セブン&アイ、カナダコンビニ大手の買収提案に「著しく過小評価」と回答 買収額も判明

セブン&アイ・ホールディングスは9月6日、カナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタールからの買収提案について、買収価格が著しく低く、実現可能性も低いなど、提案内容が不十分だとする書簡を送付したと発表した。

セブン&アイの発表資料でアリマンタシォンからの買付価額は1株あたり14.86ドル(2132円)で買収額は約5兆6000億円と判明。現金で取得する意向であることも明らかになった。セブン&アイの株価は9月6日終値で1株当たり2133.5円、時価総額は5兆5556億円となっている。

買収提案を受領後、セブン&アイは独立社外取締役で構成した特別委員会を組成。同委員会からの意見を踏まえて、取締役会は全会一致で株主やステークホルダーの最善の利益に資する提案ではないと結論づけた。

セブン&アイは、米国を含む同社の施策が買付額に反映されておらず、潜在的な株主価値が著しく過小評価されていると判断。また買収プロセスで障壁となる、米競争法当局など複数の課題が適切に考慮されておらず、それらハードルを越えるための時間軸の説明など詳細が不明であると指摘している。

さらに、セブン&アイが食品小売や銀行その他のサービスで日本の消費者の日常生活で不可欠な役割を果たしていると評価されたことに対して、さらなる協議が必要であることは明らかだとまとめている。

セブン&アイは2021年に買収したスピードウェイを合わせ米国で約12000店舗、アリマンタシォンはそれにつぐ全米2位の約7000店舗を展開。買収実現に向け、反トラスト法(独占禁止法)など規制の壁があることなどが報じられていた。


文:M&A Online福編集長 大澤昌弘

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