Googleの親会社Alphabetがマーケティングツール「HubSpot」の買収を検討中、実現すれば過去最大級の買収に


Googleの親会社であるAlphabetがオンラインマーケティングソフトウェア会社の「HubSpot」の買収に向けた議論をアドバイザーと実施していることが報じられました。
Exclusive: Google parent Alphabet weighs offer for HubSpot, sources say | Reuters
https://www.reuters.com/markets/deals/google-parent-alphabet-weighs-offer-hubspot-sources-say-2024-04-04/


As deal rumors fly, Alphabet and HubSpot would be a strange pairing | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/04/04/as-deal-rumors-fly-alphabet-and-hubspot-would-be-a-strange-pairing/
Alphabet considers bid for $32 billion HubSpot: Report
https://www.cnbc.com/2024/04/04/alphabet-in-talks-to-acquire-hubspot.html
2014年に株式市場に上場したHubSpotは、2000人程度の従業員を抱える企業に対しマーケティングソフトウェアを提供しています。HubSpotは2023年に22億ドル(約3300億円)もの収益を上げており、成長を見込んだ投資家によって、12カ月で株価が約50%上昇し、記事作成時点でのHubSpotの時価総額は350億ドル(約5兆2000億円)にも上るそうです。
そんなHubSpotの買収に向けてAlphabetは、銀行大手のモルガン・スタンレーと「HubSpotに対してどの程度の金額を提示すべきか」「独占禁止法規制当局がこの買収を許可するのか」などについて議論しているとのこと。この買収計画が成功すれば、Alphabetにとって過去最大規模の企業買収になります。
HubSpotを買収すると、Googleは急成長を遂げる顧客関係管理(CRM)ソフトウェア市場でのサービスを拡大することが可能で企業顧客のマーケティングや広告で幅広い層を開拓できるようになります。また、クラウドコンピューティング事業を展開するMicrosoftやAmazonとの競争でのギャップを埋めることにもつながります。


一方で各国の独占禁止法規制当局は企業による大規模取引を注意深く監視しています。実際に、2023年12月にはAdobeが200億ドル(約2兆8000億円)でデザイン管理ツール「Figma」を買収する際に、EUやイギリスの規制当局が承認を出さなかったことを理由に買収を断念するケースも発生しており、今回のAlphabetのHubSpot買収も当局が待ったをかけることが懸念されています。
なお、匿名の情報筋は「AlphabetはまだHubSpotに対して買収に向けたオファーを出していません。また、必ずオファーを出すという確証もありません」と述べています。また、HubSpotの広報担当者は「私たちは標準的な慣行として、うわさや臆測についてコメントを出すことはありません。私たちは引き続き、優れたビジネスを構築し、お客様にサービスを提供することに注力していきます」と語りました。
今回の報道を受けてHubSpotの株価は、2024年4月4日の終値で5%上昇したことが報じられています。

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