Intelがクラッシュ多発CPU向けのパッチを公開するも一部の性能テストで「中程度の影響」が確認される
Intelが第13・14世代Coreプロセッサーで多発しているクラッシュ問題の修正パッチをリリースしました。この修正パッチについて、Intelは「いくつかの性能テストで中程度の影響が確認された」と報告しています。
Microcode (0x129) Update for Intel Core 13th and 14th Gen Desktop Processors - Intel Community
https://community.intel.com/t5/Processors/Microcode-0x129-Update-for-Intel-Core-13th-and-14th-Gen-Desktop/td-p/1622129
第13・14世代Coreプロセッサーには「ゲームが突然終了する」「ソフトウェアが正常に動作しない」といった問題が存在しています。Intelは問題発覚当初に「マザーボードの設定が問題を引き起こしている」とする声明を発表していましたが、2024年7月に自社のマイクロコードに原因があることを認めて修正パッチの公開を約束していました。
Intelが自社の設計が原因で第13・14世代CPUに不具合が発生していることをついに認める - GIGAZINE
2024年8月9日に、Intelはマイクロコードの修正パッチ「0x129」を配布開始したことを発表しました。第13・14世代Coreプロセッサーのクラッシュ問題の根本原因は「マイクロコードの不具合によって、プロセッサーに異常に高い電圧がかかる」というものです。Intelが配布してる修正パッチは「1.55Vを超える電圧要求を制限する」という予防的緩和策が含まれており、パッチを適用することでクラッシュ問題に対処できるとされています。
Intelは修正パッチが処理性能に及ぼす影響を調査するべく、複数のベンチマークテストを実行しました。その結果、「3DMark: Timespy」「WebXPRT 4」「Cinebench R24」「Blender 4.2.0」といったテストではパフォーマンスの変化が「テスト試行ごとの変動の範囲内」に収まったとのこと。一方で「WebXPRT Online Homework」「PugetBench」といったベンチマークテストでは「中程度の影響」が確認されました。
さらに、ゲームを用いたテストでは「Cyberpunk 2077」「Shadow of the Tomb Raider」「Total War: Warhammer III – Mirrors of Madness」といったタイトルでは影響が確認されなかったものの、「Hitman 3: Dartmoor」では「わずかに大きな変化」が確認されました。
マイクロコード修正パッチ「0x129」はOEMパートナーやODMパートナー向けにリリースされており、ユーザーはBIOSのアップデートを介して修正パッチを適用可能です。また、Intelは「ユーザーが独自に設定したオーバークロックは、修正パッチの適用後も引き続き利用可能」と述べています。
なお、Intelは合計24モデルの第13・14世代Coreプロセッサーの保証期間を2年延長することを決定しています。保証期間延長の対象モデルは以下の記事で確認できます。
Intelが2年延長保証の対象CPUを発表、クラッシュ多発CPUの無償交換が可能に - GIGAZINE
08/13 10:30
GIGAZINE