プーチン大統領「核戦力は臨戦態勢」 対独戦勝式典で欧米威圧 軍事パレードの規模縮小続く

ロシアは第二次世界大戦の対ドイツ戦勝記念日である9日、首都モスクワの「赤の広場」や各地で恒例の軍事パレードを行った。プーチン大統領はモスクワの式典で「何者にもロシアを脅かすことは許さない。わが戦略部隊(核戦力部隊)は常に臨戦態勢にある」と演説。ウクライナ侵略で対立する欧米諸国を威圧した。一方、パレードの規模は縮小傾向が続き、露軍の損耗を示唆した。

プーチン氏は演説で「欧米のエリート」が世界の対立や紛争を激化させていると主張し、ウクライナ侵略を「ネオナチとの戦い」と改めて正当化した。侵略を対独戦と重ねて国民の愛国心を鼓舞し、支持拡大を図った。「(第二次大戦で)日本の侵略に立ち向かった中国国民の勇気に敬意を表す」とも述べ、近く訪問する中国との連帯を強調した。

赤の広場でのパレードには9千人超の軍人と約70超の兵器が参加。戦闘車両や核搭載可能な短距離弾道ミサイル「イスカンデルM」、大陸間弾道ミサイル「ヤルス」などが登場した。

ただ、参加した兵器の数は昨年より減少した。昨年は軍人約8千人と100超の兵器が参加。侵略開始直後の2022年は軍人約1万1千人と約130の兵器が、21年は軍人約1万2千人と約190の兵器が参加した。

パレードには、旧ソ連圏からベラルーシのルカシェンコ大統領や中央アジア5カ国の首脳が出席した。一方、ロシアとの確執を深めているアルメニアのパシニャン首相は欠席。アゼルバイジャンのアリエフ大統領も国内行事を優先して欠席し、旧ソ連圏でのロシアの影響力低下を示唆した。

ジャンルで探す