ライカカメラ搭載「Xiaomi 14T」シリーズの狙いは? - シャオミ・ジャパン大沼社長に聞く
シャオミ・ジャパンは10月10日に、2024年下期の新製品発表会を開催。9月26日にドイツ・ベルリンでグローバル発表されたばかりの、スマートフォン「Xiaomi 14T」「Xiaomi 14T Pro」をはじめ、ワイヤレスイヤホン「Xiaomi Buds 5」、スマートウォッチ「Redmi Watch 5」シリーズ、「Xiaomi ロボット掃除機 X20 Max」、100型チューナレステレビ「Xiaomi TV Max 100 2025」などの国内発売を発表しました。
「Xiaomi 14T」「Xiaomi 14T Pro」は、5月に発売されたフラッグシップモデル「Xiaomi 14 Ultra」と同じく、ライカ監修のカメラを搭載し、どちらもおサイフケータイに対応。「Xiaomi 14T」はau/UQ mobileからの発売で、120Wの急速充電が可能な「Xiaomi 14T Pro」はオープンマーケット版としての販売に加え、“神ジューデン”対応端末としてソフトバンクから発売されます。
シャオミ・ジャパン取締役社長の大沼彰氏、同社プロダクトプランニング本部 本部長の安達晃彦氏に、新製品投入の狙いや今後の販売戦略について聞きました。
○「Xiaomi 14 Ultra」の反響と「Xiaomi 14T」シリーズへの期待
──「Xiaomi 14 Ultra」は、シャオミ・ジャパンとしては久々のフラッグシップモデルで、国内では初のライカカメラ搭載モデルとなりましたが、発売後の反響、手応えは?
大沼氏:具体的な数字は申し上げられませんが、予定していた数量を上回る注文があり、在庫がなくなる事態になりました。予想以上の反響だったということは言えると思います。またいろんなメディアで取り上げていただいたり、ユーザーの方がSNS等で発信したりしてくださって、こんなに楽しくてきれいな写真が撮れるということで、注目をしていただいた。ギークな方だけに止まらず、多くの人に関心を持っていただき裾野が広がった結果、ブランドの認知向上にもつながったと考えています。
安達氏:ライカさんとの協業によって、お客様の期待を超える撮影体験を提供できたことが大きかったと思います。もちろん製品を知っていただくきっかけとして、ライカさんというブランド自体もすごく強いんですけど、それ以上に、実際にそこで得られる体験を高く評価していただけた。スマートフォン業界が停滞する中、一つの方向性として折りたたみがあったり、AIがあったりしますが、我々はまた別の方向性として、次元を超えた撮影体験というものをお客様にお伝えできた。これは「Xiaomi 14 Ultra」を日本で発売したからこそ、できたことだと思ってます。
大沼氏:今回思い切ったのは、「Photography-Kit」(カメラのようにズームレバーやダイヤル、シャッターボタンを備えたアクセサリー)を販売したこと。ダイヤルを回したり、レバーを操作して、カメラのように使えるというのが、ユーザーの裾野を広げる意味でも非常に大きかったですね。
安達氏:実際に通信機能付きカメラとしてお使いいただいているユーザーさんも多くいらっしゃって、新しいスマートフォンであり、カメラの可能性をご提案できたんじゃないかなと思います。一方で、メインの端末として使うには、いろいろと足りないところもありました。
大沼氏:私も「Xiaomi 14 Ultra」を使っていますが、たとえばおサイフケータイが使えないというのも、そのひとつです。カメラの体験はいいんだけど、お値段も含めてもう少し身近で、生活の真ん中に置いて使えるものを……という声にお応えできるのが、今回発表した「Xiaomi 14T」シリーズだと考えています。
安達氏:「Xiaomi 14 Ultra」でお伝えできた撮影体験を、さらに多くの方に広げる役割を「Xiaomi 14T」シリーズには期待したいですね。
──「Xiaomi 14T」シリーズは、前モデルの「Xiaomi 13T」シリーズと同様に、キャリアから販売されます。そういう意味でも、さらに大きな広がりが期待されているのではないですか?
大沼氏:日本のスマートフォン市場は90%以上がキャリアさんの市場なので、その力が大きいのは事実ですし、もちろん期待もしています。ただそこに甘んじることなく、我々独自でもしっかり、お客様に体験を伝える努力をしていきたいと思っています。
──スマートフォンの体験という意味では、AI機能が昨今のトレンドになっています。今回の「Xiaomi 14T」シリーズには、様々なAI機能も搭載されていますが、これは日本でも同じ機能が使えるのでしょうか?
