Jリーグに呼びたい? フリーで獲得可能な外国人10人。リーグ新記録を保持するストライカーやCL制覇経験者も

【写真:Getty Images】

 明治安田生命Jリーグは全日程を終え、オフシーズンに突入した。チームを去る選手がいれば、海外から新たにやってくる外国人選手もいるだろう。そこで今回は、23年末に現所属クラブと契約満了を迎えてフリーとなる可能性が高い外国人選手10人をピックアップして紹介する。
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●MF:ガディ・キンダ(イスラエル代表)
生年月日:1994年3月23日
今季所属:カンザス・シティ(MLS)
今季リーグ成績:20試合3得点6アシスト

 イスラエル代表として直近のユーロ(欧州選手権)予選でゴールを決めたガディ・キンダは、今季限りでカンザス・シティを退団する予定となっている。

 エチオピア出身の同選手だが、3歳の頃に移住したイスラエルでプロキャリアをスタートさせた。2020シーズンにMLSへと移籍してからの活躍は記憶に新しく、華麗なターンやアウトサイドパス、ミドルシュートなど自慢のテクニックで観客を魅了しつつ、多くのゴールに関与。今季もリーグ戦で9得点に直接絡んだ。

 これまでJリーグとイスラエル人選手は無縁だったが、2023シーズンにガンバ大阪に代表の主力選手であるネタ・ラヴィが加入して道が開けた。両者はともに現役のイスラエル代表選手であり、仮にオファーがあれば、何らかのアドバイスがネタ・ラヴィからもらえるかもしれない。

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●DF:エンリケ(元ブラジル代表)
生年月日:1986年10月14日
今季所属:コリチーバ(ブラジル)
今季リーグ成績:24試合0得点0アシスト

 エンリケは悪い意味でバルセロナファンの間で有名だ。2008年7月に800万ユーロ(約11.2億円)の移籍金で同クラブに加入をしたブラジル人CBだったが、一度もトップチームで出番を得られないまま退団となっている。

 それでもレバークーゼンやラシン・サンタンデールなどローン移籍したクラブで結果を残すと、ナポリ在籍時の2014年にはワールドカップに臨むブラジル代表メンバーに選出。キャリアを通じて、欧州で長くプレーをすることはできなかったが、母国開催のワールドカップに出場するという名誉を勝ち取った。

 37歳となった現在もトップリーグで活躍しており、今季はブラジル・セリエAで24試合に出場。この年齢から再び海外でプレーすることは考えにくいが、仮にオファーがあればJリーグ挑戦も選択肢の一つに入るかもしれない。

●FW:ハビエル・エルナンデス(元メキシコ代表)
生年月日:1986年2月5日
今季所属:ロサンゼルス・ギャラクシー(MLS)
今季リーグ成績:9試合1得点1アシスト

 かつてマンチェスター・ユナイテッドで元日本代表MF香川真司とホットラインを築いた、チチャリートの愛称で知られるハビエル・エルナンデスも今季終了後にフリーとなる選手の一人だ。

 20年1月にロサンゼルス・ギャラクシーに加入した元メキシコ代表FWは、2021シーズンは17ゴール、2022シーズンは18ゴールとさすがの決定力を見せつけていた。ゴールへの嗅覚の鋭さは相変わらずで、絶妙なタイミングでパスを受けてネットを揺らすお決まりの得点パターンは健在だ。

 今季は主将を務めるなど相変わらず主力選手としてプレーしていたが、6月に行われたラマー・ハント・U.S.オープンカップ準々決勝のレアル・ソルトレイク戦で、右膝の前十字靱帯を断裂。そのままシーズン終盤を迎えると、11月に今季限りでの退団が発表された。現在負っているこの怪我が完治するのが5月頃を予定されていることからも今すぐに新天地が見つかる可能性は低いが、Jリーグでプレーする姿を見てみたい選手の1人である。

