バイデン氏、ロシアのウクライナ侵略は失敗 中東危機で自制呼びかける 国連一般討論演説

【ニューヨーク=平田雄介】バイデン米大統領は24日の国連総会一般討論での演説で、ロシアはウクライナ侵略の「核心的目的」を果たせず失敗したと語った。イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの交戦については「外交的解決が可能だ」として双方に自制を求めた。

バイデン氏は、来月7日で1年となる、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルの戦闘に関し、停戦と人質解放を巡る交渉の「合意条件を確定させる時だ」と早期妥結を求めた。

中国については、不公正な経済慣行や東・南シナ海での威圧に対抗し、台湾海峡の平和と安定を維持すると語った。アフリカ北東部スーダンの内戦終結も呼びかけた。

また、ハマスとヒズボラを支援するイランの核開発疑惑について「決して核兵器を手にすることがないようにしなければいけない」と強調した。

この日はイランのペゼシュキアン大統領も登壇し、2015年のイラン核合意に加わった米英仏独露中と「協議する用意がある」と表明した。核合意が再建されれば「他の問題についての対話も可能だ」と述べた。

バイデン氏は来年1月に退任するため、国連演説はこれが最後。ウクライナについて、「公正で永続的な平和を勝ち取るまで、支援を終わらせない」と強調。ロシアのプーチン大統領は「ウクライナを破壊しようとしたが、核心的な目的を果たせなかった。ウクライナはまだ自由だ」と米国の支援を誇った。ウクライナのゼレンスキー大統領は総会議場で、バイデン氏の演説を見守った。

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