ロシア軍事パレードの規模縮小続く 戦力損耗を示唆か、きょう対独戦勝記念式典

ロシアは第二次大戦の対ドイツ戦勝記念日とする9日、首都モスクワの「赤の広場」や国内各地で毎年恒例の軍事パレードを行う。モスクワでの式典ではプーチン大統領が演説する。ウクライナ侵略を対独戦と同じ「祖国防衛戦」だと位置付けるプーチン氏は、演説でも国民の愛国心に訴えかけ、侵略への支持拡大を図る見通しだ。ただ、侵略の開始後、パレードの規模は縮小傾向が続き、露軍の損耗も示唆している。

露国防省の事前発表によると、政権側が最重要視する赤の広場でのパレードには今年、9千人超の軍人と戦闘車両など約70の地上兵器が参加。天候が良ければ航空機も上空を飛行する。

赤の広場でのパレードに参加する地上兵器の数は昨年より減少する。昨年は約8千人の軍人と100超の兵器が参加した。侵略開始直後の2022年は約1万1千人の軍人と約130の兵器が、侵略前の21年は約1万2千人の軍人と約190の兵器が参加していた。

パレードには、旧ソ連構成国からベラルーシのルカシェンコ大統領ら首脳が出席を予定。一方、ロシアとの確執を深めているアルメニアのパシニャン首相は「毎年参加する必要があるとは思わない」として欠席を表明した。アゼルバイジャンのアリエフ大統領も国内行事を優先して欠席を決めるなど、旧ソ連圏でのロシアの影響力低下を示唆した。

旧ソ連圏外からはキューバとラオス、ギニアビサウの首脳が出席する予定だ。


ジャンルで探す