次はどこへ? 契約満了になったJリーガー10人。JリーグMVPや元サッカー日本代表も

【写真:Getty Images】

 Jリーグの2023シーズンは全日程が終了した。各クラブは今後に向けて、チームの再編成を始めており、選手の去就に関する話題も増えており、すでに正式発表されたものもある。今回は、今季で所属クラブとの契約が満了した選手を10人紹介する。※情報は15日時点。
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●FW:レアンドロ・ダミアン

生年月日:1989年7月22日(34歳)
2023所属クラブ:川崎フロンターレ
2023リーグ戦成績:12試合3得点1アシスト

 レアンドロ・ダミアンは、2009年から13年にかけて在籍したインテルナシオナウで活躍し、ブラジル代表を経験。2012年ロンドン五輪では大会得点王になった。

 そんな世界的なFWが日本にやってきたのは、2019年だった。Jリーグ1年目は完全なレギュラーではなかったものの、2年目の途中からゴールを量産し、3年目の2022シーズンには23得点を挙げて得点王となり、川崎フロンターレのリーグ制覇に貢献した。さらに、年間MVPにも選ばれている。

 翌2022シーズンからは負傷離脱が多く、コンスタントに出場できず。川崎Fにとって偉大な助っ人だったが、契約満了で今年限りでの退団が発表されている。

  ブラジルメディアの『レビスタ・コロラダ』は今月10日、「レアンドロ・ダミアンは今後の状況を分析中。サンパウロなどが契約を検討している模様だ」と伝えていた。34歳のベテランアタッカーは、母国に戻って現役を続ける可能性が高いとみられている。

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●DF:丸橋祐介

生年月日:1990年9月2日(33歳)
2023所属クラブ:セレッソ大阪
2023リーグ戦成績:なし

 2003年にセレッソ大阪の下部組織に加入した丸橋祐介は、2009年にトップ昇格し、その後C大阪一筋のキャリアを過ごしてきた。

 丸橋は、正確な左足を武器として主に左サイドバックで活躍してきたが、2022シーズンに出番が激減。左ひざの手術による長期離脱も経験すると、2023シーズンはタイのパトゥム・ユナイテッドに期限付き移籍で加わり、6月に復帰したが、C大阪に戻ったあとは出番がなく、契約満了で退団が決まっている。

 今季のクラブ公式サイトのインタビューで丸橋は、「残りのサッカー人生で成し遂げたいことは、もうリーグ優勝しかありません。これまでルヴァンカップと天皇杯では優勝できたので、あとはもうリーグ優勝だけ。現役の間にセレッソでリーグ優勝したいです」と話していたが、これは叶わず。後輩に想いを託すことになった。

 C大阪では丸橋に加えて、マテイ・ヨニッチの退団が発表されている。2017年にルヴァンカップと天皇杯の優勝したときの主力たちが去ることは、クラブにとって大きな変化と言えそうだ。

●FW:都倉賢

生年月日:1986年6月16日(37歳)
2023所属クラブ:V・ファーレン長崎
2023リーグ戦成績:22試合1得点1アシスト

 都倉賢は、2005年に川崎フロンターレでプロデビュー。ザスパクサツ群馬在籍時の2009シーズンのJ2では、セレッソ大阪の香川真司に次ぐ得点ランク2位となる23得点を挙げた。

 2014年から18年にかけて在籍した北海道コンサドーレ札幌では、171試合に出て67ゴールを記録するなど活躍。19年から2シーズンにわたってセレッソ大阪でプレーしたあと、2021シーズンにV・ファーレン長崎に加入した。1年目は37試合で7得点5アシスト、2年目は27試合で3得点4アシスト、3年目の今年は22試合で1得点2アシストと、年を追うことに出場時間も得点数も減少していき、187cm・80kgというフィジカルを武器に前線で身体を張る都倉の姿を見る時間は少なくなっていった。

 長崎から契約満了が発表された際のコメントで都倉は、クラブへの感謝を伝えると同時に、「引き続きチャレンジ精神を持って、誰よりも自分のことを自分が信じて、これからも大好きなサッカーを続けていきたいと思っています」と述べ、現役を続ける意思を明言。実際、日本プロサッカー選手会が実施しているトライアウトにも参加しており、次のクラブを探している。

