2本塁打の大谷翔平しのぐ活躍、シリーズMVPは小柄な韓国系エドマン…打率4割・11打点

 20日(日本時間21日)にロサンゼルスで行われた米大リーグのナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦で、ドジャース(西地区1位)がメッツ(東地区3位)を10―5で下して、4年ぶりのリーグ優勝とワールドシリーズ進出を決めた。シリーズのMVPに選ばれたのは、この試合で逆転二塁打やリードを広げる2ランを放ったエドマン。メジャー6年目で59本塁打の小柄な脇役が、主役となったシリーズだった。(デジタル編集部)

3回無死1塁、2ランを放つエドマン(20日)=片岡航希撮影

 この試合、4番に座ったエドマンは1点を追う一回、大谷と3番T・エルナンデスのヒットで迎えた一死一、三塁で左翼線へ二塁打を放ち、2者を迎え入れる逆転打を放った。さらに、三回には左中間へリードを3点に広げる2ラン。持ち前のダウンスイングで高めの見送ればボールかと思われる直球をたたき、左中間スタンドに運んだ。

 エドマンはこのシリーズ、27打数11安打の打率4割7厘で11打点を挙げた。6試合連続安打で、第5戦以外の5試合で打点をマーク。リーグ優勝に王手を懸けた第4戦でも三回に勝ち越し打を放ち大谷を迎え入れていて、シリーズ制覇に直結する勝利打点を2度、挙げたことになる。

ナ・リーグ優勝決定シリーズのMVPに選ばれ、笑顔を見せるドジャースのエドマン(20日)=片岡航希撮影

 エドマンは、レギュラーシーズンも、パドレスとの地区シリーズも主に打順は下位。本来はチャンスメークし、大谷らの前に塁に出るのが役割だ。ただ、MVPトリオの一角、フリーマンが右足を痛めていて、この日も欠場するなどのチーム状況で上位に抜擢され、見事にポイントゲッターとして期待に応えた。

 大谷もこのシリーズ、22打数8安打の打率3割6分4厘で本塁打2本、9四球、6打点、9得点と活躍したが、MVPの選考では及ばなかった。

 エドマンは米ミシガン州生まれの29歳。母親は韓国生まれで、2023年のWBCには韓国代表として出場した。メジャー6年目で今季途中、カージナルスから移籍。内外野ともこなせるユーティリティ・プレーヤーで、身長1メートル78、体重87キロと大男ぞろいのメジャーでは小柄だが、このプレーオフで3盗塁を決めるスピードと、バントも確実に決める器用さを兼ね備える。

 エドマンは実は地区シリーズでも活躍していて、今季のポストシーズン通算では、チームトップの打率3割4分1厘をマーク。チーム最多の15安打を放ち、12打点もベッツと並ぶチームトップ。3盗塁、2犠打はいずれも全チームでトップ(盗塁は最多タイ)だ。

 MVPのトロフィーを受け取ったエドマンは「みんなが温かく私を迎え入れてくれたおかげ」とチームメートに感謝。さらに「とにかく戦い続けた」とナインの気持ちを代弁し、大谷らに祝福された。

 ヤンキースとのワールドシリーズは25日(日本時間26日)に始まる。大谷やヤンキースの大砲、ジャッジやスタントンらのスター選手の活躍に大きな注目が集まる中、体格では劣るものの、起用でスピードのあるエドマンのプレーもファンを楽しませてくれそうだ。

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