最新!「難関業種への就職に強い大学」ランキング

大学生の就職人気が高い5大商社のひとつ伊藤忠商事の本社ビル (撮影:梅谷秀司)
18歳人口が急減する日本では、私立大の半数以上が定員割れで、赤字も4割に達する。一方、研究成果の社会還元など大学の新たな役割も期待されている。では、そんな中で勝ち組となる「本当に強い大学」はどこか?
『本当に強い大学2024』は、入試から教育・研究、就職まで今の大学がわかるテーマを徹底取材し、1冊にまとめた「週刊東洋経済」の臨時増刊号だ。その誌面から、注目記事をお届けする。

5大商社は難関大卒中心

本当に強い大学2024 (週刊東洋経済臨時増刊)

今回は「難関業種に強い大学ランキング」を見ていこう。

「5大商社」は慶應義塾大学早稲田大学東京大学京都大学といった私立と国立の最難関大が上位に並ぶ。

5大商社に就職者がいる大学は限られ、1人でも就職者がいた大学は、回答のあった567大学中わずか49大学にすぎない。

5大商社すべてに就職者がいる大学は、9位の青山学院大学を除くベスト10圏内の大学と、12位明治大学(10人)、14位北海道大学(9人)、18位名古屋大学(6人)の12大学のみだ。

商社人気は、「仕事のやりがいと給与水準とのバランスが高い次元で取れている」ことにある。

同様の理由で「外資コンサルティング」も人気が高く、商社と掛け持ちでエントリーする大学生は多い。そのため、外資コンサルのランキング上位4大学は、商社と同じ順位で並ぶ。DX関連の案件が多いこともあり、東京工業大学(10位)や東京理科大学(12位)といった、国立と私立のトップ工科系大学もランクインする。

「テレビ局」は、アナウンス職や技術職、番組制作などの業務で外注が進み、もともと狭き門がさらに狭くなっている。そんなテレビ局の就職者数ランキングは早稲田大がトップで慶應義塾大、上智大学が続く。7位の法政大学には、マスコミ就職希望者対象の「自主マスコミ講座」がある。

「メガバンク」はIT・AI技術の発達で採用減が続き、23年卒の3大メガバンクの採用判明数は前年より100人少ない1106人。3大メガバンクに1人でも合格者がいた大学は87大学で、そのうち3行すべてに就職者がいたのは31大学。このように厳しいメガバンクの採用ランキングは、慶應義塾大、早稲田大、東京大、立教大学大阪大学の順で並ぶ。

(注)データは各大学発表による2023年の就職状況。東京大学、京都大学は大学新聞発表。難関業種に該当する企業の就職者数でランキング。就職率は卒業者数に対する比率。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。
各業種の対象企業は以下のとおり。
・外資コンサルティング(6社:アクセンチュア、アビームコンサルティング、デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング、ボストン コンサルティング グループ、マッキンゼー・アンド・カンパニー)
・5大商社(5社:伊藤忠商事、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅)
・メガバンク(3社:みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行、三菱UFJ銀行)
・テレビ局(6社:日本放送協会、日本テレビ放送網、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビジョン)
(出所)大学通信

(井沢 秀 : 大学通信 取締役情報調査・編集部部長)

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