M&Aで売り手企業の資産移し倒産させる…悪質な買い手へ仲介の15事業者に、経産省が再発防止策の策定を指示

 経済産業省は30日、中小企業のM&A(合併・買収)で悪質な買い手企業への仲介を繰り返した15事業者に、再発防止策を策定し、実施するよう初めて指示した。応じなければ、国が認定した支援機関の登録を取り消す。事業承継の仲介を巡るトラブルが相次ぐ中、悪質業者に厳しく対処する。

経済産業省

 経産省によると、中小企業を対象としたM&Aでは、経営者の知識不足などにつけこみ、売り手企業の現預金や株式などの資産を移し替え、倒産させる悪質な買い手企業の存在が確認されている。15事業者は、売り手企業に、こうした買い手企業を仲介していた。

 15事業者はいずれも、補助金の対象となる「M&A支援機関」に登録されている。買い手企業の信用調査や、詳細な情報開示といった再発防止策を実行しなければ、来年度の登録を取り消す。国のM&A相談窓口を通じた紹介も停止する。

 政府は、後継者不足からやむを得ず事業承継する中小企業のM&Aを円滑に進めるため、今年8月に「中小M&Aガイドライン(指針)」を改定するなど対策に乗り出している。

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