ボカのリケルメ会長が衝突する警察とサポーターに対峙 「私が前に立つ必要があるなら…」
23日に行われたコパ・アルヘンティーナ準々決勝ボカ・ジュニオルスとヒムナシアの一戦で、両チームサポーターと警察部隊が衝突。それを収めるために観客席に降り立ったボカのフアン・ロマン・リケルメ会長が24日にアルゼンチンメディア『Radio 10』で自ら催涙スプレーやゴム弾が飛び交う現場に向かった理由などを語った。
この試合は1-1のドローで90分が終了。規定により延長戦を挟まずに行われたPK戦をボカが2-1で制し準決勝進出を決めた。
中立地の試合会場では両サポーターエリアの間に緩衝地帯が設けられたが、後半開始直前に一部サポーターが相手サポーターエリアに物を投げるなどの挑発行為を開始。更にバリケードを突破しようとする動きも見せる者も出た。そんななか、警官がゴム弾や催涙スプレーをサポーターに発射すると、観客席で大きな混乱が発生。両チームの選手がサポーターに対し落ち着くよう求めるジェスチャーを見せるも、騒動は収まらず悪化の一途をたどっていった。
すると貴賓席にいたリケルメ会長が観客席に降り立ち、自らボカの過激サポーター集団と対峙。警官が噴射した催涙スプレーが舞うなか、警察に反抗するボカサポーターを制止しながら、暴力を止めるよう説得。また、警察部隊にはゴム弾の発射など強い鎮圧行為を控えるよう求めた。
その結果、騒動は沈静化。後半が開始され、PK戦の末ボカが勝利を収めた。
リケルメ会長は「ハーフタイムに誰もが目撃したあの出来事が起こった。私は状況を上から見ていた。状況が悪化していったので、降りることにした。私は自分のクラブのサポーターだ。そして自分のクラブ、そこに関わる人々を愛している」と自ら騒動の現場に向かった理由を説明。
続けて「私たちは『これはスポーツなんだ』ということを理解してもらうために、常にサポートする必要があると感じている。様々なチームのサポーターの行為を批判するのは簡単だ。また、警察を批判するのも簡単だ。けれど、私たちは彼らに感謝しなければいけない。私が降りて彼らに話しかけたら、子供や女性がその場にいることを理解し、サポーター集団は落ち着くように人々に促してくれた。また、警察はゴム弾を使用したことを謝罪してくれたよ」と短絡的にサポーターや警察を批判すべきでないという自身の考えを示した。
なお、この衝突では、ボカサポーターの男性がリケルメ会長に抱きつき、その後、同氏を紛争地帯から引き離そうとする映像がテレビカメラに収められていた。そのことについてリケルメ会長は「あの男性は私に『ここから離れてください。あなたが傷つけられますよ』と言ってくれた。素晴らしいよね。ボカサポーターは私に対して信じられないほど良くしてくれる」と回想。続けて、「サポーターにひどいことが起きないよう、私が前に立つ必要があるなら、私は毎日そうする。だってそれが私の人生の一部なのだから」と、会長としての責務を語った。
【動画】コパ・アルヘンティーナ準々決勝ボカ・ジュニオルス対ヒムナシアのハイライト
10/25 22:53
サッカーキング