Intelは第13・14世代CPUで発生するクラッシュ問題の影響を受けたか否かを検出するツールをいまだに開発できていない

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Intelの第13世代Coreプロセッサである「Raptor Lake」と、第14世代Coreプロセッサの「Raptor Lake Refresh」には、アプリケーションがクラッシュしたり強制終了したりしてしまう欠陥が存在しており、この存在をIntelも認めています。Intelが欠陥の存在を認めてすでに数カ月が経過していますが、同社はいまだにクラッシュ問題の影響を受けたか否かを検出するツールすら開発することができていないことが明らかになりました。
Intel doesn't have a tool to detect if a chip is affected by crashing errors yet — Intel Default Settings still recommended after patch is applied, but power limits can be raised | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/intel-doesnt-have-a-tool-to-detect-if-a-chip-is-affected-by-crashing-errors-yet-chipmaker-recommends-intel-default-settings-even-after-0x12b-patch-is-applied


2024年初頭から、Intelの第13世代Coreプロセッサと第14世代Coreプロセッサを使用しているユーザーから「ゲームが頻繁にクラッシュする」という報告が上がり始めます。当初、原因はプロセッサの電力消費にあるのではと推測されていたのですが、2024年4月にIntelは調査結果として「オーバークロック対応のマザーボードを使用していたことが原因」と報告しました。
しかし、この報告に納得していない一部ユーザーが原因究明に動いていました。そして、2024年7月になってIntelは第13~14世代CPUに存在する「ゲームがクラッシュする」「ソフトウェアが正常に動作しない」といった不具合は、「自社のマイクロコードに原因があった」と認めています。
Intelが自社の設計が原因で第13・14世代CPUに不具合が発生していることをついに認める - GIGAZINE


なお、Intelはこれまで第13~14世代CPUのクラッシュ問題を緩和するためのマイクロコードアップデートを複数回にわたってリリースしており、2024年9月には3度目のアップデートをリリース。アップデート第3弾では、第13~14世代CPUで見られた「アイドル状態や負荷が軽いときに異常な電圧上昇が発生する」という問題を修正しています。
Intelがクラッシュ問題多発の第13・14世代CPU向けのアップデート第3弾をリリース - GIGAZINE


ただし、このマイクロコードアップデートを適用しても、クラッシュ問題が発生した際に生じた損傷を元に戻すことはできません。しかし、Intelは影響を受けるすべてのCPUに対して、2年の追加保証を発表しています。
2年の追加保証を受けることができるCPU一覧は以下の通り。
・第13世代Coreプロセッサ
i9-13900KS
i9-13900K
i9-13900KF
i9-13900F
i9-13900
i7-13700K
i7-13700KF
i7-13790F
i7-13700F
i7-13700
i5-13600K
i5-13600KF
・第14世代Coreプロセッサ
i9-14900KS
i9-14900K
i9-14900KF
i9-14900F
i9-14900
i7-14700K
i7-14700KF
i7-14790F
i7-14700F
i7-14700
i5-14600K
i5-14600KF
テクノロジーメディアのTom's HardwareがIntelに問い合わせたところ、同社はいまだにクラッシュ問題の影響を受けているか否かを検出するための信頼性の高いツールを開発することができていないことを認めています。IntelはTom's Hardwareに対して、「検出ツールの可能性を引き続き調査中」「更新が利用可能になった場合はリリースします」とだけ返答しました。加えて、Intelはクラッシュ問題を起こしていないCPUでエラーを軽減するための新しいマイクロコードをリリースする予定であると語っています。
なお、Intelはマイクロコードのアップデートとは別に、クラッシュ問題を引き起こすVmin(最小動作電圧)を緩和するための策として、Intelによる公式電力プロファイル「Intel Default Settings」を使用することを推奨しています。加えて、「Intel Default Settingsに加え、マイクロコード『0x12B』(0x125および0x129)も、Intelの第13世代CPUと第14世代CPUのVminシフト不安定性問題に対する完全な緩和策です」と語りました。
マイクロコードのアップデートを適用した後でもデフォルトの電力プロファイルを使用することをIntelは推奨しているものの、ユーザーはPL1およびPL2の電力制限を「推奨値」を超えて自由に増やすことが可能(ただし4096Wまで)です。ただし、保証を受けるにはIccMaxなどの安全設定を有効にしておくなど、一部の制限があります。
なお、Intelは「オーバークロックしたり、推奨よりも高い電力供給設定を使用したりしたいユーザーは、オーバークロックによって保証が無効になったり、システムの健全性に影響したりする可能性もありますが、自己責任で行うことができます」と警告しました。

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