争奪戦必至!?J3で輝く逸材10人。J1とJ2も狙う?必見のステップアップ候補たち

【写真:Getty Images】

●FW:南野遥海(みなみの・はるみ)

 J3リーグは、かつてJ1にいた松本山雅FCやJ2にいたFC岐阜なども苦戦するほどタフな舞台で、湘南ベルマーレFW福田翔生やポルトガルのファマリカンMF行友翔哉など、シーズン中にステップアップした選手もいる。今回は、今オフに争奪戦になるであろうJ3クラブ所属のブレイク候補10人を紹介する。※情報は11月22日時点

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所属クラブ:テゲバジャーロ宮崎
生年月日:2004年5月13日(19歳)
2023リーグ戦成績:36試合9得点4アシスト

 ガンバ大阪からの期限付き移籍でテゲバジャーロ宮崎でプレーする南野遥海は、U-15、U-16、U-17日本代表を経験している逸材だ。G大阪ジュニアから順調にトップチームまで駆け上がると、2種登録選手として2022年5月14日に行われたJ1第13節の柏レイソル戦でトップチームデビューを果たした。

 2023年は正式にトップチームに昇格するとともに、宮崎に期限付き移籍。Jリーグ加入3年目のチームにとっては、J1と年代別日本代表を経験している貴重な選手である。

 迫力のあるドリブルと左足から繰り出されるシュートは南野の武器だ。主戦場はセンターフォワードで、ドリブルに加えてポストプレーもできる万能型レフティー。右サイドでも起用されることもあり、前を向かせると非常に危険な選手である。まだ19歳と若く今後の活躍が期待される。J3での経験を経て、いつか日の丸を背負う姿を見てみたい。

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●DF:新保海鈴(しんぼ・かいり)

所属クラブ:いわてグルージャ盛岡
生年月日:2002年8月16日(21歳)
2023リーグ戦成績:35試合1得点8アシスト

 元サッカー日本代表DF田中隼磨を父親に持つ新保海鈴は、レノファ山口FCからの育成型期限付き移籍でいわてグルージャ盛岡でプレーしている。実父の田中とJリーグ史上初の選手同士の親子対決が実現する可能性があったが、実現することはなく、田中は2022シーズンを最後に松本山雅FCで引退している。

 柏レイソルの下部組織出身である新保は、高校進学時にセレッソ大阪ユースに加入。2種登録された2020年は、当時J3に参戦していたC大阪U-23チームで出場機会を得ていた。2021シーズンに山口に加入し、2022シーズンは育成型期限付き移籍でテゲバジャーロ宮崎にプレーの場を移すと、27試合に出場し、1得点3アシストを記録した。今季からプレーするいわてでは、期限付き移籍ながら、開幕から第35節までスタメン出場しており、主力として活躍している。

 左右こそ異なるが、父と同じサイドバックを主戦場とする新保は、足元の技術に優れており、精度の高いキックが持ち味。推進力もあり、最終ラインから積極果敢に上がり、左サイドからチャンスを量産する。J3で出場機会を重ねる21歳DFの更なる飛躍が期待される。

●MF:道本大飛(どうもと・ひろと)

所属クラブ:Y.S.C.C.横浜
生年月日: 1998年12月6日(24歳)
2023リーグ戦成績:25試合2得点6アシスト

 Y.S.C.C.横浜に所属する24歳の道本大飛は、すでに海外でのプレー経験がある逸材だ。川崎フロンターレU-18に在籍していた道本は、関東学院大学に進学。大学卒業後にオーストリアのSVフェルトバッハでのプレーを経験し、帰国後にY.S.C.C.セカンドへ加入した。

 今季からY.S.C.C.のトップチームでプレーすることになり、2023年4月30日に行われたJ3第8節のFC今治戦でJリーグデビュー。好調だったチームを支え、同年7月30日の第20節FC岐阜戦でJリーグ初ゴールを記録している。

 シャドーや2トップの一角でプレーする道本の特徴は鋭いドリブルだ。左サイドでプレーすることが多く、縦へのドリブル突破は迫力がある。縦への突破から精度の高いクロスを繰り出し、中へのカットインからのシュートも持っている。前を向いてボールを持たせたくない選手だ。

 Y.S.C.C.からは今季途中にチーム得点王だった福田翔生が湘南ベルマーレへ移籍。ステップアップを果たした後輩の姿を近くで見ていた道本は、次は自分だと思っていることだろう。福田に続く飛躍を遂げることができるか。

●FW:松岡大智(まつおか・だいち)

