パレスチナ占領「1年以内」終結を 国連総会、イスラエルに要求の決議を採択

【ニューヨーク=平田雄介】国連総会は18日の緊急特別会合で、イスラエルのパレスチナ占領政策を「不法」とし、「1年以内」に終わらせるよう要求する決議を採択した。日本やフランス、中国、ロシアなど124カ国が賛成し、イスラエルや同盟国の米国など14カ国は反対した。英国やドイツ、イタリア、カナダなど43カ国は棄権した。

決議は、イスラエルによるヨルダン川西岸などの占領政策は国際法違反だとした7月の国際司法裁判所(ICJ)の「勧告的意見」を根拠に、パレスチナ自治政府が起案。占領地からのイスラエル軍の撤退、イスラエルによる入植活動の停止、土地や財産の返還、賠償などを求めている。

占領終結の期限は当初案の「半年以内」から修正した。決議に法的拘束力はないが、採決の結果はイスラエルの占領政策に反対する意見が国際社会の多数派を占める実態を示している。

一方、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスによる昨年10月のイスラエル奇襲を非難する文言はなく、米国などが反対。イスラエルのダノン国連大使は「ハマスの殺人犯を支援するパレスチナ自治政府の言いなりになっている」と決議内容を非難した。

山崎和之国連大使は、日本は「一貫してハマスを非難し、人質の解放を求めてきた」と述べた上で、「法の支配を尊ぶ国として、ICJの勧告的意見を重視している」と賛成理由を説明した。

イスラエルは1967年の第3次中東戦争で西岸や東エルサレムを占領した後、エルサレム全域を首都と主張。西岸で入植活動を拡大している。

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