーグ戦は8位とここ10年で最低の順位となった。さらに、これまでクラブのタイトル獲得に大きく貢献してきたFWレアンドロ・ダミアンが退団したことにより、エリソンにかかる期待はより大きいものになっている。

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