所属クラブ:カターレ富山
生年月日:1999年1月23日(24歳)
2023リーグ戦成績:35試合2得点6アシスト

 松岡大智は地元クラブであるカターレ富山U-15に在籍していたが、高校時代にはセレッソ大阪U-18でプレー。2種登録選手としてC大阪のトップチームに登録され、U-23チームでJリーグデビューを果たしたのは中学時代に過ごした富山との試合だった。

 松岡はC大阪のトップチームには昇格できず、国士舘大学に進学。同大学では背番号10を背負うことになる。2021シーズンから富山に加入し、地元クラブへ戻る。加入1年目はリーグ戦わずか5試合の出場にとどまったが、2022シーズンは20試合に出場し、1得点6アシストを記録した。今季はここまで35試合に出場し、2得点6アシスト。昇格を目指すチームの主力として活躍している。

 緩急をつけたドリブルと左足からのキックは松岡の武器だ。右サイドハーフやFWとしてプレーし、カットインからもゴールを狙える。残り2試合で3位に位置している富山のキープレイヤーであることは間違いない。

●FW:小松蓮(こまつ・れん)

所属クラブ:松本山雅FC
生年月日:1998年9月10日(25歳)
2023リーグ戦成績:34試合19得点4アシスト

 松本山雅FCのエースである小松蓮は、現在J3で得点ランキングトップの19得点を記録している。リーグ屈指の決定力を誇るFWの争奪戦がこのオフに繰り広げられることになるかもしれない。

 松本の下部組織出身である小松は2016年にトップチームに登録されたが、正式昇格には至らず。2017年に産業能率大学へ進学。U-19、U-20日本代表を経験すると、AFC U-23選手権(AFC U-23アジアカップ)に臨むU-21日本代表にも選出されている。

 確実にステップアップしていく小松は、2018シーズンより松本へ加入することになった。2019年にはツエーゲン金沢に期限付き移籍。同年3月9日に行われたJ2第3節の東京ヴェルディ戦でプロ入り後初先発で初ゴールを記録した。その後、レノファ山口FCへの2年間の期限付き移籍を経て、2022シーズンから松本へ復帰することとなった。

 小松の空中戦の強さはJ3でもトップクラス。19得点中9得点がヘディングでの得点で、これはリーグトップの数字だ。ゴール前では冷静さを見せ、シュート精度は抜群である。守備でも前線での積極的なプレスでチームに貢献する。飛躍の時を迎えているゴールハンターに注目すべきだ。

●FW:ブラウン・ノア賢信(ぶらうん・のあ・けんしん)

所属クラブ:アスルクラロ沼津
生年月日:2001年5月27日(22歳)
2023リーグ戦成績:35試合12得点7アシスト

 ブラウン・ノア賢信は横浜F・マリノスでのプレー経験もある22歳のFWだ。U-15、U-16、U-17日本代表を経験しており、上のカテゴリーを目指すアスルクラロ沼津にとっては貴重な選手であるだろう。

 カナダ・モントリオール出身のブラウン・ノアは横浜FMユースに在籍していた。2019年にトップチームに2種登録されると、同年3月13日のルヴァンカップ・グループステージ第2節の湘南ベルマーレ戦でデビューした。翌年には横浜FMのトップチームに正式昇格となり、同時にカマタマーレ讃岐へ期限付き移籍。2021年に水戸ホーリーホックへ完全移籍を果たす。しかし、J2での出場は11試合にとどまり、シーズン途中に沼津へ期限付き移籍となった。

 沼津への完全移籍に移行して迎えた2022シーズンは29試合に出場するも、2得点に終わってしまった。そして、今季はここまでキャリアハイの12得点を記録。得点ランキングも現在4位につけている。アシスト数も7に伸ばしており、沼津の攻撃陣を牽引していると言えるだろう。

 ブラウン・ノアは189cmという長身を活かした空中戦やポストプレーが武器ではあるが、スピードもあり、ドリブルも得意な選手だ。決定的なパスでチャンスメイクもできる。日本にはいないタイプのFWであるため、今後の活躍次第では今後のA代表選出も夢ではないだろう。

●MF:窪田稜(くぼた・りょう)

所属クラブ:FC岐阜
生年月日:2001年1月5日(22歳)
2023リーグ戦成績:35試合8得点6アシスト

 FC岐阜でプレーする窪田稜はパリ五輪世代のMFだ。成立学園時代の2018年にツエーゲン金沢の特別指定選手に登録され、翌シーズンから同クラブへ正式に加入。1年目は11試合に出場した。翌年は32試合に出場し、1得点5アシストを記録している。

 窪田の2021シーズンは金沢で4試合の出場にとどまり、シーズン途中にFC岐阜へ期限付き移籍となる。FC岐阜への完全移籍に移行して迎えた今季は主力として活躍し、キャリアハイの8得点6アシストを記録している。

