江口のりこが壊れゆく人妻を演じる映画『愛に乱暴』。期待の若手俳優・水間ロンも出演

俳優・江口のりこが主演を務める映画『愛に乱暴』が、8月30日(金)から全国で公開される。

映画『愛に乱暴』は、『悪人』『怒り』などで知られる作家・吉田修一の傑作小説を、海外の映画祭の賞も多数受賞している森ガキ侑大が監督・脚本を務めた作品。丁寧な暮らしで日々のストレスを解消させる主人公を江口、そんな妻に無関心な夫の真守を小泉孝太郎、何かにつけて干渉してくる義母を風吹ジュン、夫の愛人を馬場ふみかが演じる。

そのほか、近所のアパートに暮らすホームセンターの店員を水間ロン、主人公が講師を務める手作り石鹸教室の社員に青木柚、主人公の勤めていた会社の元上司に斉藤陽一郎ら、個性豊かな俳優陣が名を連ねている。

▲映画『愛に乱暴』

「今」映画化する意味がある作品

映画や舞台、ドラマなど途切れることなく出演している俳優・江口のりこ。シリアスからコメディまで、大きな振り幅でリーチが取れる実力派だ。本作『愛に乱暴』では、不穏な出来事により居場所を奪われ壊れていく主婦を、美しくも哀しい怪物ヒロインとして入魂の演技を見せ、新境地に到達している。

江口が演じる桃子は、夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で幕らしている。夫の真守とは結婚して8年になり、子どもはいない。義母から受ける微量のストレスや夫の無関心を振り払うように、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。

そんな桃子の周辺で不得な出来事が起こり始める。近隣のゴミ捨て場で相次いで不審火、愛猫の失踪、不気味な不倫アカウント……桃子の平穏だったはずの日常は、少ずつ乱れ始める。

予告編では、ホームセンターで購入したチェーンソーを持ち出す江口演じる桃子の狂気が印象的だが、監督の森ガキは同作についてコメントを発表している。

この原作を読んだ時に「今」映画化する意味があると強く感じました。
現代は生産性ばかりを求めている社会が存在していて、世の中の隅に追いやられ孤立している人がいる気がしていました。主人公の桃子は社会の中で葛藤を抱き、もがきながら一生懸命に生きています。桃子の姿は時にユーモラスで、時に刺激的で読んでいる自分の心を動かしました。
原作者である吉田修一さんとお会いし、映画化を許可して頂いた時の喜びとプレッシャーは今でも心の奥に残り続けています。(森ガキ侑大)


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