イスラエルに「不法な占領」終結を求める決議、国連総会で採択…米国など14か国反対・棄権は43か国

 【ニューヨーク=金子靖志】国連総会(193か国)は18日の緊急特別会合で、イスラエルに対して1年以内にパレスチナへの不法な占領を終わらせるよう求める決議案を採択した。日仏中露など124か国が賛成し、採択に必要となる3分の2を超えた。法的拘束力はないが、イスラエルの占領政策に対し、国際社会が圧力をかけた形だ。

 決議では占領終結のほか、イスラエル軍の撤退や占領地での入植活動の停止・入植者の退去などを求めた。国連のアントニオ・グテレス事務総長に対し、決議の実施状況に関する報告書を3か月以内に提出するよう求めた。採決では米国やイスラエルなど14か国が反対し、英独、インド、ウクライナなど43か国が棄権した。

ニューヨークの国連本部で、イスラエルの占領政策について協議する国連総会の緊急特別会合(17日)=金子靖志撮影

 パレスチナのリヤド・マンスール国連大使は採決前、「我々の故郷で平和かつ安全に暮らしたいだけだ」と訴え、決議案に賛同するよう求めた。一方、イスラエルのダニー・ダノン国連大使は決議案の提出について「外交的なテロ行為だ」と非難し、占領終結には応じない考えを示した。

 イスラエルは1967年の第3次中東戦争以降、ヨルダン川西岸や東エルサレムなどで占領を続けている。イスラエルの占領は国際法違反とする勧告的意見を国際司法裁判所(ICJ)が7月に出したことを受け、パレスチナが決議案を提出した。

ジャンルで探す