安達氏:はい、すべて日本語に対応しています。弊社のAIの取り組みにおいて、日本語は優先順位が高い言語になっているので、今回、どの機能もお待たせすることなく提供できたのは良かったです。さらにGoogleさんの協力で、「Gemini」や「かこって検索」もお使いいただけます。Googleさんとは「Google One メンバーシップ特典」のようなキャンペーンも含めて、かなり親密にコラボレーションをさせていただいています。
「Xiaomi 14T」シリーズには、ライカカメラに加えてAI、さらに急速充電という強味もあると考えています。特にソフトバンクさんでは、“神ジューデン”というのが強いですね。一方でAIについてはまだ発展途上というか、認知も含めて道半ばだと思うので、どう独自性を出していくかも大切ですが、まずは業界全体としてその便利さをしっかりお伝えできればと思っています。
○スマホから家電、雑貨まで製品ランナップを拡充する理由
──スマートフォン以外の製品についても聞かせてください。タブレットやイヤホン、スマートバンドだけでなく、テレビに生活家電、雑貨まで、今年に入って一気に製品ラインナップを広げられたという印象ですが、その理由は?
大沼氏:シャオミは世界をリードするIoTプラットフォームです。スマホを中心にいろんなデバイスがつながっていくという考えのもと、グローバルで様々な製品を手がけていて、世界ではすでに8億台のIoT製品がつながっています。そこからすると、日本はかなり遅れている。やはり国ごとのコンプライアンスがあるので、それらをひとつひとつ整理しながら製品を持ってこないといけないんですね。そういうことに対して今我々シャオミ・ジャパンの体制、本社の体制が整いつつあり、日本で出してみようという製品が増えているということ。これからもどんどん出していきたいと思っています。
安達氏:実は今回、スマートフォンを出すのは5ヵ月ぶりなんですが、そんなに久しぶりという感じがしないんじゃないかと思います。この間にもいろいろな製品を出させていただいて、ユーザー様にお知らせしたり、メディア様に取り上げていただいたことで、シャオミというブランドが常に身近に滞留しているみたいな状態ができていたからです。
スマートフォンは今、買い替えサイクルが、大体3年から4年と言われています。一旦お買い求めいただいた後、次にまた製品に触れていただくのが4年後っていうのは、ちょっと寂しい。その間にたとえば、スマートバンドを買っていただいたり、スーツケースを買っていただいたり、ロボット掃除機を買っていただいたり。いろんな製品を通じて、シャオミとつながっていていただきたい。製品ラインナップが増えたことで、そういうところが少しずつ、噛み合い始めたのかなっていうのを、Xのフォロワーさんたちを見て感じています。
大沼氏:中国では、家庭の中にシャオミ製品が3つ4つあるので、シャオミは家電メーカーというイメージを持たれています。日本でもスマートフォンだけでなく、お客様の生活の中に家電も含めて浸透していければ、まだまだのびしろはあると思っています。
──これまでのラインナップで、日本で出してみたらよく売れた製品、逆に売れなかった製品はあるのでしょうか?
安達氏:売れ筋というところでいくと、ワイヤレスイヤホンの「Redmi Buds」シリーズや、スマートバンドは大変好評をいただいています。スマートフォン周りではモバイルバッテリーも、今後期待できるカテゴリーになってくるかなと思っています。
大沼氏:いずれも適正な価格というところは評価いただいていて、今のところ、これは失敗だったというものはないです。ただ、今はまだラインナップを広げているところなので、おっしゃるように、どれがどのくらい売れるのかという判断の難しさはありますね。
スマートフォンとつながるものもつながらないものもあり、そこでどういう製品をラインナップしていくか、シャオミというブランドの中でどう出していくかなど、まだまだ答えが出せるような段階ではないです。これからお客様やメディアの皆様のご意見も聞きながら、進めていきたいと思っています。
──期間限定の「Xiaomi POP-UP Store」の営業が11月4日まで再延長されましたが、常設化する考えはないのでしょうか?
