3月にかけて多数開催される「ピッチコンテスト」 その内容は?

2024年2月から3月にかけ、スタートアップをはじめ研究者や学生らと、大企業などとのマッチングを行うピッチコンテスト(スタートアップなどによる短いプレゼンテーション)が数多く開催される。

政府は2022年に「スタートアップ育成5か年計画」を策定し、創業ブームの実現に向けた取り組みに力を入れている。

こうした動きに合わせ経済産業省や中小企業基盤整備機構などの国の組織がピッチコンテストを主催しているのをはじめ、民間企業も前向きな姿勢を見せているほか、学生起業家を対象にしたピッチコンテストなどもあり、スタートアップや起業家にとっては選り取り見取りの状況だ。

どのような内容なのか、見てみると。

研究者や学生も登壇

経済産業省は2024年3月13日に、東京都港区の住友不動産虎ノ門タワー2Fベルサール虎ノ門で、GX(グリーントランスフォーメーション=化石エネルギーからクリーンエネルギーに転換する取り組み)分野のピッチコンテスト「GXスタートアップ・研究者ピッチコンテスト」を開催する。

GX分野の課題を解決する技術や事業を保有するスタートアップのほか、自身の研究成果をビジネスに展開したい研究者や学生らも対象で、ピッチコンテストには15組が登壇する予定。

また経済産業省関東経済産業局と日本政策金融公庫は共同で、2024年2月16日に東京都千代田区のStartup Hub Tokyo 丸の内で、イノベーションピッチイベント「Social Issues Solving Conference」を開催する。

カーボンニュートラルの実現など、社会課題解決型ビジネスに取り組む企業を応援するのが狙いで、当日は社会課題解決に挑むスタートアップ5社によるプレゼンテーションのほか、日産自動車<7201>などの大手企業3社がカーボンニュートラルに対する取り組みを紹介する。

成長加速化を支援

中小企業基盤整備機構は2024年2月26日に、東京都港区の虎ノ門ヒルズフォーラムで、ピッチコンテスト「FASTAR 8th Demo Day」を開催する。

同機構のアクセラレーション(成長加速化)事業FASTAR第8期に参加した14社が登壇し、資金調達や大企業との事業提携などの可能性を探る。

中小機構は、2019年からスタートアップや中小企業の成長の加速を支援するアクセラレーションプログラム「FASTAR(ファスター)」に取り組んでおり、IPO(新規株式公開)やM&Aなどによって地域中核企業やユニコーン企業(評価額が10億ドル以上の未上場企業)を目指すスタートアップを支援している。

百貨店事業との連携が前提

大丸松坂屋百貨店やパルコを傘下に持つJ.フロント リテイリング<3086>が、イグニション・ポイント ベンチャーパートナーズ(東京都渋谷区)と共同で運営するファンド「JFR MIRAI CREATORS Fund」と、日本スタートアップ支援協会(大阪府池田市)は合同で、2024年2月16日に東京都渋谷区のイグニション・ポイント ベンチャーパートナーズ内でピッチコンテスト「JFR MIRAI CREATORS AWARD」を開催する。

百貨店事業やショッピングセンター事業との連携を前提に、有力なスタートアップ企業を発掘するのが狙いで、6社が登壇する。

学生起業家によるピッチコンテスト

世界の若手起業家のネットワーク「EO(Entrepreneurs' Organization=起業家機構)」に所属する「EO Osaka(運営は一般社団法人EO ALL KANSAI)」は、2024年2月17日にMBSちゃやまちプラザ(大阪市)で、学生起業家のピッチコンテスト「GSEA(世界学生起業家アワード)」日本大会を開催する。

2014年から毎年開催しており、今年が10回目。当日は大阪、京都、関東、東北、北海道、九州・沖縄の六つの地区予選を勝ち抜いた8人の学生起業家がプレゼンテーションを行う。

日本大会での上位4人は、2024年5~6月にシンガポールで開催が予定されている世界大会に出場し、50カ国を超える国の学生起業家らとアイデアを競い合う。

これらピッチコンテストに登壇するスタートアップや起業家から、日本を牽引する企業は誕生するだろうか。

文:M&A Online

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