●MF:アンドレアス・サマリス(元ギリシャ代表)
生年月日:1989年6月13日
今季所属:コリチーバ(ブラジル)
今季リーグ成績:4試合0得点0アシスト

 かつてアンドレアス・サマリスはベンフィカで大型ボランチとしてブレイクを果たし、一時は当時のクラブ記録でニューカッスルへの移籍が確実視されるほどの存在だった。

 そんな元ギリシャ代表は現在34歳を迎え、キャリアの下降線を辿っている。今年8月にギリシャ人選手としては異例のブラジル・セリエA挑戦を果たしたが、半年間で4試合しか出番を得ることができず。シーズン最終盤はベンチを温める日々が続いた。

 しかし、リオ・アベでプレーしていた2022/23シーズンはリーグ戦で24試合に出場するなど、怪我が多くて試合に出られないわけではない。2014年を最後に母国のリーグでプレーしていないことからも国外への意識が強いと思われ、2014年のブラジルワールドカップでギリシャ代表が対戦した日本行きの選択肢もあるかもしれない。

●FW:ルイス・スアレス(ウルグアイ代表)
生年月日:1987年1月24日
今季所属:グレミオ(ブラジル)
今季リーグ成績:31試合14得点11アシスト

 エールディビジ、プレミアリーグ、ラ・リーガという異なる3つのリーグで得点王に輝いた実績のあるルイス・スアレスは、来年の1月に37歳の誕生日を迎える。大ベテランと呼ばれる年齢に差し掛かっているが、その得点力は衰えていない。

 今年1月にブラジルのグレミオに加入すると、リーグ戦では31試合で14得点11アシストを記録。スアレス以外に二桁ゴール二桁アシストを達成しているのは、こちらも大ベテランとなった元ブラジル代表FWフッキしかおらず、若手らを差し置いてMVP級の活躍を披露している。

 スアレスはグレミオと1年契約しか結んでいないことから今冬での退団が濃厚だ。その実績からしてもJリーグで見たい選手の一人ではあるが、バルセロナ時代の盟友リオネル・メッシが所属するインテル・マイアミへの移籍が噂されている。同クラブはホセフ・マルティネスとの契約を延長しないなど、ウルグアイ代表FWを獲得するための準備を着実に進めており、バルセロナを数々のタイトルに導いたホットラインが久々に復活するかもしれない。

Jリーグに呼びたい? フリーで獲得可能な外国人(6)レアルの神童と呼ばれた男の10年後…

●FW:ヘセ・ロドリゲス(元スペイン代表)
生年月日:1993年2月26日
今季所属:コリチーバ(ブラジル)
今季リーグ成績:6試合1得点0アシスト

 10年前に彗星の如くレアル・マドリードのトップチームに昇格したヘセ・ロドリゲスだが、30歳となった現在は完全に伸び悩んでいる。

 2016年夏のパリ・サンジェルマン移籍後は全くと言ってよいほど結果を残せておらず、故郷のラス・パルマス以外ではレギュラー定着に至っていない。現在はデビュー当時の細身だった姿からはかけ離れており、昨季は半年間プレーしたサンプドリアで202分、今季は半年間プレーしたコリチーバで90分のみの出場とプレータイムすら確保できていないのが現状だ。

 これだけ試合に出られないとなれば、契約満了でコリチーバを退団するのが濃厚で、再びフリーの身となるだろう。知名度はあるだけに、仮にJリーグのクラブが獲得をすれば話題は呼ぶだろうが、戦力として計算するのは現実的に難しいだろう。歌手としても活躍するヘセの新天地はどこになるだろうか。

●FW:ヨー・インゲ・ベルゲット(元ノルウェー代表)
生年月日:1990年9月11日
今季所属:サルプスボルグ(ノルウェー)
今季リーグ成績:6試合3得点1アシスト

 髭がトレードマークのヨー・インゲ・ベルゲットは、キャリアを通じて7ヶ国でプレーした経験がある。そんな百戦錬磨の元ノルウェー代表FWは今冬にフリーとなるだろう。

 モルデ時代とカーディフ時代に母国のレジェンド、オーレ・グンナー・スールシャールのもとでのプレー経験があり、爆発的な得点力こそないが、前線であればどのポジションでもプレーできる万能性が魅力だ。一昨季には右SBとしても数試合に出場するなど、プレーの幅を広げている。

