ウクライナ東部の要衝ウグレダル、陥落の危機 ロシア軍が包囲の動き

ロシアの侵略を受けるウクライナの有力軍事メディア「ディープステート」は24日までに、最激戦地の東部ドネツク州の小都市ウグレダルが露軍に包囲されつつあり、「戦況が悪化している」と伝えた。ディープステートは要因について、同市を守備してきた精鋭部隊、第72独立機械化旅団の交代をウクライナ軍上層部が認めなかった上、練度の低い部隊を増援に派遣したことだとした。

ウクライナメディアによると、同国軍参謀本部出身の軍事専門家セレズニョフ氏は23日、「ウグレダルは陥落する恐れがある」と警告した。

米誌フォーブス(電子版)も23日、20カ月にわたりウグレダルを守ってきた同旅団が「確実に疲弊している」と指摘。ウグレダルを包囲して同旅団を孤立させようとする露軍の試みが「成功しつつある」と分析した。同旅団は支援を必要としているが、ウクライナにはそのための予備戦力に乏しいとの見方も示した。

一方、ドネツク州の親露派武装勢力幹部は24日、露国営テレビで「露軍はウグレダルを挟み撃ちにした。ウクライナ軍の交代は事実上、不可能になった」と主張した。

ウグレダルは州都ドネツクの南西に位置するウクライナ軍の重要防衛拠点の一角。露軍はウグレダルを制圧し、主目標とするドネツク州全域の制圧につなげる思惑だとみられている。

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