猫は飼い主が自分に話しかけているのがわかっているという研究結果

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2022年10月29日の記事を編集して再掲載しています。

猫に話しかける時って、声高くなっちゃいますよね。

ある研究で、猫は飼い主の声と知らない人の声をちゃんと聞き分けていること、そして飼い主が自分に話しかける時の声までも聞き分けていることがわかりました。猫を飼っている人からすると「やっぱりね!」とうれしいニュースですね。

知らない人の声への反応は薄い

パリ・ナンテール大学にここ何年もずっと猫と人間の関係性について研究を続けている研究チームがいます。その研究チームが今月初め、猫を飼っている人は犬を飼っている人同様に、猫に話しかける時に声が高くなる傾向にある、猫は飼い主の声を聞き分けているという研究結果を発表しました。

この研究では16匹の猫に参加、それぞれの家で観察を始めました。どれも自分の飼い主の声と知らないの女性の声を録音したものを猫に聞かせてリアクションを見るというものです。3つの違うパターンで実験開始です。まず1番目は、知らない人がその猫の名前を呼ぶ録音を聞かせます。次に、自分の飼い主の声、最後にもう一度知らない人の声を聞かせます。16匹の猫のうち10匹は、飼い主の声を聞いた時に耳を動かす、瞳孔が開くなどのリアクションがあり、その直後、知らない人の声を最後に聞くとリアクションがなかったそうです。

猫なで声がポイント

2番目のパターンは、飼い主が他の人に話しかけている声、その後飼い主が猫に話しかけている声です。3番目は知らない人が同じように、他の人に話しかける声、そして猫に話しかける声です。猫は飼い主が自分に話しかける声を聞いた時16匹中10匹の行動に変化がありました。しかし、知らない人の声を聞くとリアクションはなくなりました。猫に話しかけている声であってもです。

結果、猫は人間の言語に対して自分に話しているのか、そうではないのかを聞き分ける力を持っている、でも知っている人の場合のみということがわかりました。過去に犬は人間の自分に対する言葉を聞き分けているという研究がすでにありますが、猫も同じだったんですね。ただ猫は犬のように飼い主以外の知らない人に接する機会があまりないため、経験上、聞き分けが可能な猫とそうではない猫がいるかもしれません。

猫を飼っている人なら飼い猫が自分の声には反応するけれど、訪ねてきた友人はシカト! みたいな経験があると思います。なので、研究結果はおおよそ合っているんじゃないかなという印象はありますね。「猫は人間に対してあまり感情がない、ご飯と寝るところだけあればいいと思われていることが多いですが、猫は人間が「猫用」の話し方をする時にちゃんと自分に話かけていると理解しているようですし、ただエサをくれる人以上に感じてくれているのではないでしょうか」と研究の著者は話しています。

動物の行動についての研究は、動物に聞くことができないので本当のところを知るのが難しい分野です。研究チームはこの先も猫と人間のコミュニケーションについての研究を続けていくそうです。次は声でのコミュニケーションではなくて、触れる場合のコミュニケーションについての実験をすでに始めているとのことです。楽しみですね。

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