 今年1月にマルメを退団して以降、半年間フリーの期間が続いたが、7月末にサルプスボルグと契約をすると、6試合で3得点1アシストと結果を残してみせた。まだトップリーグでプレーできることを証明した33歳の万能型FWは次なる新天地でも重宝されることになりそうだ。

●FW:ホセフ・マルティネス(ベネズエラ代表)
生年月日:1993年5月19日
今季所属:インテル・マイアミ(MLS)
今季リーグ成績:27試合7得点1アシスト

 冬の移籍市場で争奪戦となりそうなのが、今季限りでインテル・マイアミを退団したホセフ・マルティネスだ。

 10代で赴いた欧州では特別な結果を残すことができなかったベネズエラ代表FWだが、2017年よりMLSに参入したアタランタ・ユナイテッドに加入すると才能が開花。2年目の2018シーズンには34試合でMLS新記録となる31ゴールを奪って得点王に輝くと、ポートランド・ティンバーズとのプレーオフ決勝で1得点1アシストの活躍を披露して同クラブの初優勝に大きく貢献した。

 2020年に膝の前十字靭帯断裂の大怪我を負って以降は得点数が伸び悩んでおり、2021シーズンは12ゴール、2022シーズンは9ゴール、2023シーズンは7ゴールと減少傾向にある。それでもMLS通算161試合で105得点を奪った得点力は本物で、現在30歳という年齢を考えても老け込む年ではない。

 ぜひともJリーグで見たい選手の一人だが、すでに移籍の噂が立っている。その一つが自身もMLSで選手、監督の経験があるウェイン・ルーニー率いるバーミンガム・シティへの移籍だ。現時点での信憑性は不明だが、このベネズエラ代表FWが世界中のクラブから引っ張りだことなることは間違いないことだろう。

●FW:ドウグラス・コスタ(元ブラジル代表)
生年月日:1990年9月14日
今季所属:ロサンゼルス・ギャラクシー(MLS)
今季リーグ成績:19試合4得点7アシスト

 カットインドリブルからのシュートでお馴染みのドウグラス・コスタは、今季のMLSが閉幕する直前の10月からフリーの状況が続いている。

 かつてバイエルン・ミュンヘンやユベントスでも活躍した元ブラジル代表FWは、昨季途中よりロサンゼルス・ギャラクシーでプレー。今季も19試合で4得点を記録し、7アシストはチームトップの成績だった。

 しかし、10月に契約を解除して無所属に。移籍情報に通じているファブリツィオ・ロマーノ氏によると、サウジアラビアへの移籍の可能性が報じられていたが、現時点では契約締結には至っていない。現在33歳と他のフリーとなる選手と比較をしても若く、今季の成績を見る限り、まだトップレベルでもやれるだろう。欧州への復帰の可能性も含めて、多くのクラブの間で争奪戦になりそうだ。

●FW:ビリー・シャープ(イングランド)
生年月日:1986年2月5日
今季所属:ロサンゼルス・ギャラクシー(MLS)
今季リーグ成績:12試合6得点1アシスト

 イングランド2部相当に該当するEFLチャンピオンシップの歴代最多となる130ゴールを決めているビリー・シャープも今冬にフリーとなる。

 身長は175cmと決して大柄ではないが、クロスに入る動きが抜群に上手く、ゴール前で結果を残す仕事人タイプのFWだ。キャリアを通して2度も1シーズンで30ゴールを決めた実績があり、これまで所属してきたほとんどのクラブでエースとして活躍してきた。

 今夏にシェフィールド・ユナイテッドを退団し、ロサンゼルス・ギャラクシーに加入すると、12試合で6ゴール1アシストと37歳とは思えない得点力を披露。特に圧巻だったのがミネソタ・ユナイテッド戦で、ハットトリックを達成してチームの逆転勝利の立役者となった。

 これだけの活躍を披露しながら今冬にロサンゼルス・ギャラクシーを退団することは確実で、現在はハリウッド俳優ライアン・レイノルズが保有するリーグ2(イングランド4部相当)のレクサムへの移籍が噂されている。EFLで数々の伝説を残してきた百戦錬磨のストライカーは、半年ぶりに母国へと帰還するのだろうか。それとも今夏のアメリカ移籍に続いて、再び国外への挑戦を決断するのだろうか。

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