ゼレンスキー氏「東部でロシア軍の攻撃能力が低下」 戦況改善との認識示す

ウクライナのゼレンスキー大統領は19日のビデオ声明で、最激戦地の東部ドネツク州で「ロシア軍の攻撃能力を低下させることに成功した」と述べ、劣勢が続く戦況に一定の改善がみられるとの認識を示した。露西部クルスク州への越境攻撃の結果、約4万人の露軍兵力を同州に引き付けられた上、多数の露軍兵を捕虜にしたとも表明。これらは戦争の見通しに「重要な要素」と指摘した。

ただ、ゼレンスキー氏は、露軍が全域の掌握を狙うドネツク州の小都市ポクロフスクとクラホベ方面で激戦が続いているとし、「戦況は(ウクライナ軍にとって)非常に厳しいままだ」と説明した。

一方、露国防省は19日、露軍がクラホベ近郊の集落ゲオルギエフカを制圧したと主張した。露軍は越境攻撃によりウクライナ軍の予備戦力が手薄になったとみて、ドネツク州で攻勢を強化。ポクロフスクとクラホベを制圧し、同州の主要都市クラマトルスク方面への進出ルートを確保する思惑だとみられている。

ウクライナ北部スムイ州当局によると、州内の老人ホームが19日、露軍の空爆を受け、民間人1人が死亡、12人が負傷した。

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