J3→J2→29歳で掴んだJ1舞台、東京V千田海人「出て終わる選手になりたくない」

千田海人

 20日に行われた明治安田J1リーグ第9節で川崎フロンターレ東京ヴェルディが対戦。スコアレスドローに終わった。

 昇格組の東京Vは開幕から8試合を終えて毎試合得点するものの、失点も喫する試合が続いていたが、今節ようやく無失点で試合を終えた。この試合では前節負傷交代の谷口栄斗に代わって、千田海人がセンターバックの一角として先発。初のJ1の舞台でクリーンシートに貢献した。

 試合後、千田は「この時を今年は待っていました。いい準備をしてきた自信はあったので、それを今日しっかり公式戦で出せればと思っていたので。まず今日はゼロで抑えられたことが収穫ですし、僕が出ている意味だと思うので、勝ちたかったですけど、ゼロに抑えたことを収穫に、また来週の試合に向けて引き続き良い準備したいと思います」と、初のJ1の舞台を噛み締めつつ、気を引き締めている。

 谷口の負傷もあって出番が回ってきた形となった千田だが、「(谷口)栄斗のけがは残念ですけど、普段準備している選手がピッチに出て、やれることを証明したら、普段出場機会がない選手もそれが自信になって、練習が間違っていないと思える。それを今日しっかり証明したい、そいつらの分も背負って証明したいと思っていたので」と、気持ちの入った一戦だったと明かす。

 その気持ちの部分については城福浩監督も試合後会見で、「成長がJ1で残留する、驚きを示す唯一の方法です。日ごろの練習は相当激しいですし、質も量も日本一でありたいと思っています。他と比較はできませんが、これ以上やれないというところまでやり続けて、その代表格が千田だと思っています。そこまでやっても試合で表現できるチャンスの巡ってこない選手の代表として彼は今日ピッチに立ちましたし、あれだけやれたのだから、やれないはずはないという思いがほとばしっていたと思います」と、日ごろの練習からの姿勢含めて称えた。

 大学卒業後、ブラウブリッツ秋田で2017年から2022年までプレー。昨年東京Vに加入し、29歳にしてようやく掴んだJ1の舞台となったが、本人は「J3から始まってJ1を目指してやってきました。ただ、J1に出場して終わる選手になりたくないので、まだまだここから活躍していけるように頑張りたい」と力を込め、「今はかなり自信持ってやれている。まだまだシーズンは中盤にも行っていないので、1年通して最後はいいところに行けるように頑張ります」と、ここからのチームとしての浮上を誓っている。

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