 右サイドでプレーすることが多い窪田の特徴は正確無比なキックだ。特にクロス精度は抜群で、サイドから決定機を演出する。決定力も増しており、攻撃の要としてFC岐阜には必要不可欠な選手である。22歳という若いこともあり、このオフに争奪戦となるかもしれない。

●FW:古川大悟(ふるかわ・だいご)

所属クラブ:FC大阪
生年月日:1999年9月15日(24歳)
2023リーグ戦成績:33試合9得点4アシスト

 FC大阪に所属する古川大悟は、U-18日本代表の経験がある24歳のFWだ。ジェフユナイテッド市原・千葉の下部組織出身で、2017年に同クラブに2種登録され、同年6月の天皇杯2回戦・東京ヴェルディ戦で公式戦初出場を果たしている。さらに同年7月にはJリーグ初出場も記録している。

 2018年よりジェフ千葉のトップチームへ正式に昇格したが、その後出場機会を得ることができず。2019年にJFLのヴィアティン三重へ育成型期限付き移籍。三重で2年間を過ごした後、2021年に当時JFL(現J2)のいわきFCへ完全移籍となる。JFLで30試合に出場し、チーム得点王の11得点を記録すると、JFLベストイレブンに選出された。

 翌年のJ3では22試合に出場し、3得点1アシストを記録。いわきのJ3優勝とJ2昇格に貢献している。完全移籍で加入したFC大阪では今季33試合の出場で9得点4アシストの活躍。J3初年度で躍進しているチームの攻撃を支えている。

 FC大阪では2トップの一角としてプレーすることが多いが、いわき時代はセカンドストライカーの役割をこなしていた。前線でボールを保持し、起点を作るというよりはセカンドボールを積極的に拾い、運動量でチームを助ける。JFL、J3、J2でのプレー経験を持つストライカーがトップカテゴリーでプレーする日は近いのかもしれない。

●FW:ンドカ・チャールス

所属クラブ:FC岐阜
生年月日:1998年8月8日(25歳)
2023リーグ戦成績:35試合7得点1アシスト

 横浜FCのDFンドカ・ボニフェイスの実弟であるンドカ・チャールスは現在、FC岐阜でプレーしている。ナイジェリア人の父親と日本人の母親を持つチャールスは、明秀日立から城西大学に進学。その後、2021年にY.C.C.C.横浜へ加入することになった。

 チャールスは当時のY.C.C.C.横浜の監督であるシュタルフ悠紀リヒャルト氏に見出され、ルーキーながら2021シーズン開幕戦のカターレ富山戦でスタメン出場を果たし、Jリーグデビュー。第2節の福島ユナイテッドFC戦でJリーグ初ゴールを決めている。

 2022シーズンからFC岐阜でプレー。同年は27試合に出場し、7得点3アシストを記録した。今季は昨季の出場数を上回り、7得点。周りとの連携も良くなってきた様子で、得点数が伸びたのも納得だ。

 身体能力の高いチャールスはフィジカルも強く、足元の技術にも定評がある。ポストプレーでは足元でボールを収めることができる。さらにはスピードもあり、自ら持ち込むドリブルも得意で、FWに必要な能力を兼ね備えている。兄・ボニフェイスの背中を追い、今後も躍動できるか注目だ。

●MF:谷本駿介(たにもと・しゅんすけ)

所属クラブ:愛媛FC
生年月日:2001年3月7日(22歳)
2023リーグ戦成績:29試合2得点3アシスト

 愛媛FCでプレーする谷本駿介は、関西福祉大学初のJリーグ選手だ。セレッソ大阪の下部組織出身である同選手は、U-16日本代表にも選出された経歴を持っている。関西学生リーグ1部では1年生の時に新人賞を受賞。3年生の時には同2部で、4年生の時には1部でアシスト王を獲得している。関西リーグ屈指のMFだった。

 大学1年時から輝かしい成績をおさめていた谷本は、2023年に愛媛に加入。3月12日に行われたJ3第2節のAC長野パルセイロ戦でJリーグ初ゴールを決めている。

 今季序盤は途中出場が多かった谷本だったが、第6節のFC岐阜戦からスタメン出場が増え、現在は主力に定着。ボランチでプレーする同選手は、チームの心臓としてJ3優勝とJ2昇格に大きく貢献した。

 谷本は豊富な運動量と優れたテクニックを持つMF。遠目からのシュートも武器で、8月26日のカマタマーレ讃岐戦でのミドルシュートは8月度の月間ベストゴールに選出されている。プロ1年目でいきなりタイトル獲得に貢献した22歳の今後の活躍に期待したい。

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