●MF:神谷優太

生年月日:1997年4月24日(26歳)
2023所属クラブ:清水エスパルス
2023リーグ戦成績:22試合3得点3アシスト

 東京ヴェルディの下部組織で育った神谷優太は、高校2年時に青森山田高校に編入し、2016年に湘南ベルマーレでプロデビュー。2017年には最終的に落選したものの、U-20ワールドカップに出場するU-20サッカー日本代表の候補にもなった。

 2020年から所属した柏レイソルでは、デビューシーズン以来となるJ1でのプレーを経験。その後、2022シーズンに清水エスパルスに加入した。しかし、期待されたほどの活躍はできず、1年目はJ2降格を経験。今季は昇格プレーオフ末にJ1復帰を逃す悔しいシーズンとなった。

 神谷はプレーオフ決勝の東京V戦に83分から途中出場。1点リードという状況で投入され、時間を使うというタスクをこなそうとしたものの、これが裏目に出てしまった。アディショナルタイムに神谷がボールを奪われたところから速攻を浴び、同点弾となるPK献上につながってしまった。その後、PK戦で清水が昇格を逃したことは、悔いが残っているかもしれない。

 クラブからの契約満了発表の中で神谷は「清水でJ1昇格し、皆さんとたくさんの喜びを分かちあいたかったです。それが叶わない現実をすごく残念に思っています」とコメントしていた。

●FW:アレックス・シャルク

生年月日:1992年8月7日(31歳)
2023所属クラブ:浦和レッズ
2023リーグ戦成績:7試合2得点1アシスト

 オランダ人のアレックス・シャルクは、母国のNACブレダで育った。スコットランドやスイスでのプレーを経験して、2022年に浦和レッズに加入している。

 シャルクは鋭い動きでマークを外してゴールにつなげることができるアタッカー。171cmと上背がないものの、身体の使い方がうまく、大柄な相手DFを背負ったプレーもこなせる器用さがある。技術を活かしてサイドから仕掛けることもできるため、前線の複数ポジションをこなせる選手だ。また、前線からの守備はアグレッシブで、闘争心を前面に出して戦う姿勢もファンに受け入れられていた。

 ただ、浦和では小さな負傷を繰り返し、Jリーグの出場は2シーズンで19試合にとどまった。今季リーグ戦では173分間で2得点1アシスト。あまりにも稼働時間が短く、契約満了で退団が決まっている。

 現時点でシャルクの今後は未定。母国オランダの報道でもクラブワールドカップに出場するオランダ人選手の一人として取り上げられており、去就が明らかになるのは大会後となりそうだ。

●DF:丸山祐市

生年月日:1989年6月16日(34歳)
2023所属クラブ:名古屋グランパス
2023リーグ戦成績:16試合1得点0アシスト

 丸山祐市は、2012年にFC東京でプロとしてのキャリアを始めたが、なかなか出場機会に恵まれず、2014年に期限付き移籍した湘南ベルマーレで主力として活躍した。その後はFC東京に復帰してレギュラーとなり、2016年にはサッカー日本代表でもプレーした。2018シーズン途中に名古屋グランパスに加入している。

 当時の名古屋は、クラブとして厳しい時期を過ごしていた。丸山が加入した7月時点でチームは最下位。そこから順位を上げて、J1残留に貢献した。加入後すぐに守備を支える存在になった丸山は、気持ちの面でもチームの柱となり、2019シーズンからキャプテンを務めている。

 しかし、2021年5月のJ1第14節・清水エスパルス戦で右ひざ前十字じん帯部分損傷および内側側副じん帯損傷の重傷で長期離脱になると、2022年4月に復帰して主力に戻ったものの、今季は16試合で821分間の出場にとどまり、契約満了でクラブを去ることが決まっている。

 丸山の契約満了発表は11月27日で、シーズン終了前のことだった。発表の中で丸山は「最終節を前に発表の許可をいただいたクラブにはこの場を借りて感謝を伝えたい」と述べている。クラブとしても、功労者に最終節・柏レイソル戦でファンに別れのあいさつをする機会を与えたかったという気遣いがあったことがうかがえる。

 経験豊富でリーダーシップも取れる丸山。興味を持つクラブがすでに動いていても不思議ではないだろう。

●FW:渡邉千真

生年月日:1986年8月10日(37歳)
2023所属クラブ:松本山雅FC
2023リーグ戦成績:20試合2得点0アシスト

 渡邉千真は名門・国見高校の出身で、早稲田大学に進学したのち、2009年に横浜F・マリノスでプロに。デビューシーズンに13ゴールを挙げて、Jリーグ新人王に選ばれた。2010年にはサッカー日本代表デビュー。その後はFC東京、ヴィッセル神戸、ガンバ大阪、横浜FCと、Jリーグの様々なクラブで活躍し、今年から松本山雅FCに加入していた。

