「有名400社への就職に強い大学」ランキング50

慶應義塾大学の2023年卒のうち2891人が有名400社に就職 (写真:MARODG/PIXTA)
18歳人口が急減する日本では、私立大の半数以上が定員割れで、赤字も4割に達する。一方、研究成果の社会還元など大学の新たな役割も期待されている。では、そんな中で勝ち組となる「本当に強い大学」はどこか?
『本当に強い大学2024』は、入試から教育・研究、就職まで今の大学がわかるテーマを徹底取材し、1冊にまとめた「週刊東洋経済」の臨時増刊号だ。その誌面から、注目記事をお届けする。

大学の実力を測る1つの指標

本当に強い大学2024 (週刊東洋経済臨時増刊)

有名企業への就職が、最良の進路選択というわけではない。ただ、高いハードルを越え多くの学生が就職することは、大学の実力を測る1つの指標になる。

また、学生が就職に直結する各種の資格取得を目指す大学にとって、資格試験の合格状況も大学の実力を示す指標となる。ここでは有名企業および専門職の就職状況から大学の実力を検証していこう。

まず、有名企業の就職状況全般について、「有名400社実就職率ランキング」で見ておこう。

当ランキングは、長らく一橋大学東京工業大学という社会科学系と理工系のトップ大学が1位と2位を分け合っていた。だが、この構図が2023年3月卒で変わった。

トヨタ自動車が社会貢献事業の一環として設立した豊田工業大学が1位となった。私立大ながら国公立大並みの学費で優秀な学生が集まる同大は、前年の実就職率を16.3ポイント上回り3位から順位を上げた。

卒業生が132人と少ないことが有利に働く面もあるが、トヨタ自動車11人、豊田自動織機5人、アイシン、豊田合成、ダイキン工業が各3人など自動車関連中心のトップ企業に多くの学生が就職している。

就職者数最多は早稲田大

前年1位の座を豊田工業大に譲ったが、2位の一橋大は例年どおりの安定した就職状況を維持。就職者が多い企業は、同大OBの三木谷浩史氏が創業した楽天グループと大和証券が各25人、EYストラテジー・アンド・コンサルティング15人、明治安田生命保険13人など。3位の東京工業大は、ソニーセミコンダクタソリューションズ31人、日立製作所29人、NTTデータとソニーに各25人などが上位を占める。

比較的学部の少ない大学がトップ3を占める中、4位は総合大学の慶應義塾大学で7805人と多くの卒業生を輩出する。そのうち2891人が有名企業に就職し、44.2%と高い実就職率となっている。

有名企業の就職者数に注目すると、最多は10位の早稲田大学の3266人で、就職者が多い企業は、NTTデータ101人、楽天グループ93人、富士通82人など。次位は2891人の慶應義塾大で、1833人の明治大学(23位)、1701人の同志社大学(18位)、1491人の東京大学(24位)が続く。

情報化社会が進みDX人材の不足から理工系大学が強く、前出の豊田工業大や東京工業大をはじめ、名古屋工業大学(5位)、東京理科大学(6位)、電気通信大学(7位)、九州工業大学(8位)と、ベスト10のうち、6大学を占めている。

(注)データは各大学発表による2023年の就職状況。東京大学、京都大学は大学新聞発表。難関業種に該当する企業の就職者数でランキング。就職率は卒業者数に対する比率。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。実就職率は就職者数÷(卒業者数-大学院進学者数)×100で算出
(出所)大学通信

(井沢 秀 : 大学通信 取締役情報調査・編集部部長)

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