JR西日本が鉄道設備のメンテナンスに人型ロボットを導入することを発表


西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)が2024年6月27日に、鉄道設備のメンテナンスに「多機能鉄道重機」と呼ばれる人型ロボットを2024年7月から導入することを発表しました。
鉄道設備メンテナンスに多機能鉄道重機を使用開始 ~ロボット技術を活用した高所重作業の生産性、安全性向上~
(PDFファイル)https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240627_00_trainmaintenancemachine.pdf


Japan introduces enormous humanoid robot to maintain train lines | Japan | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/article/2024/jul/04/japan-train-robot-maintain-railway-lines
多機能鉄道重機は、株式会社人機一体が開発した人型ロボット「零式人機 ver.2.0」をベースとした保線用の作業機械です。


鉄道工事用の車両に搭載された人型ロボットは、車両の操縦室から2本のグリップアームとヘッドマウントディスプレイを使ってインタラクティブに操縦することができます。


ロボットの手に相当する部分はアタッチメント式になっており、実施する作業によって付け替えが可能です。記事作成時点では、塗装ツールや把持ツール、伐採ツールが用意されているとのことです。
また、ロボットは最大40kgの重量物を持ち上げることが可能なほか、最高12mの位置での高所作業も可能です。ロボットが実際に稼働する様子は以下の動画から確認できます。
20231222_121150 + 零式人機 ver.2.0 + 紹介動画 - YouTube

JR西日本は多機能鉄道重機の導入について、「作業に要する人手が約3割減少する」「作業の機械化により墜落事故や感電事故などの労働災害の発生を減少できる」「性別や年齢を問わず、多様な人材の就業環境の創出が可能」といったメリットを掲げました。
JR西日本によると、多機能鉄道重機は当面、京阪神エリアにおける架線支持物の塗装や、列車の運行に支障を来たす樹木の伐採に使用されるとのことで、「今後もツールの開発を継続し、対象作業を拡充予定」「道路トンネル内の点検や塗装、交通信号機などの取り換えといった、他のインフラメンテナンスにも多機能鉄道重機を展開していく方針」と述べています。

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