 類い稀なシュートセンスと、万能さで多くのゴールを決めてきた渡邉。キャリア初のJ3となった今季は、先発出場が6回で途中出場で14回と、短い時間のプレーが多く、リーグ戦のゴール数はキャリアワーストの2得点にとどまった。松本山雅FCは2023シーズンのJ3を9位で終えており、1年で契約満了となっている。

 これまでに新天地になり得るクラブの噂は聞こえてこない渡邉。2021シーズンにJ1、22シーズンにJ2、23シーズンにJ3ときている。37歳のベテランは、どのような決断をするのだろうか。

●MF:アルトゥール・カイキ

生年月日:1992年6月15日(31歳)
2023所属クラブ:鹿島アントラーズ
2023リーグ戦成績:13試合2得点0アシスト

 ブラジル人のアルトゥール・カイキは、2021シーズンから鹿島アントラーズでプレーしていたMF。Jリーグ1年目はコロナ禍で来日が遅れたこともあり、リーグ戦14試合の出場で5得点という成績だった。2年目は29試合に出て9得点と活躍したものの、2023シーズンはなかなか出場機会に恵まれず、13試合に出て2得点というさみしい結果に終わった。

 カイキはフィジカルが強く、スピードもあり、鹿島の攻撃のオプションとなった。174cmと大柄ではないものの、身体能力とポジションセンスを活かして空中戦でも強さを発揮した。ピッチに立てば結果を残せる選手として、多くのファンに信頼されていた印象だ。

 それでも、助っ人外国人には主力としてピッチに立って欲しいというのがクラブ側の願いだろうか。契約満了で退団が決まっている。

 カイキの妻は日系三世。クラブ公式サイトのインタビューで「『日本からオファーがあればいいのに』と家族で話していた。その直後に、アントラーズからのオファーが届いたのでビックリしたし、大きなサプライズだった」と述べ、Jリーグでのプレーが夢だったと話していた。

●DF:藤春廣輝

生年月日:1988年11月28日(35歳)
2023所属クラブ:ガンバ大阪
2023リーグ戦成績:2試合0得点0アシスト

 藤春廣輝は、2011年に加入したガンバ大阪一筋で13年間プレーしてきたが、ついに別れの時がきた。

 左サイドバックの藤春は、1年目の終盤に下平匠からポジションを奪い、以後レギュラーに定着。抜群のスピードと前への推進力、左足のキックの精度を武器に、G大阪で不動の存在となった。2014シーズンの3冠達成に貢献するなどJリーグで活躍を続けると、2015年にはサッカー日本代表にも呼ばれ、2016年にはリオデジャネイロ五輪にオーバーエイジ枠で出場している。

 どんな状況でも懸命に左サイドで走り続ける藤春は、G大阪ファンの人気も抜群。苦楽を共にしたこともあって、厚い信頼があった。ただ、今季はリーグ戦の出場がわずか2回。多くのファンが予想していたとおり、今季限りでの退団が決まっている。

 藤春は11月28日に35歳の誕生日を迎えた。G大阪一筋のレフティーは、どこへ行くのだろうか。

●MF:ルーカス・フェルナンデス

生年月日:1994年4月24日(29歳)
2023所属クラブ:北海道コンサドーレ札幌
2023リーグ戦成績:22試合0得点0アシスト

 ブラジル人のルーカス・フェルナンデスは、2019シーズンに北海道コンサドーレ札幌に加入した。Jリーグ1年目からレギュラーとしてプレーし、J1・139試合に出場。これは外国籍選手としてクラブ史上最多のJ1通算出場試合数で、クラブの歴史に残る助っ人の1人になるだろう。

 鋭いドリブル突破と献身的な守備が持ち味のルーカス・フェルナンデスは、ファンからも愛された。ケガで出遅れたものの2023シーズンも重要な選手だったため、契約延長オファーがなかったとは考えにくい。そうなると、他クラブから魅力的な話があると考えるのが自然な流れで、これから動きがあるかもしれない。

 クラブからの発表の中でルーカス・フェルナンデスは「私は本当に幸せ者だったと思っております!これからは別の道を歩んでいくことになりますが、コンサドーレの幸運を祈っております!」と述べていた。

 札幌はミラン・トゥチッチの退団も発表済み。新たな助っ人に誰を連れてくるかにも注目が集まりそうだ。

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