「担任持つと東大合格者出る」伝説の先生の指導法

西岡壱誠 東大 ドラゴン桜

(漫画:©︎三田紀房/コルク)
記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。
その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。
そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載。連載を再構成し、加筆修正を加えた『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』は、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。連載第137回はクラスの成績を上げる先生に共通していることをお話しします。

凄い先生に共通していること

僕は全国の学校を取材する中で、教えるのがとても上手い先生、クラス担任を受け持つと生徒の成績がぐんと上がる先生、親御さんから絶大な信頼を得る先生……といった数々のすごい先生に出会いました。

中には「その先生がクラス担任を持つと、東大合格者が出る」「その先生が教えているクラスだけ、偏差値が10ポイント違う」といった伝説を持っている先生もいます。

そんな先生たちに取材をしていると、実は1つの共通点があることに気づかされます。

それは、「自分もリスクを取る」ということです。この点について、漫画『ドラゴン桜』のワンシーンを引用しながらお話しさせてください。このシーンは、「東大を受験しない?」と先生が誘って、それを生徒から断られるという場面です。

※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

(漫画:©︎三田紀房/コルク)

(漫画:©︎三田紀房/コルク)

(漫画:©︎三田紀房/コルク)

(漫画:©︎三田紀房/コルク)

(漫画:©︎三田紀房/コルク)

いかがでしょうか? 「一緒に戦う教師もリスクを取れ」という言葉は、とても重いですよね。

「生徒が伸びる先生」というのは、やはりリスクを取っている人が多いと思います。

東大に逆転合格した生徒に話を聞くと、「東大に行こう!」と先生が言ってくれた、という人が多いです。

「生徒に東大に行こう!と言って、不合格になったらどうしよう……」と考えたら、そんなことは言えないですよね。それでも「東大に行こう!」と言ってくれる熱い先生がいたら、生徒自身も「自分もやってみようかな」という気持ちになれると思います。

生徒が挑戦しやすい環境を整える

そのうえで、そういう先生には「生徒の背中を押す力」があると思います。「挑戦しようかな、どうしようかな」と思っているときに、自信を持って「大丈夫! 行けるよ! 自分も頑張るよ!」と言ってくれる人がいるだけで、「頑張ってみよう」という気になれるものです。

「その先生がクラス担任を持つと、東大合格者が出る」という伝説を持っている高校の先生に話を聞いたときには、こんなことを言っていました。

「自分は別に、特別なことは何もしていない。勉強を教えてはいるけれど、それも1科目だけだし、自分の力だけで東大合格者を出しているわけではない。

でも、生徒に対して『どんどん挑戦しよう!』と言って、生徒が挑戦しやすい環境を整えることはしている。東大に合格した先輩を呼んだり、合宿を開いたり……。そういうことを徹底的にやっていると、生徒が勝手に開花していくんだよね」と。

「挑戦しやすい環境を整える」。僕は、この言葉が志望校に合格するキーワードだと思っています。もしこの記事を読んでいる方々の中に親御さんや先生がいらっしゃれば、ぜひこのことを意識してお子さんや生徒と接してみていただければと思います。

受験勉強や、子どもへの教育など、西岡壱誠さんへの質問を募集しています。こちらの応募フォームからご応募ください。

(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)

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