安達:先日中国のシャオミストア(小米之家)に行ってきたんですが、そこで感じたのが、日本でもだんだんパズルのピースが埋まってきたということ。最初の頃、「Xiaomi POP-UP Store」にはスマートフォンくらいしかなかったですが、徐々に製品のラインナップが増えて、いろいろ見て、選んで頂けるようになってきました。
大沼:実際に店頭では、スマートフォンを買いに来られて、「あ、これも欲しい」というような買い方がされています。ラインナップが広がれば、そうやって売れる製品も増えるでしょうけど、今はそこまで面積が広くないので、製品を並べ切れていません。あと1ヵ月、「Xiaomi POP-UP Store」でいろいろなことを試しながら、その後の展開についても前向きに考えていきたいと思います。
「Xiaomi 14T」「Xiaomi 14T Pro」は、5月に発売されたフラッグシップモデル「Xiaomi 14 Ultra」と同じく、ライカ監修のカメラを搭載し、どちらもおサイフケータイに対応。「Xiaomi 14T」はau/UQ mobileからの発売で、120Wの急速充電が可能な「Xiaomi 14T Pro」はオープンマーケット版としての販売に加え、“神ジューデン”対応端末としてソフトバンクから発売されます。
シャオミ・ジャパン取締役社長の大沼彰氏、同社プロダクトプランニング本部 本部長の安達晃彦氏に、新製品投入の狙いや今後の販売戦略について聞きました。
○「Xiaomi 14 Ultra」の反響と「Xiaomi 14T」シリーズへの期待
──「Xiaomi 14 Ultra」は、シャオミ・ジャパンとしては久々のフラッグシップモデルで、国内では初のライカカメラ搭載モデルとなりましたが、発売後の反響、手応えは?
大沼氏:具体的な数字は申し上げられませんが、予定していた数量を上回る注文があり、在庫がなくなる事態になりました。予想以上の反響だったということは言えると思います。またいろんなメディアで取り上げていただいたり、ユーザーの方がSNS等で発信したりしてくださって、こんなに楽しくてきれいな写真が撮れるということで、注目をしていただいた。ギークな方だけに止まらず、多くの人に関心を持っていただき裾野が広がった結果、ブランドの認知向上にもつながったと考えています。
安達氏:ライカさんとの協業によって、お客様の期待を超える撮影体験を提供できたことが大きかったと思います。もちろん製品を知っていただくきっかけとして、ライカさんというブランド自体もすごく強いんですけど、それ以上に、実際にそこで得られる体験を高く評価していただけた。スマートフォン業界が停滞する中、一つの方向性として折りたたみがあったり、AIがあったりしますが、我々はまた別の方向性として、次元を超えた撮影体験というものをお客様にお伝えできた。これは「Xiaomi 14 Ultra」を日本で発売したからこそ、できたことだと思ってます。
大沼氏:今回思い切ったのは、「Photography-Kit」(カメラのようにズームレバーやダイヤル、シャッターボタンを備えたアクセサリー)を販売したこと。ダイヤルを回したり、レバーを操作して、カメラのように使えるというのが、ユーザーの裾野を広げる意味でも非常に大きかったですね。
安達氏:実際に通信機能付きカメラとしてお使いいただいているユーザーさんも多くいらっしゃって、新しいスマートフォンであり、カメラの可能性をご提案できたんじゃないかなと思います。一方で、メインの端末として使うには、いろいろと足りないところもありました。
大沼氏:私も「Xiaomi 14 Ultra」を使っていますが、たとえばおサイフケータイが使えないというのも、そのひとつです。カメラの体験はいいんだけど、お値段も含めてもう少し身近で、生活の真ん中に置いて使えるものを……という声にお応えできるのが、今回発表した「Xiaomi 14T」シリーズだと考えています。
安達氏:「Xiaomi 14 Ultra」でお伝えできた撮影体験を、さらに多くの方に広げる役割を「Xiaomi 14T」シリーズには期待したいですね。
──「Xiaomi 14T」シリーズは、前モデルの「Xiaomi 13T」シリーズと同様に、キャリアから販売されます。そういう意味でも、さらに大きな広がりが期待されているのではないですか?
大沼氏:日本のスマートフォン市場は90%以上がキャリアさんの市場なので、その力が大きいのは事実ですし、もちろん期待もしています。ただそこに甘んじることなく、我々独自でもしっかり、お客様に体験を伝える努力をしていきたいと思っています。
──スマートフォンの体験という意味では、AI機能が昨今のトレンドになっています。今回の「Xiaomi 14T」シリーズには、様々なAI機能も搭載されていますが、これは日本でも同じ機能が使えるのでしょうか?
