34歳での引退発表から1カ月…シュチェスニーが電撃復帰へ、正守護神不在のバルサ加入が決定的に

ヴォイチェフ・シュチェスニー

 昨季限りで現役を引退した元ポーランド代表GKヴォイチェフ・シュチェスニーがバルセロナに加入する可能性が高まっているようだ。複数の現地メディアが報じている。

 バルセロナは23日、ドイツ代表GKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンの負傷を発表。22日に行われたラ・リーガ第6節ビジャレアル戦(○5-1)の前半途中に負傷したテア・シュテーゲンは、検査の結果、右膝の膝蓋腱を完全断裂したことが明かされた。同メディアによると、離脱期間は8カ月間から最大で1年間にも及ぶ見込みで、2024-25シーズン中の復帰は絶望的と見られている。

 このような状況のなか、バルセロナは25日にラ・リーガ第7節ヘタフェ戦を控えている。同試合ではスペイン人GKイニャキ・ペーニャが先発する可能性が濃厚だが、その前日会見にて、バルセロナを率いるハンジ・フリック監督は「イニャキはとてもよくやってくれている。第2GKであるにもかかわらず、常に最高の状態を保ってくれているんだ。我々は彼を信頼している」とその姿勢を称賛。一方で、「我々に用意された選択肢のなかから検討するつもりだ」とも明かしており、新たにテア・シュテーゲンの代役を獲得する可能性も否定しなかった。

 この会見の後、デコSD(スポーツディレクター)やホセ・デ・ラ・フエンテGKコーチと意見を交換し、可能な限り早く即戦力となるGKを獲得する方針が定まったという。その代役は既に2名に絞られており、元コスタリカ代表GKケイラー・ナバスとシュチェスニーの2名のようだ。前者はレアル・マドリードで前人未到のチャンピオンズリーグ(CL)3連覇を成し遂げた際の正GKで、パリ・サンジェルマン(PSG)でも活躍するなど実績は十分。後者もアーセナルで正GKを務めたことがあるほか、ユヴェントスではセリエAとコッパ・イタリアで3度の優勝を経験しており、申し分ない経歴を誇っている。

 今回、スペインのTV番組『エル・チリンギート』が報じたところによると、シュチェスニーはまもなくバルセロナの選手として現役復帰を果たすことが決定的になったという。その後、スペインメディア『Relevo』もシュチェスニーがバルセロナからのオファーに対してYESと返したと報道。複数回の猛アプローチの末、自身のスパイクを脱ぐ決断を撤回した模様だ。

 なお、『Relevo』によると、シュチェスニーの意思は固まったとはいえど、正式な契約締結までにやるべきことは残されているという。それは、前所属先であるユヴェントスとの契約だ。シュチェスニーは契約が2025年6月30日まで残っていながら、今夏に現役を引退するために、1年間前倒しで契約を解除した。その際の条件として、シュチェスニーの意思が変わって現役復帰を果たす場合、ユヴェントスに対して一定の金額を支払う項目が存在していたとのこと。この金額をめぐっての交渉が存在するために、現在も交渉は続いていると伝えられた。

 一方で、支払い方法は多様に用意されているため、バルセロナにとっては大きな障壁にはならない可能性が高そう。テア・シュテーゲンの負傷により、ラ・リーガの選手登録が解除されたため、新たに選手を登録する際の問題も今回は発生しないと見られている。

 また、スペインメディア『ムンド・デポルティーボ』はシュチェスニーへの取材で得たコメントを紹介している。「マルクは良き友人だし、素晴らしいGKであることも知っている。彼の一刻も早い復帰を願っている。現時点で僕は言えるのはそれだけだ」と発しており、バルセロナへの加入に関しては明言を避けた。

 GKとしては若い34歳での現役引退発表からおよそ1カ月が経ったが、シュチェスニーは電撃復帰を果たすこととなるのだろうか。今後の動向に注目だ。

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