バイデン大統領、イスラエルとハマスの停戦交渉について「戦争を終わらせる時だ」…国連で演説

 【ニューヨーク=池田慶太、金子靖志】第79回国連総会の一般討論演説が24日、米ニューヨークの国連本部で始まった。米国のバイデン大統領は演説で、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム主義組織ハマスによる戦闘の停戦交渉について、「今こそ当事者たちが条件で合意し、この戦争を終わらせる時だ」と訴えた。

 バイデン氏は「中東全体を巻き込む大規模な戦争を阻止する決意だ」と述べ、中東の緊張緩和に取り組む考えを示した。ハマスに拉致された人質も戦闘に巻き込まれたガザの民間人も「地獄を経験している」とし、戦闘終結の必要性を指摘した。

 イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘が激化していることに触れ、「国境の両側であまりにも多くの人々が避難を余儀なくされている。全面戦争は誰の利益にもならない」と双方に自制を促し、緊張緩和に向けた外交努力を求めた。

 ロシアの侵略を受けるウクライナへの支援については、「ウクライナを支持するか、侵略を許して国を破壊させるか」を世界は選択しなければならないと指摘し、継続を呼びかけた。

 人工知能(AI)についてはディープフェイクや偽情報、化学兵器製造への転用まで「重大なリスク」があると指摘し、「グローバルなルールが必要だ」と訴えた。「唯一の競争相手」と位置づける中国との関係に関し、「両国の競争を責任を持って管理する」と述べた。

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