安達氏:はい、すべて日本語に対応しています。弊社のAIの取り組みにおいて、日本語は優先順位が高い言語になっているので、今回、どの機能もお待たせすることなく提供できたのは良かったです。さらにGoogleさんの協力で、「Gemini」や「かこって検索」もお使いいただけます。Googleさんとは「Google One メンバーシップ特典」のようなキャンペーンも含めて、かなり親密にコラボレーションをさせていただいています。
「Xiaomi 14T」シリーズには、ライカカメラに加えてAI、さらに急速充電という強味もあると考えています。特にソフトバンクさんでは、“神ジューデン”というのが強いですね。一方でAIについてはまだ発展途上というか、認知も含めて道半ばだと思うので、どう独自性を出していくかも大切ですが、まずは業界全体としてその便利さをしっかりお伝えできればと思っています。
○スマホから家電、雑貨まで製品ランナップを拡充する理由
──スマートフォン以外の製品についても聞かせてください。タブレットやイヤホン、スマートバンドだけでなく、テレビに生活家電、雑貨まで、今年に入って一気に製品ラインナップを広げられたという印象ですが、その理由は?
大沼氏:シャオミは世界をリードするIoTプラットフォームです。スマホを中心にいろんなデバイスがつながっていくという考えのもと、グローバルで様々な製品を手がけていて、世界ではすでに8億台のIoT製品がつながっています。そこからすると、日本はかなり遅れている。やはり国ごとのコンプライアンスがあるので、それらをひとつひとつ整理しながら製品を持ってこないといけないんですね。そういうことに対して今我々シャオミ・ジャパンの体制、本社の体制が整いつつあり、日本で出してみようという製品が増えているということ。これからもどんどん出していきたいと思っています。
安達氏:実は今回、スマートフォンを出すのは5ヵ月ぶりなんですが、そんなに久しぶりという感じがしないんじゃないかと思います。この間にもいろいろな製品を出させていただいて、ユーザー様にお知らせしたり、メディア様に取り上げていただいたことで、シャオミというブランドが常に身近に滞留しているみたいな状態ができていたからです。
スマートフォンは今、買い替えサイクルが、大体3年から4年と言われています。一旦お買い求めいただいた後、次にまた製品に触れていただくのが4年後っていうのは、ちょっと寂しい。その間にたとえば、スマートバンドを買っていただいたり、スーツケースを買っていただいたり、ロボット掃除機を買っていただいたり。いろんな製品を通じて、シャオミとつながっていていただきたい。製品ラインナップが増えたことで、そういうところが少しずつ、噛み合い始めたのかなっていうのを、Xのフォロワーさんたちを見て感じています。
大沼氏:中国では、家庭の中にシャオミ製品が3つ4つあるので、シャオミは家電メーカーというイメージを持たれています。日本でもスマートフォンだけでなく、お客様の生活の中に家電も含めて浸透していければ、まだまだのびしろはあると思っています。
──これまでのラインナップで、日本で出してみたらよく売れた製品、逆に売れなかった製品はあるのでしょうか?
安達氏:売れ筋というところでいくと、ワイヤレスイヤホンの「Redmi Buds」シリーズや、スマートバンドは大変好評をいただいています。スマートフォン周りではモバイルバッテリーも、今後期待できるカテゴリーになってくるかなと思っています。
大沼氏:いずれも適正な価格というところは評価いただいていて、今のところ、これは失敗だったというものはないです。ただ、今はまだラインナップを広げているところなので、おっしゃるように、どれがどのくらい売れるのかという判断の難しさはありますね。
スマートフォンとつながるものもつながらないものもあり、そこでどういう製品をラインナップしていくか、シャオミというブランドの中でどう出していくかなど、まだまだ答えが出せるような段階ではないです。これからお客様やメディアの皆様のご意見も聞きながら、進めていきたいと思っています。
──期間限定の「Xiaomi POP-UP Store」の営業が11月4日まで再延長されましたが、常設化する考えはないのでしょうか?
安達:先日中国のシャオミストア(小米之家)に行ってきたんですが、そこで感じたのが、日本でもだんだんパズルのピースが埋まってきたということ。最初の頃、「Xiaomi POP-UP Store」にはスマートフォンくらいしかなかったですが、徐々に製品のラインナップが増えて、いろいろ見て、選んで頂けるようになってきました。
大沼:実際に店頭では、スマートフォンを買いに来られて、「あ、これも欲しい」というような買い方がされています。ラインナップが広がれば、そうやって売れる製品も増えるでしょうけど、今はそこまで面積が広くないので、製品を並べ切れていません。あと1ヵ月、「Xiaomi POP-UP Store」でいろいろなことを試しながら、その後の展開についても前向きに考えていきたいと思います。
10/12 01:17
マイナビニュース