新業態の買収近づく「サンマルク」カフェ、レストランに続くのは?

「サンマルクカフェ」「倉式珈琲店」「生麺工房鎌倉パスタ」「神戸元町ドリア」などのカフェやレストランを展開するサンマルクホールディングス<3395>が、M&Aを活用して、将来の主力ブランドに育つ新業態の獲得に乗り出した。

同社はコロナ禍で業績が悪化し、2021年3月期、2022年3月期に2期連続の営業赤字に陥ったが、2023年3月期は営業黒字に転換したことから、M&Aを含めた新業態の開発に取り組むことを表明。

2024年5月に策定した2025年3月期から2029年3月期までの5カ年の新中期経営計画では、新ブランドの獲得のためのM&A投資枠として100億円を確保したほか「必要に応じて負債の活用も検討する」と積極的な姿勢を示した。

前中期経営計画ではM&A枠については明記しておらず、実際にM&Aに踏み切ったのは、2022年12月に発表した「喫茶マドラグ」4店舗を展開する京都市のLa Madrague(2022年3月期の売上高は1億4800万円、営業損益は2700万円の赤字)の1件に留まった。

サンマルクはどのような新業態を手に入れるのだろうか。

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営業利益は2.48倍に

サンマルクホールディングスは、新中期経営計画で、2026年3月期に売上高660億円、営業利益38億円を掲げ、最終年の2029年3月期には売上高800億円、営業利益65億円を目指すとしている。

前中期経営計画の最終年となった2024年3月期と比べると、売上高は2026年3月期で2.2%増、2029年3月期で23.9%増、営業利益は2026年3月期で45.0%増、2029年3月期では2.48倍となる。

この計画実現に向けて策定した施策の一つがM&Aによる新ブランドの獲得で、2027年3月期以降の成長の軸となる新ブランドの確立を目指すという。この目標実現のためには、今後1年半ほどの間に、有望ブランドのM&Aに踏み切る必要がある。

2025年3月期の業績予想では、中長期での安定成長を見据えたM&Aを含めた新業態の開発に取り組むとしており、2025年3月までにM&Aが実現する可能性もありそうだ。

中期経営計画初年度は減収に

新中期経営計画では、M&Aのほかにも「サンマルクカフェ」などの既存業態の強化をはじめ、「鎌倉パスタ」業態の出店や派生業態の出店によるパスタ業態の拡大などに取り組み、計画達成を目指すとしている。

こうした取り組みにもかかわらず、2025年3月期の売上高は640億円と前年度比0.9%減少する。レストラン事業は1.3%の増収となるものの、カフェ事業で3.9%の減収が避けられない見込みのためだ。

2026年3月期に増収に転じ、目標を達成するためには、La Madragueに次ぐM&Aが重要な役割を果たすことになりそうだ。

サンマルクホールディングスの業績推移

2025年3月期は予想、2026年3月期、2029年3月期は計画

文:M&A Online記者 松本亮一

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