「9月は受験生の落とし穴」東大生がそう語る根拠
受験直前のいちばん苦しいシーズンに突入
9月に入ってから1週間が経過しました。受験を控えている人たちにとっては、2学期に突入し、受験直前のいちばん苦しい時期に差し掛かろうとしています。
この時期は1日1日の勉強がとても重要です。たった1日でも勉強できない日があると、受験に大きく影響が出てしまう可能性があるため、気が抜けない時期でもあります。
しかしそんな大事な時期であるにもかかわらず、多くの生徒がメンタルの不調を感じます。今まで調子がよかった人にとっても、この時期は落とし穴で、気づいたら調子が崩れてしまう場合が多いタイミングなのです。
それはなぜなのでしょうか。そして、どうすればメンタルを維持できるのでしょうか。そのことについて、漫画『ドラゴン桜2』のワンシーンを使いながら、お話ししたいと思います。
※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください
いかがでしょうか? 受験のプレッシャーから、第1志望を下げてしまう生徒が多い、という話でした。
「受験」と聞くと、「学力による選抜」といったイメージを抱く人が多いのではないでしょうか。でも実際は、学力による選抜と同じかそれ以上に、「メンタルの選抜」の要素も大きいと思います。
例えば、東大の倍率は毎年約3倍で、受験者の3人に1人が合格します。倍率だけ見ると「偏差値上日本でいちばんの大学なのに、倍率がそこまで高くないな」と考える人が多いのではないでしょうか。
一方で、高校生に「東大行きたい?」と聞いたら「行けるなら行きたい!」と言う生徒は多いと思いますから、本来の倍率はもっと高いはずです。
試験までに途中棄権する生徒が多い
それなのに最終的な倍率があまり高くない1つの要因は、「途中棄権」が多いからだと考えられます。
試験本番までの間に「やっぱり自分には無理だ」と諦めてしまう人が多く、それでも最後まで残った人たちの中で競争が行われているわけです。試験会場まで辿り着くメンタルの競争のほうが、クリアできない人が多いというわけですね。
だからこそ重要なのは、諦めないことです。最後の最後まで、とにかく走り切ることです。
とはいえ「諦めない」というのと、「がむしゃらに勉強する」というのは違います。また、「怖くなるから模試の結果なんて見なくていい」と考えるのも違うと思います。
自分の実力や模試の結果としっかり向き合って、できていなかった部分を把握したうえで「ここができていないから、しっかりと対策しよう」と冷静に考えることが大事です。
かつて僕の先生は「受験生は、氷のような情熱を持つべきだ」という話をしてくれました。「氷のような情熱」は、マックス・ウェーバーの言葉なのですが、先生はこの言葉を引用してこんなふうに語っていました。
「頭の中は冷たくすること。冷静に状況と向き合い、冷静に物事を分析すること。だけど、心の中は熱くすること。煮えたぎるように『合格したい』という想いを持ち続けること。氷のような情熱を持っている受験生が合格できるんだ」と。
まさに今の時期の受験生に求められるのは、そういう想いだと思います。ぜひ参考にしてみてください。
(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)
09/10 10:30
東洋経済オンライン